『うんちのゆくえ』を高校の探求の授業でやることになりそう⁉
高校生に授業することに。。。ひぇ~
先月、下水道広報の一環として下水道のしくみを知る『うんちのゆくえ』っていう講義を小学生にした。。。そうしたら今度は『うんちのゆくえ』を高校の授業でSDGsと絡めながら講義しないか??って話が舞い込んできた??スゲー!!私たちが高校で授業なんて。。。ゼミで学ぶ私たちが。。。授業なんて。。。それも高校の???ということで『うんちのゆくえ』高校生バージョンをちょっと考えてみた。
授業やるなら自己紹介から!!
まず自己紹介っっ!!私たちは新潟法律大学校Gゼミ(下水道広報ゼミ)に所属する3年生チーム。Gゼミは50年以上たって老朽化する下水道設備というインフラを維持運営するために、今後かかる費用に対する市民の理解を促す仕組みを考えるゼミ。全国の下水道事業が抱える「当たり前すぎて市民から全く興味を持ってもらえない」という問題を解決するシステムを新潟市下水道部の方と共に考えるってことが使命。でっ。。。このゼミを全国へ広め、私たちと一緒に下水道のことを考える組織を創ることが野望。フフフッッッ将来的に秘密結社Gゼミとして羽ばたくのだぁ!!!ってことで、今回は下水道をSDGsの視点から考えてみた。
下水道の技術ってすごい!!
ところで下水道はUNDERGROUND(アンダーグラウンド=地下)の世界の住人。地下で活動するって、なんか秘密結社風でステキ♡ではまず地上世界と地下世界をつなぐマンホールのことから語っていこうと思う。。。
マンホールの技術、実は日本は世界トップって知ってた??世界のほとんどのマンホールが平受けというガタつき騒音が出る仕組みなのに対し、日本は勾配受けを開発し騒音がない静かなマンホールをつくった。それだけでなくRVっていう食い込みを防いで持ち上がりやすい構造のマンホールを開発ってスゲー!!
それだけじゃなく下水道全般の技術も半端ない。さらには下水道は世界で100兆円の規模を誇る産業。それって、自動車産業の1/4で半導体産業と同じ規模。。。すごすぎ!!それも環境面に配慮してSDGs的な目標も達成しようという技術力。チョット誇れる!!【下記URL:経済産業省HP水処理をめぐる技術開発、導入の最新動向について~カーボンニュートラルとSDGsの観点から~】
https://www.kansai.meti.go.jp/3-6kankyo/R3fy/mizu20220204_1.pdf
さて、まずはカーボンニュートラルから
カーボンニュートラルって言葉、その辺で飛び回っている。。。これって、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」 から、植林、森林管理などによる「吸収量」 を差し引いて、温室効果ガスの合計を実質的にゼロにすることを意味している。
「排出量」と「吸収量」の差がゼロになればいいわけだから地球にあるカーボン=炭素の量を増やさなければ良いわけ。地球にある炭素の量ってよーく考えると増えないと思わない??だって物質の量は地球外から手に入れないと不変なんだもん。でも、温室効果ガスはガスだから炭素が気体として浮遊しなければ良いってことだ!!
そこで!!石油や天然ガスについて考えてみる。。。これって、太古の生物の死骸などが地下に堆積し、地下の高い温度や微生物の分解作用などにより、六千万年から数億年かけてできたらしい。気体として埋蔵されていたのが天然ガス。液体として埋蔵されていたのが石油だそうだ。それってなにもしなければ埋蔵されたままだったものを人間の手で無理やり掘り出して、エネルギーとして燃やして使っている。つまり、埋蔵された炭素を無理やり掘り出して燃やすことで、酸素と結合させ二酸化炭素をつくって大気中に拡散するってこと。おー!!カーボンニュートラルでないっっ!!
例えば、薪を燃やす行為を考える。元々薪は木を乾燥させてつくる。木は自然界で二酸化炭素を分解して酸素を放出する。その結果、炭素が木の本体をつくり成長する。これ、光合成っていう。それを伐採し乾燥させて薪にして燃やす。伐採したところに木を植えれば。。。また光合成をして。。。カーボンニュートラルだっっ!!
さぁ本題「うんちのゆくえ」歴史編
つまり、循環させることが大事。さてさて。。。ここから「うんちのゆくえ」を考える。平安時代までは住居の近くにトイレ的な定まった場所はあったが、自然の分解浄化作用に任されていたそうだ。その後、本格的な都市国家の成立に伴って、都市の食料を確保するための近郊農業が発展した。そのため、都市から出たうんちやおしっこを肥料として農業に利用する循環システムが発達する。うんちが資源になったわけ。。。
資源にはなったんだけど。。。ちょっと問題が。。。昔って寄生虫が結構な人のおなかの中にいたんだよね。これって。。。うんちと一緒にでた寄生虫の卵が野菜に紛れ込み。。。食べた人の口からおなかに入る。。。オェ!!そんなぁ!!!って感じ。。。
でも、明治に入って工業化社会の発展に伴い都市人口の急激な増加。農業人口の減少や郊外農地の減少などを背景としてうんちはまたゴミの扱いになる。さらには、当時としては化学的に作ったために寄生虫の卵がなくて清潔な化学肥料の普及などがそれに拍車をかけ、特に第二次世界大戦後(20世紀中期)海中投棄や焼却など完全に廃棄物としての扱いを受けることになった。(ちょっと待って。。。海中放棄ってちょっと汚すぎない??)この廃棄物ちょっと問題。。。海に捨てたり燃やしたりのあと、窒素が多い汚泥は二酸化炭素の約310倍の温室効果として知られる亜酸化窒素や25倍のメタンガスをつくる。。。それって。。。地球温暖化の道へひた走りってこと???
さて、昭和の時代は化学肥料って救世主的な感じで世の中に浸透したけど。。。化学肥料の原料は天然ガスや石油。。。つくるときにCO2が出る。さらには、肥料はやっぱり亜酸化窒素ガスやメタンガスも作り出す。有機肥料は微生物の働きで土中にそれらのものをためる力があるのだけど、化学肥料にはない。。。空気中に放出したり雨と一緒に川に流れ込んだりと悲しい状態に!!!
今のうんちはどこへいく??
ここで近年下水道事業が目指している未来を考えてみる。なんか下水処理って2つの役割があるらしい
① 汚水を浄化する
② 雨水を川に戻す
へー雨水を川に戻すって、つまり、水害から私たちを守るってことだよね。新潟では8月4日に豪雨被害があったけど、地球温暖化が原因って言われてる甚大災害を食い止めるために働いてくれてるんだぁ!!!スゲー!!!汚水の処理だけじゃないのね。。。
具体的にどんなふうに処理するかが分からなかったので、オネガイして新潟市中部下水道処理場ってところに取材&撮影会に行ってきた。中部下水道処理場に雨水と汚水の混ざった下水が到着すると大きなごみを除去し処理場の中へ!!24時間365日稼働するポンプで下水を組み上げる。中心地域の大多数、市域の25%がゼロメーター地帯の新潟にとってこのポンプは命綱!!下水道って汚水処理だけじゃないのね!!
さてさて、ポンプでくみ上げた下水はその後、最初沈殿槽へGO!!!そこで泥を沈殿させ次のばっ気槽へ。。。ここでは微生物を投入し水に溶け込んだ有機物をバクバク食べさせ最終沈殿槽へ。。。有機物を食べた微生物は重くなって沈殿。。。最後、大腸菌などを殺菌して川へ戻す。こんな流れで処理するらしい。
沈殿した汚泥。。。なんか汚そう。実を言うと全産業廃棄物の43%を占める。(環境省:産業廃棄物の排出及び処理状況等H27)エーッそんなになの!!!チョットびっくり!!そんな廃棄物の量。。。そのゆくえが気になるとこだけど。。。汚泥は消化タンクへためられて微生物によりメタンガスなどのガスを発生させるらしい。それをガスタンクにためてなんと!!!発電するらしい!!!汚泥発電。。。おそるべし!!その後、汚泥を脱水してリンたっぷりの肥料や煉瓦・セメントと混ぜ建材になるってスゲー!!!!
うんちが循環する社会
それって、うんちの話だよね。うんちって下水道によってすべてが資源になるんだぁ!!うんちが電気になってぇ!!うんちが建物や道路になってぇ!!うんちが肥料になって。。さらにはその肥料で作物が育つっっ!!
新潟市の下水道って、水都にいがたにとって大切な大切な大切なきれいな水だけ作ってるのかなって思ってたけど。。。だけじゃないみたい!!下水道は、生ごみを資源に変えて。。。うんちを資源に変えて。。。水をきれいにかえる!!!それだけじゃなく災害被害から市民を守る役割までになっている。水だけじゃなくうんちまでも循環させる。下水道ってサスティナブルだ!!!
新潟市中部下水道処理場では下水道汚泥を使用した発電で施設の電気の半分を賄っているらしい。さらに下水道から作る肥料注目されてるみたいだ。
ウクライナ情勢や中国の輸出規制などの影響で化学肥料の価格が高騰する中、下水処理で生じた汚泥を再利用した自治体の安価な肥料が注目を集めている。佐賀市では10キロ20円で売られ、8月の販売量が前年同月の約3倍に増加した。普及を阻害していた「臭うイメージ」も 払拭ふっしょく し、国も「下水は宝の山」とPRに力を入れている。(山田伸彦)読売新聞なるほどぉ!!注目されてますなぁ!!
サスティナブルな社会がぁ
実は、国土交通省が音頭をとってサスティナブルな町をつくる色々な取り組みが進められているのだけど。。。下水道のお話はその中のひとつ。SDGsは「Sustainable Development Goals」(サスティナブル=持続可能・ディベロップメント=発展・ゴールズ=目標)というのが本名。世の中がサスティナブルって考え方で動き始めている。私たちの経済活動が地球を破壊するような時代。私たち一人一人がサスティナブルってことを考えて「サスティナブルな生産活動」「サスティナブルな消費」「サスティナブルな生活」な行動をとることが必要なんじゃないかな??って思います。
授業の骨子できた気がするけど。。。これで大丈夫だろうか?高校生興味持ってくれるかなぁ???