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父への想い

最近、実家に帰れていなくて
凄く気になっている

父のお墓に行けていない…

父が亡くなりもう15年…
とても早かった気がする

父は厳しい人で
気楽に話しかけるには
ちょっと勇気が必要だった

学校を卒業した後は
友達と遊んだり彼氏に会ったり
帰りが遅くなると
どんなに遅く帰っても
『早く寝なさい』
と、言ってきた
帰るまで寝ずに起きてる事が多かった

彼氏が出来ると
『ちゃんと自分の事を考えてくれる人なのか』
必ず聞いてきた

今まで彼氏を一人も紹介出来なかった
反対されるのが怖くて

母は『お父さんはあなたが大好きなんだよ』
いつもそう言っていた

父は園芸が好きで
仕事以外は
毎日庭にいる事がほとんど
蘭の花が大好きな父でした

庭師でもないのに
器用だったので
庭の剪定を頼まれる事が多かった

そんな父は

脳梗塞を2度患い
1度目に倒れた時は
退院出来たけど
2度目に倒れた時は
ほとんど意識がなかった

倒れた時も剪定バサミを握ったまま
倒れていた

その時から
半身不随になり寝た切り生活
そんな生活は7年も続いた

母は毎日病院に通っていて
私は週末になると
病院に会いに行き
たくさん話しかけていた

その頃はまだまだ反応も悪くて
話す事も出来ず
手を握ると握り返してくれた

しばらくしてから
少しだけ話せる様になり
私の名前を久しぶりに呼んでくれた

名前を呼ばれて
私は父と上手くコミュニケーション
取れなくて
ゆっくり一緒に過ごす時間
本当になかったな~って
涙が止まらなかった

会いに行く度に
名前を呼んでくれた
凄く嬉しかった

ある日風邪をこじらせ
肺炎になり
家族みんな呼び出された

本当に苦しそうな父を見て
ずっと手を握っていた

最後の最後まで
寝た切りで本当に辛かったはずの父が
『ありがとう』と言ってくれた
ずっと名前を最後まで呼んでくれた

私は父に何かしてあげられた事が
あったのだろうか

もっとたくさん話したり
笑ったりしたかった

そんな後悔がずっと頭を巡っていた

通夜はほとんど泣かなかった
私がしっかりしなくては…

兄と一緒に涙を堪えていたと思う
必死に…

葬祭会館から火葬場に向かう時
葬祭会館の担当の方が
思いがけない事を言ってくれた

『今日は天気がとても良いですね、最後に湖を見て自宅を経由してから火葬場に向かいますが宜しいですか、きっとお父様も喜んで下さいますから』

そう言ってくれた

近くに湖がある

そしてちょうど父が亡くなる前に
兄が建て替えて新築した家を父は見ていない

そんな話を聞いていた担当の方が
父のために言ってくれた言葉だった

私はそんな事を考えて下さってる
なんて優しい方なのだろうと
そこで我慢していた涙が出ていた

私はその方をこの先も一生忘れることはない

火葬場に着いてからは

私は狂ったように
今まで我慢していた感情が爆発して
取り乱してしまいました

父との本当のお別れに
味わった事のない
苦しい気持ちが込み上げました

父の死を経験して
私は本当に命の尊さを感じました

それから
月に1度はお墓掃除に行き
生前に出来なかった
父に話しかける事をずっと続けていました

今は結婚して
なかなか行けなくなりました
年に数回になりますが
行ける時には行っています

更に今は実家に帰るのも
自粛しているから
毎朝父のお墓の方向に向かって
話しかけています

きっと聞いてくれているだろうと

私の心にはいつも父がいる
そう思い考える事で
父と話せなかった時間を
今大切にしたいと思うから

大切な人を失う事はとても辛い
人の命の尊さを
私は子供たちにも
私なりに伝えていきたい

私の思っている事が
正しい事ではないかもしれないけど

私は父との時間が少なかったから
子供たちとはたくさん作っていきたい

家族の時間も大切にしていきたい

1日でもみんなで笑顔でいられる
時間を少しでも
たくさん作りたいと思います

今も心の中で私を育ててくれた
父に感謝しながら
書かせてもらいました

最後まで読んで下さった方
ありがとうございました☘️

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