イタリアの太陽を浴び、食に歓喜し、後ろ髪ひかれた秋休み
もう1ヶ月も前の話、10月の第2週は息子たちの学校の秋休みでした。(しばらくnote できておらず、時候のずれた話が続くかもしれませんがご容赦ください)。
秋分の日を境に日がどんどん短くなり、気温が10度を下回るようになって本格的な冬の訪れを肌で感じ始めた時候のこと。
いつものように予定が立たないまま休みが2日目を過ぎたところで、突如 (実際は飛行機の離陸3時間前)、夫がイタリア旅行を決めました。
ノルウェー・スタバンゲルの天気予報では、毎日雨が降り、寒くどよんとした天気が1週間続くとの予報で、この天候の悪さから猛烈に抜け出したくなったようです。
サルディーニャの海と太陽を目指して
究極のバタバタで、1時間以内に準備をし、向かった目的地はイタリア・サルディーニャ島。地中海に浮かぶ美しい島です。
直行便はないので、ドイツ・フランクフルトやイタリア・ピサを経由しながら、2日間かけて南下しました。どこも初めて足を踏み入れる国。それぞれゆっくり観光したいけど駆け足で通り過ぎ、とりあえず目的地はサルディーニャの海と太陽。
ピサに着いたあたりから、体感温度がぐっと上がり、気候が冬から夏に逆戻りしたかのよう。冬服をスーツケースにしまい込み、半袖に着替えます。10月に半袖?と思っていたけれど、夏服が大正解。
この夏、ほとんど出番がなかった夏服に袖を通せる嬉しさと、じりじりした太陽の懐かしさにテンションが上がります。まるで日光浴する爬虫類になった気分。その嬉しさを日本の家族にメッセージすると、「こっちは猛暑に苦しんで、やっと涼しくなってほっとしたところだよ。正反対やな。」と呆れられました。
四国とほぼ同じ大きさのサルディーニャ島は、豊かで美しい自然や遺跡など見どころが多く、ヨーロッパでは有名な観光地。スイスなどは同じタイミングで秋休みだったらしく、リゾートはヨーロッパ諸国からの家族連れで大賑わいでした。日本人、アジア人はほとんど見かけません。
夫の趣味はウィンドサーフィンなので、旅行の目的地はいつもサーフィンスポット。どうやらここも彼の行きたいところリストに入っていた模様。
サーフィン仲間を増やすべく、息子たちにも気合を入れてレッスンをし、
3日の滞在予定が、いつのまにか4日、5日と延長されていきます。
サルディーニャは美しい海で有名ですが、私たちも1日だけ、モーターボートをレンタルして美しいビーチ巡りをしました。
息子たちはエメラルドグリーンの海に歓声をあげ、魚の群れの中へダイブ。
(旅行が急すぎてリゾートの準備を何もしていなかった私は、ユニクロのブラトップで海に入ることに。)
沖縄の海や、東南アジアの島リゾートの美しさに感動した記憶がありますが、南欧のリゾート感も負けずと素晴らしい。各々、プライベートクルーズを操縦して自由気ままに楽しんでる感が強く、ウインドサーフィン、カイトサーフィンなど割とハードなウォータースポーツが老若男女、幅広い年齢層に人気なのが印象的でした。
食欲が爆発する
イタリア滞在中、何より嬉しかったのは食事が美味しいこと。
駅にあるような大衆向けカフェであろうと、ホテルのレストランであろうと、どこに入っても期待以上の美味しさです。
ピザはどこも手軽で安く、パスタの種類は豊富で、魚介類も充実。
コーヒーやデザートに至るまで、口にするものすべが美味しい。
食の評価が群を抜いて低い (値段高いのにさほど美味しくない) ノルウェーから来るから余計に感動するのかもしれません。北欧から見ると特に、リーズナブルで美味しいものに溢れたイタリアはなんとも魅力的。
食べ物に感動した息子たち、食欲が爆発したかのようにとにかくよく食べ、「イタリアに住もうよ!」と言い出す始末。
ちなみに、貝に当たったのか私だけ食中毒になり、一晩苦しみました。それでも翌日からまた懲りもせずに魚介類をオーダーし、家族に止められたりしておりました。食のこだわりは薄いと自認する私も、いつのまにか強欲。
太陽だけでなく、安くて美味しくて豊かな食事。ノルウェーで手に入らないものが飛行機で数時間飛んだ先にすべてある。ヨーロッパの多様さを実感するし、つらくなった時の逃避先が近くに存在すると思うとなんだか安心するのです。
旅行のジレンマ
今回の旅行で強く感じたことのひとつは、家族で趣味があまりに違うと旅行で困るな、ということ。
夫の趣味がウィンドサーフィンで、息子達に教えて仲間を増やそうとする一方で、私はウォータースポーツは大の苦手。
ウィンドサーフィンは道具が大きくて重くて難儀そうだし、沖に流されたらと思うと恐怖。仕方なく太陽に焼かれながらぼーっとした時間を過ごすか、ホテルでせっせとリモートワーク。
サルディーニャについて調べると歴史が面白そうで、遺跡見たいなぁ、博物館行きたいなぁ、と思うのですが、ひとりでふらりと行ける距離ではなさそう。ビーチの雰囲気は開放的で好きですが、滞在が長くなるとなんだか消化不良に。
サルディーニャからの帰路は、芸術の町、フィレンツェを経由することになりました。滞在は1泊だけで、駆け足で通り過ぎたフィレンツェ。
中世の街並みがそのまま残る姿は本当に美しく、できれば数日間滞在してどっぷりと浸りたい場所です。
大聖堂のすぐ近くのエアビーに泊まり、街歩きは楽しみましたが、大聖堂に入ることも、美術館に行くことも叶わず。宝箱の中身を見れないようなじれったさがあり、後ろ髪をぎゅっとひかれる思いでした。
ショッピングを楽しんだり美術館の列に並んだりしている大学生や女子旅グループをうらやましげに見ながら、「自由な旅行を楽しめる時に思いきり楽しんで」と思うのでした。
妥協が必要なのは、ファミリー旅行ではきっとあるあるの話。子供が一緒でも大丈夫な場所や、子供が楽しめるアクティビティが優先になるのはライフステージ的に仕方ないし、それはそれで親として新鮮な発見があるものです。
でも、我が家はそろそろ、両親がいつも息子のそばにいなくても大丈夫な年齢です。私が興味ある場所は、夫や息子たちはあまり楽しめないだろうと思うと、別行動時間を作るアレンジや同意形成がこれからは必要になるのかもしれない、、、これからの旅行は何か作戦が必要だ、、とつらつら考えたのでした。(いいアイディアあったら教えてください)