育休を取った夫から妻への、リアルインタビュー
今回は趣向を変えて、私(夫)が取った育休についてどう感じているのか、妻(忠地七緒)にインタビューした内容を書こうと思います。
Q1.夫が育休を取って良かったことは?
①精神的にも身体的にもふたりで子育てができた
どんな些細なことでも、夫婦で一緒に考えて、悩んで、結論を出していく。産まれた直後から「ふたりで」育てているという実感があったのはうれしかったな。
特に新生児期は、母親も新米なので、オムツの替え方、ミルク量、肌荒れなど、毎日ネットで検索しても解決策が何なのか全然わからない。
そういう時、自分一人で悩むのではなく、親という同じ立場で話せる人がすぐ隣にいてくれて安心できたし、一緒にヘロヘロになりながらお世話をしたのはいい思い出。
②孤独感が和らいだ
個人差はあれど、産後の母親は孤独感があると思う。子どもがかわいいのはたしかだけど、慣れない育児、眠れない、体は痛い、暮らしが一変して、周りから取り残されているような感覚…。
私自身、退院後1週間は精神的に不安定でよく泣いていた。育児に対してわからないことが多すぎて、ちゃんと母親になれるんだろうか?と不安で。
そういう時に話し相手になってくれたり、ストレスのはけ口になってくれてありがたかった。
③自分の時間を作れた
夫が子どもを見てくれたので、新生児期から近所のカフェにお茶しに行けたり、生後2ヶ月頃から少しずつ仕事復帰(撮影・取材など)ができた。髪も切りに行けたし、服も買いに行けた。本も1日1冊くらいは読めていた。
一般的に「産後はなかなかできない」と言われていることが、スムーズにできたことが印象的。自分の好きなことや大事な仕事を諦めなくてよかったので、産後ならではのストレスは少なかった気がする。
Q2.育休中、夫がやってくれてうれしかったことや助かったことは?
"産褥期"と呼ばれる2ヶ月間、ほぼ全ての家事を担ってくれたこと。朝昼晩の食事、掃除、洗濯、育児。
たとえば夜中の授乳は夫が積極的に代わってくれたので、私は寝不足で疲労困憊…ということはなく、体の回復につとめることができた(生後2ヶ月頃から1日6〜8時間は寝ていたし、今もそのくらい寝られている)。
また、夫婦の会話が増えたのもうれしかった。ベビーカーで散歩している時に何気ない会話をしたり、近所のカフェでコーヒーを飲んだり。夫に時間的な余裕があるので、普段よりフットワークが軽くて、平日いきなり天王洲に遊びに行ったのも思い出深い。
Q3.夫が取得した育休の期間・タイミングはどうだった?
5ヶ月男性育休は一般的には長いと思う。だからとても感謝しているけれど、欲を言えば保育園入園までの7ヶ月取ってくれたらうれしかった。欲を言えば、です(笑)
タイミングとしては、退院日から育休を取得してくれて本当に良かった。というのも入院中は助産師さんにいろいろ質問できるが、退院時は荒野に放り出された気持ちになる…。
体もメンタルもボロボロで、もちろん赤ちゃんがいる生活にも慣れていない。そんな時、家事をすべてやってくれて、かつ一緒に考えてくれる人がいて心強かった。
とはいえ、だれもが長期間育休を取れるわけではないと思う。ということで参考までに「このくらい取ってくれると、このくらい助かる」という肌感覚を書いてみます。
①2週間
一番大変だったのは最初の1〜2週間。ここで男性育休を取ってくれると、ほんの少し育児に慣れるし、1ヶ月検診が見えてくる頃なので妻は助かる。
②1ヶ月
1ヶ月経つと妊娠・出産による体の痛みがなんとなく減ってきて、子どもがいる生活にも慣れてくる。1ヶ月取ってくれれば「一緒に育児をスタートできた」感も強い。
③2ヶ月
心身ともにだいぶ調子が戻ってくる。子どもと外に出られるし、笑顔を見せてくれることも。育児が楽しくなってくる頃なので、2ヶ月取れたら男性も子育ての楽しさをどっぷり味わえるかも。
④3、4、5ヶ月
子に表情が出てきてとにかくかわいい。毎日かわいいを絶賛更新。生活リズムもできてきて、夜ぐっすり眠ってくれる日が増えてくる。夫は子育ての楽しさを味わいながら、育児の合間に自分のやりたいこともできていた印象。
Q4.育休中夫への愛情は増えた?減った?
微増。産後、妻から夫への愛情が下がるという話をよく聞いたが、今の所そんなことはないかな。
微増したのは、夫が「子どもが欲しい」と言わなければ可愛い息子に会えなかったから。あと、想像以上に夫が子煩悩になっていて、今まで知らなかった夫の一面を見ることができているから。
Q5.夫が育休を取ったデメリットは?
お金では換算できない愛しい時間を過ごせているので納得しているものの、世帯としての収入が減るのはデメリットと言えるかも。
私自身はフリーランスで産休・育休手当もないので「お金が減っていく」ことに恐怖は感じた。
Q6.その他何か伝えたいことがあれば
育休を取ってくれて、本当にありがとう。さすがに新生児期は慣れなくて大変だったけれど、産後=大変、やつれる、辛い…みたいなことはほぼなく、子の成長とかわいさと自分の時間を両立できて、尊い時間だった。
今後「男性育休」という言葉がなくなるくらい男性が育休を取ることが当たり前になれば、産後が楽しくなる人や子どもを持つことに抵抗がなくなる人が増えるかもしれない。そうなったらいいなあ。
最後に、私個人としては、産後より妊娠中の方が体調・精神面ともに辛かった。だからたとえば臨月から"男性が産休"を取得できたり、気軽に時短勤務ができるような社会になると良いな。
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実はこのインタビュー自体は昨年の12月にしたもので、今回記事として書くにあたって妻にリライトしてもらいました。しかし、内容はほとんど変わっていません。この5ヶ月という私の育休期間は、我々夫婦にとって本当に良いものだったなと、改めて感じています。
次回は、育休取得を通じて自分が変わったこと、について書こうと思います。