デンマークのはずれでロードトリップ ② (個性豊かなB&B)
前回の note は、デンマーク最北西海岸エリアのロードトリップの様子でしたが、ここでは滞在した宿について書きたいと思います。地域らしさを感じる、ユニークで印象深い宿が多かったのです。
B&Bはオーナーの個性そのもの
今回の旅での宿泊は、ほとんどが B&B (Airbnb)でした。
選んだのは、キッチン・リビング・トイレが共同で、朝食なしの(Bがひとつない)タイプ。その時にいる場所を基準に、近くで良さそうな宿を夫が(いつも直前に)選んでいましたが、不思議とどこも個性豊かなB&Bでした。
地元アーティストのB&B
サッカー会場近くで泊まったB&Bは、前庭に置かれたアート作品が動物園のようになっている、一見、とても不思議な宿でした。
創業時のオーナーが芸術家だったそうで、彼の描いた絵画がいたるところに飾られており、オーナーの趣味全開なのです。
それでも滞在を重ねるうち、まるで近所の公民館に泊まっているような居心地の良さを感じてきました。
実際この宿は、地元コミュニティの集会所的に使われていて、階下にはコーヒー豆のミニ焙煎工場もあります。親切なスタッフは皆コミュニティの高齢者たちで、午後には誰もいなくなるゆるさ。
他の滞在者たちとちょっとした交流があるのもB&Bの面白いところです。
イギリスから来たおしゃべりなトラックドライバー達と話したり、同じくサッカー応援に来ていたノルウェー家族と卓球して遊んだり。
サーファー夫婦のB&B
コールドハワイと呼ばれるサーフィンのメッカで一泊したのが、こちらのB&B。
宿のオーナーはサーフィンが大好きで、ここで B&B を経営する前は、アフリカに何年も住んでサーフィン生活していた本格派。今もサーフィンをしながら生活をしている様子が垣間見れました。
センスの良さとかっこよさが漂うフランス出身の奥さんは、同じ敷地でヘアサロンを開いていました。こちらも、オーナー夫婦の趣味とセンス、生き方が感じられる宿でした。
オートキャンプ場体験
旅の途中、1泊だけ、オートキャンプ場に滞在しました。
キャンピングカーや自家用車でロードトリップする人たち専用のキャンプ場です。
キャンピングカーが何台も泊まれる分譲地のようなエリアもあれば、自家用車ゲスト用に小屋が並んだエリアもあります。
キャンピングカーと接続した大型テントの中は、テレビやソファのある居心地良さそうなリビングスペース。ここで長期滞在しているのでしょうか。
バンガロータイプの小屋は、簡素なものから豪華なものまで。
ファミリー層が多いせいか、大きなプールや充実した公園があり、敷地内にはBBQスペースやスーパーマーケットも。
私たちが滞在した日はあいにくの大雨となり、寒くてプールで遊べず、小屋から共同シャワーやトイレに行くのも大変でした。
オートキャンプ場は天気が良く元気な時に利用したかった、というのが素直な感想です。
ノルウェーのB&B
余談ですが、ノルウェー国内の道中では Airbnb で見つけた民家に泊まりました。一軒家の上階、もしくは階下にオーナーが住んでいて、まさに一般の家を使わせてもらう感覚です。
快適な家と美しい景色にこだわるノルウェー人の生活を生で感じられるので、ノルウェー旅行には Airbnb おすすめです。
ロードトリップで必要なもの
B&Bを多用した今回のロードトリップ。体験から得た学びのひとつは、「持ち物の準備が大切」ということ。
私たちが持って行かずに後悔したものをあげてみます。次回はしっかり車に詰め込んで旅に出たいと思います。
食材、特に日本食材 : 食事は基本、B&Bのキッチンで料理。生鮮食品やお肉は旅先のスーパーで買うにしても、塩胡椒、油、ドレッシング、そして日本食材(お米、醤油、味噌、海苔、ふりかけなど)は小さな入れ物に入れて持っていきたい。
ベッドシーツ・ブランケットカバー・ピローケース : ベッド用具一式とタオルはあってもシーツのセットはついてきません。レンタルできるけど家族分だと高くつくので持参するのが賢明。
ボディソープ・シャンプー・コンディショナー・ドライヤー : B&Bやオートキャンプ場にはまずついていません。
水着・バスタオル : プールやアウトドア、サウナなどで使う機会が意外とあります。
サンダル・スリッパ : キッチン・トイレが共同なので、建物内で動き回ること多し。
レインギア・ジャケット : 夏といえでも防寒必須、雨対策はレインギアで。
親切なのはデンマークの国民性?
今回のロードトリップで特に印象に残ったのは、デンマーク人の親切さでした。
スーパーで買い物をしていた際、お花の入ったバケツをひっくり返してしまい、床に水が溢れたことがありました。レジの店員さんに伝えようとあたふたしていたら、並んでいたおばさんが店員さんにデンマーク語で何かを伝えると、モップをもらって床を拭き始めました。
「ごめんなさい、私がひっくり返しちゃったので、私やります」
と英語で伝えたら、
「謝らなくていいのよ。ここは私たちの地元のスーパーだから、私たちがお手伝いするのは当然なの」と。
初見、怖そうな印象のおばさんだったのですが、その面倒見の良さと優しさに感動しました。
レストランで道を聞いた時は、お店の人が一生懸命説明してくれたうえに、わざわざ地図をプリントアウトして、印をつけて渡してくれました。
公民館のようだったB&Bのおじいさんオーナー、私たちが毎回ギリギリで出す滞在延長リクエストに常に快く応じてくれ、自分がお気に入りだというクリームデニッシュを何度もお裾分けしてくれました。
同じ時期にデンマーク都市部を旅行していた友人も同じことを言っていたので、親切なのは国民性なのでしょうか。
慣れない土地で不安も多い旅行者にとっては本当にありがたいし、その国の印象がとても良くなるものです。自分も旅行者には優しくありたいものだとしみじみ感じました。
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