差別構造を壊すために ~まずは、準備~


1 大前提

これから私がするのは「構造を壊す」という話である。
教室内で、暴言を吐く、授業と関係ない話を延々と大声で続ける、暴力行為、離席立ち歩き、教室から出て戻ってこない。
こういった行動をしている児童を「どう指導するか」という話ではない。
こういう行動が起きるのは、教員は無意識のうちに、こういう行動を許される特権的な立ち位置を作ってしまっているからなのだと、私は考えている。
そして、子供達は「あの子はやってもいい。この子はだめ」という線を引いてしまっているのだ。
それを、今の段階では仮称として「差別構造」と呼んでいる。
差別という言葉を使ったのは、こういうクラスには、必ず、ものすごく「下」の立ち位置の子も存在するからである。
暴言や暴力を(それほど強く)注意されることがないアンタッチャブルを中心とした”1軍”。
注意されるが教員を無視して行う”2軍”。
その喧騒の中で静かに耐えている”3軍”。
暴言や暴力を受ける”4軍”。
大雑把に分けて、こういった区分けがある。”●軍”という言い方がものすごく嫌なので、これについてはもっと良い表現を見付けたら、変えていきたいな。
何はともあれ、こういった構造を、教員(担任)一人では壊せない。
集団でやらなければいけない。
集団というのは、一つは職員集団である。
もう一つは、学級の児童集団である。

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21年間公立小学校に勤めた後、私立小学校に転職しました。 今は校長をやっています。 2010年から『学び合い』(二重かっこの学び合い)の授業づくりに取り組んできました。今までの実践に関する情報の他に、学級づくり、学校経営に関する情報を書いています。

高橋尚幸と申します。。 教育に関する雑感、授業実践の紹介、校長としての発見などを書いています。 週に1~2度程度、記事をアップします。やる…

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