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医療とビジネスと家族愛と〜二人のスタンフォードビジネススクール同窓生

これは「ビジネススクールでの(自分の)学び」ではなく、MBAプログラムで学んだことを自らの子供の命を救うために最大限活用し、成果を上げている卒業生の話。一人は同級生、もう一人は「後輩」(この表現、卒業年次無関係な米国では全く相応しくないけど)。

先に「後輩」について。彼はお嬢さんが生まれ持った希少疾患・難病を治すために世界中の治療につながりそうな研究を探して資金提供するNPOを設立、いくつか期待できる治療法への道筋が見えた、と言う話です。これは1年以上前にLinkedInに元記事と共に自分のコメントを投稿したので、ここでは繰り返しません。どちらも英語ですが、原文または機械翻訳なり生成AIなりによる翻訳を読んでいただければ幸いです。

そして同級生の話。これはまさに灯台下暗し、でこちらの卒業生会報の記事読むまで知りませんでした。

こちらは簡単に内容を記載しておけば、これも「長くは生きられない」とされる遺伝性希少生疾患を持って生まれたお嬢さんの病気を治すためにこれまたNPOを設立したところまでは一緒ですが、そこから「娘を助けてください」と常に訴えるだけではなく、この新薬の投資対効果をも冷静に評価し「善と利」を説くことによって製薬会社を動かし、有望な薬の開発にこぎつけています。

そして臨床試験参加者の一人として、お嬢さんご本人にその新薬を投与することができ、その効果あって、お嬢さんは車椅子生活ながらこの度イェール大学を卒業されたそうです。

この同級生、ファイナンス業界出身でそのスキルやネットワークを存分に駆使したようですが、ベンチャー投資家であるこれまた別の同級生の支援も不可欠であったようです。どちらもそんなに親しい相手では無いし、過去同窓会に参加してくれた覚えも無いですが、今度会う機会があったら握手求めるどころか、平伏してしまうかもしれませんん。

最大の市場を目指し、企業価値を最大化する「ユニコーン」創業することばかりが「起業」じゃありません。シリコンバレーでありながらいわゆるシリコンバレースタートアップとは全く違う、こうした「与えられたものに甘んじず、戦い抜く」話こそが本当の起業家精神なのです。

最近長年の友人(これまた同窓の「先輩」でもあります)が「雇われ」CEOとして創薬スタートアップをSPACとはいえ株式上場に漕ぎ着けました。その会社に入った動機も御母堂とご主人を癌で亡くしたから癌治療に経営者として取り組んでみたい、というもの。またこれは別の投稿としますが解決課題が「身近なもの・自分のもの」である場合のパワーってやはり凄いです。

以上「同窓生自慢」に終始してしまいましたが世の中善意だけで回ることはないですが、稀に功利と善徳が噛み合うと深く強いインパクトを生み出すことがある好例として紹介しました。

なお、本記事の写真は昨年参加した卒業25周年の同窓会での自分の学年の集合写真です。同じ週末に開催された他の卒業年次を遥かに上回る50%
と言う高参加率はこれまた誇っても良いかな、と思いました。

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