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デヴィッド・クレーバーの「負債論」について予備知識の対話

デヴィッド・クレーバーの「万物の黎明」を読もうと思っているが、その準備運動として、クレーバーのもうひとつの大著「負債論」について、ChatGPTと対話してみた。

知らなかったことを、たとえ上っ面でも学ぶのは楽しい。

【問い】デヴィッド・グレーバーの「負債論」を読もうと思っているのですが、この本に書かれたグレーバーの思想について概略を説明してください。

ChatGPT
デヴィッド・グレーバーの「負債論」("Debt: The First 5,000 Years")は、人類史における負債(借金)の概念を、経済、道徳、社会秩序との関わりで再解釈した画期的な著作です。グレーバーは、負債が単なる経済的な関係に留まらず、歴史的に社会のあらゆる側面に深く影響を与えてきたと主張しています。
以下が本書の主要なポイントです:

  1. 負債と道徳の結びつき:グレーバーは、負債が古くから道徳的・宗教的な要素と強く結びついており、借金を返済しないことが道徳的に悪いと見なされる社会的な価値観が形成されたと述べています。この道徳的圧力が、個人間の借金から国家間の負債に至るまで影響を与えてきたとします。

  2. バーター神話の批判:経済学の伝統的な理論では、貨幣の発明は人々が物々交換の不便さを克服するためだとされていますが、グレーバーはこれを神話とし、歴史的な証拠はむしろ、負債と信用のシステムが貨幣や物々交換に先立っていたと主張します。

  3. 負債の歴史的転換期:グレーバーは、過去5,000年にわたる人類の歴史を通じて、負債の概念がどのように進化してきたかを分析します。古代文明では負債は宗教的な祭儀や社会的な結束に結びついていたが、徐々に負債が経済的な搾取や暴力のツールとして使われるようになったと論じています。

  4. 近代の負債システムへの批判:現代の資本主義経済における負債システムについても、グレーバーは強い批判を展開しています。彼は、政府や大企業が負債をコントロールし、一般市民に大きな負担を強いているとし、これが不平等や貧困を引き起こしていると指摘します。

  5. 負債の赦免と再分配の提唱:グレーバーは、歴史的には負債の赦免や再分配が社会の安定を保つ手段として使われてきたことを指摘し、現代においてもこうした実践が必要であると訴えています。

この本は、経済学や人類学の視点から、負債がどのように社会の構造に影響を与え、個人の生き方を規定してきたかを深く掘り下げ、現代社会における不平等や金融システムの問題を考えるための重要な視点を提供しています。

【問い】ありがとうございます。グレーバーは、負債を担保する「信用」という概念は宗教的なものに起因すると考えたのでしょうか?

ChatGPT
デヴィッド・グレーバーは、「負債」と「信用」の概念が、宗教的または道徳的な起源を持つと考えています。彼は、信用(credit)の概念が人々の間の約束や信頼の形で現れ、その基盤には宗教的な要素が含まれていると論じています。特に、初期の社会において負債や信用は単なる経済的な取り引きだけでなく、神聖な約束や道徳的な義務に基づいていたと指摘します。
例えば、古代の宗教的儀式や祭りでは、神に対する負債が重要な役割を果たしていました。負債は、神々や超自然的存在との関係に基づく道徳的な義務として捉えられ、これが社会的な信用システムの原型となったと考えられています。人々が神や祖先に対して何らかの奉仕や犠牲を負うことが「負債」とみなされ、それを履行することが「信用」を得る手段であったのです。
このように、信用という概念は単なる経済的な取引だけでなく、宗教的、道徳的な義務として機能していたとグレーバーは考えます。彼は、歴史的に見ても信用は宗教的な義務や信仰に深く結びついており、その影響が今日まで続いていると主張しています。

【問い】ありがといございます。負債と信用がコインの裏表のように関連するならば、国家が価値を担保する貨幣も国家の負債のようなものでしょうか?

ChatGPT
デヴィッド・グレーバーの思想を踏まえると、あなたの指摘は非常に的を射たものです。グレーバーは、貨幣も負債の一形態であり、国家が価値を担保する貨幣は、国家が負う負債の一種と捉えられるという考え方を示唆しています。
歴史的に見ても、貨幣は最初から実物資産(たとえば金や銀)に裏打ちされていたのではなく、多くの場合、国家や宗教的な権威によってその価値が保証されてきました。たとえば、古代メソポタミアやエジプトでは、政府が発行した貨幣や記録が、国家が提供する将来のサービスや保護の「信用」を表していたと考えられます。この意味で、国家が発行する貨幣は、その国家が将来の価値を提供するという「信用」に基づく負債だと見なせます。
また、現代の貨幣制度も基本的には信用に基づいています。国家が発行する法定通貨(フィアットマネー)は、金や銀といった実物資産に裏打ちされているわけではありませんが、国家の経済的、軍事的な力や信頼によってその価値が担保されています。したがって、法定通貨自体が国家の将来の価値に対する「信用」を表すものであり、同時に国家が負う負債の形態とも言えます。
グレーバーが指摘するように、負債と信用は社会的な力関係の中で成立するものであり、貨幣もその中で機能しています。国家が発行する貨幣は、国民や他国からの「信用」を基に流通し、価値を持つわけです。しかし、その信用が揺らげば、貨幣の価値もまた崩れる可能性があります。こうした観点から、貨幣は確かに国家の「負債」として見ることができ、国家がその信用を維持することが、経済の安定に直結すると言えるでしょう。
このように、負債と信用がコインの裏表のように関連し、貨幣はその象徴として機能しているという考えは、グレーバーの思想の中で重要な位置を占めています。

【お礼】ありがとうございます。現在の金融資本主義の根幹を支えている仕組みについて、あなたが教えてくれたクレーバーの分析にはいろいろ考えさせられました。落ち着いたらこの本の読書に取り組むつもりです。ありがとうございます。

ChatGPT
どういたしまして!グレーバーの思想は非常に深い洞察を提供してくれるので、読書が楽しみですね。時間を取ってじっくりと考えるのにぴったりの本だと思います。また、読書中に何か質問や議論したいことがあれば、いつでもお手伝いします。楽しんで読んでください!


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