【側弯トレーニング雑感】バドミントンと側弯症
先日、特発性側弯症と診断された方が来店されました。
家族歴はなく、生理的弯曲もある方でした。
幼少期より中学生までバドミントンをされており、頭部の正中からの逸脱と胸部のカーブの関連性から習慣的なメカニカルストレスによる側弯症ではないかと思われました。
基本的に医師の診断で習慣性や機能性という側弯症はほぼありません。
中学生など思春期であれば特に問診や運動歴を聞かずに画像を見て特発性側弯症と診断されます。
診断自体は別にいいのですが、困るのは特発性=遺伝性という考えによって、特に何もすることはないので、悪化するまで待ちましょうというのが困ります。
保存療法の立場では、原因なり習慣が変形と関連性が強い場合は、することは明確にあります。
原因となった動きを避ける。
反対の動きを積極的に行う。
経過を見つつ悪化の兆候が現れたら早く装具療法へ移行する。
この3つです。
悪化するまで待つという選択肢はありません。
彼女はこれから1ヶ月または2ヶ月に1回通ってもらって経過を追っていきます。
その間に上記の3つを徹底的に意識してもらいます。
本人にも親御さんにも、これからの期間が将来を決めるくらいのつもりで関わってくださいねと伝えました。
実際経過観察の2ヶ月間で急激に悪化して手術適応まで行く人もいます。
その状態で来られるとこちらとしても限界があります。
とにかく早期発見、二次検診で早期対応と言われていますが、二次検診での対応は経過観察なので、結局何もしていないのです。
これでは早く見つける意味がありません。
こういう事実をもっと多くの人に知って欲しいですね。
できることはもっとあります。
医師も保存療法についてももっと原因から考えて普通に判断して欲しいです。
何も考えずに、何も疑問を持たずにただガイドラインにとにかく準拠すればいいという医師ばかりではないと思います。
うちは医療施設ではないので、レントゲンの保管や患者情報を持って外部に発表ということはできませんが、僕が協力するので、クリニックなどの医療施設でも同じような見方をすれば対応できる人は沢山いるはずです。
そして、その経過を学会に出して、議論して欲しいです。
僕も将来的には病院を作りたいとは思っていますが、相当先になるでしょう。
今できる立場にある人には、ぜひ当たり前の理論で習慣性側弯症の評価診断と保存療法を実践してください。
以下の要素があれば習慣性を疑って下さい。
側弯症の家族歴がない。
幼少期からの偏った運動習慣がある。
矢状面上に生理的弯曲が存在する。
胸部右凸、腰部左凸という典型のタイプではない。
CSLよりも明らかに頭部がシフトしている。
骨盤の傾斜がある。
頭部の傾きがある。
ちなみに、運動と側弯症の関連が疑われているスポーツは以下になります。
クラシックバレエ
バドミントン
水泳
バスケットボール
バレーボール
これ以外でも僕の経験ではサッカー、野球、剣道、バイオリンなども習慣性として関連を疑うケースがいらっしゃいました。
思考停止の診断から、原因を疑う診断へ側弯症の方々が受けられている医療の変革を祈ります。