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展覧会レポ:郷さくら美術館「水 -巡る- 現代日本画展」

【約2,700文字、写真約30枚】

中目黒にある「郷さくら美術館」に初めて行きました。その感想を書きます。

結論から言うと、テーマがはっきりしており、コンパクトな美術館で見やすかったです。「水」に関する企画展は、夏らしい涼やかな気持ちになることができました。中目黒の美術館で"お花見"できるのは粋な提案でした。中目黒に行くことがある人は、是非1度訪問をおすすめします。

※投稿日現在、すでにこの展覧会は終了しています。

展覧会名:水 -巡る- 現代日本画展
場所:郷さくら美術館
おすすめ度:★★★☆☆
会話できる度:★★★☆☆
ベビーカー:ー
会期:2023年6月27日(火)- 8月27日(日)
休館日:月曜日
住所:東京都目黒区上目黒1丁目7−13
アクセス:中目黒駅から徒歩約5分
入場料(一般):500円
事前予約:不要
展覧所要時間:約1時間
混み具合:ストレスなし
展覧撮影:すべて撮影可
URL:https://www.satosakura.jp/?page_id=4377


▶︎アクセス

郷さくら美術館をほぼ正面から

私は初めてさとさくら美術館に行きました。郷さくら美術館は中目黒駅から徒歩約5分。私は中目黒に10回も行っていませんが、この場所を知りませんでした。目黒川からほど近い住宅街の中、ガソリンスタンドの横にあります。

横はがっつりガソリンスタンド。美術館の中で「オーライ!」と元気な従業員の声を聞けます
建物はインパクトがありますが、中目黒を歩いて視野には入りづらい

住所:東京都目黒区上目黒1丁目7−13

中目黒はおしゃれな印象だったが、場所によって庶民派
目黒川付近は時速30m走行

▶︎郷さくら美術館とは

外の看板

さとさくら美術館とは、

郷さくら美術館は、現代日本画をご覧頂くための専門美術館として、2006年10月に福島県郡山市に、2012年3月に東京の中目黒に東京館をオープン(略)昭和以降の生まれの日本画家の作品を中心に収集(略)郷さくら美術館 東京は、桜の季節には大勢の花見客で賑わう目黒川のほとりに位置(略)全4室となる展示室には、毎回40点余りの作品が展示(略)「満開の桜を日本画で楽しんで頂く」というコンセプトに基づき、桜がモチーフの屏風作品を含めた大作十数点を常設する展示室を設けております。

公式サイトより

(株)ライザンフォスターホールディングスが美術館を運営しているようです。公式HPを見ても、美術館の沿革や成り立ちが見つけられませんでした。

なぜ、どのような想いで福島県内に建てて、その後に目黒に建てたのか?館長は誰なのか?そもそも名前の「さと」とは何を意味するのか(ずっと「ごう」と読んでいました😅)?なぜ「さくら」なのか…?

そのような内容をHPの分かりやすい場所に記載することにより、来客が増えることに加え、ブランディングに奏功すると思いました。

▶︎訪問のきっかけ

特徴的な外観のデザイン。建築は2012年にグッドデザイン賞を受賞

各SNS(X、facebook、noteほか)でこの展覧会の口コミを何度か見ました。その際、野地美樹子さんの《Uneri》がたくさんアップされていました。来館のきっかけは、1)ダイナミックな《Uneri》が気になったこと、2)郷さくら美術館は今まで聞いたことがなかったことです。

▶︎「水 -巡る- 現代日本画展」

チケット
作品リスト(紙の作品リストの配布はなし)

入館料は500円!最近、どこの美術館の入館料も値上げされているため、すごく安く感じました。館内は全て撮影okです。

美術館は3階各フロアごとにテーマを決めて構成されていました。フロアはどれもコンパクトで、サクッと見ることができます。

なお、展示されているガラスの反射がきつかったです。優先順位を付けて少しづつ低反射のものに変えると、より気持ち良く鑑賞できると思いました。

水のゆらめき、きらめきを見ると心が落ち着きました。多くの鑑賞者も椅子に座って、じっと見入っているのが印象的でした。とても暑い日に見ると、一層涼やかな気分になれました。

また、桜の部屋(2階)において、お花見で有名な中目黒で、いつでも絵画でお花見ができるのは、粋な試みだと思いました。

1階「水ー巡るー」

千住博《ウォーターホール》:滝の絵といえば千住さん。何冊か彼の本を読みました。実際に作品を見ると「たらしこみ技法」に見えない繊細さでした。いつか軽井沢千住博美術館へ行ってみたい
野地美樹《Uneri》:展覧会で一番人気の作品。このポストカードだけ売り切れ
本来は屏風絵(四局一双)。みなさんベンチに座って見入っていました。和室に置くと見え方が随分変わりそうです
よく見ると、ドリッピングで赤や緑なども散らされています
吉田舟汪しゅうおう《神象 那智》:たった3本の線で描かれた滝の存在感が抜群。モワモワ、シャー、サワサワと色んな水の音が聞こえてきそう
村居正之《驟雨》:縦の線、横の光と水面の揺らぎのバランスが絶妙。「千と千尋」のような雰囲気を感じる
日本画の絵の具の紹介は、制作の裏側を知ることができて大変有益
同様の展示は松伯美術館にもありました。千住博さんは岩絵の具に魅せられて、日本画に進んだと本で読みました

3階「水ー巡るー」

「NYでも展示しており」の"NY"とは、NYのどこでいつなのか?NYの個人宅かもしれないし、MOMAかもしれない。表記がざっくりしすぎ
平松礼二《ジャポニズム・モネの池図》:中目黒での展示は5年ぶりらしい
平松礼二《桔梗図》:これを見て「モネ、光琳、雪舟などは現代アートに通じ、当時彼らを評価した人たちもすごいな」と思いました
展覧会の様子
椅子に座ってグルりと回れば、全て見渡せる広さです

2階「桜百景展 vol.32」

ここでも3階と同様「NYでも展示しており」。一部のキャプションが怪しい。複数人でチェックすることをお勧めします
佐藤しん《宵桜》:こちらも屏風らしいです。屏風は自立できるし、壁で平面に懸けることもできる面白いキャンバス
細部までとても丁寧
高橋浩規《春の足あと》:花いかだが綺麗。外国人が花いかだを見てもただのゴミに見えるのかな、と思いました。鴨もかわいい

▶︎まとめ

買ったポストカード(50円!)。平松礼二《ジャポニズム・モネの池図》

いかがだったでしょうか?コンパクトな美術館で、テーマがはっきりしているため、美術館側のメッセージがクリアに伝わってきました。自然を感じる夏らしい企画展で、鑑賞していて気持ちが良かったです。美術館の存在感が薄いため、もっと多くの人に知ってほしいと思いました。

▶︎今日の美術館飯

トラスパレンテ 中目黒店 (東京都/中目黒駅) - ビアンカ (¥362)、水出しカフェオレ (¥595)

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