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神保町マンゲキ&お散歩レポ
三連休は台風でどうなることかと思いましたが、後半二日は秋晴れの涼しい風の吹く日になりましたね。夫と子供たちが釣りに出かけて自由時間ができたので、ここぞとばかりに行ったことのない劇場に足を運ぼうと思い、神保町マンゲキの昼公演のチケットを取りました。
お目当ての芸人さん
・ドンデコルテ
・男性ブランコ
・オドるキネマ
・9番街レトロ
…などなど。正直に言うと、神保町マンゲキでの一番の推しはデカダンスなのですが、芦名さんの出演ライブが夕方からだったので、時間帯が合わず断念。それでも初めて生のオドるキネマが見れると思うと胸も高鳴る。
大人気の9番街レトロのお二人は、最近狂ったように猛プッシュしていたブリキカラスのラジオの存続をサポートしてくれた、恩人のような存在。いつまでもライブにも行かないでいるわけにはいきません。使命感にかられるように神保町に出かけました。
神保町の思い出
私が神保町に通い詰めていたのはもう10年ほど前のこと。当時はまだ「神保町マンゲキ」ではなく「神保町花月」という名前で、公演内容も若手のネタではなくて、お芝居でした。演劇とお笑いの中間のような、ここちよい、ゆるーいお芝居。一時期は芸人さんが監督した映像作品を上映したりしていた時もあったような。脚本、演出も芸人さんが行い、芸人さんのクリエイティブな一面が垣間見られ、今では圧倒的強さを誇る東京吉本芸人さんのコント文化を発展させる聖地みたいな場所だった思います。
2007年の神保町花月立ち上げ公演、「ハッピーな片思い」は、永遠の最推しであるPOISON GIRL BANDが主演したこともあり、私にとっては特別な劇場でした。同じ公演を何度も見に行ったり、酷いときは週3回くらい神保町花月に通っていたことも。街並みも、渋谷は新宿は苦手ですが、神保町は落ち着きますし、お笑いを見に行っているのに「文化人っぽく」振舞える有難い場所でもありました。
で、マンゲキになってから行ってないわけですから、神保町の街自体に訪れるのももう三年ぶりくらいになります。当時は神保町駅を利用していましたが、今の家からは千代田線の駅が最寄りなので、新御茶ノ水駅から歩きました。神保町までの道すがら、スノボなどのウィンタースポーツ製品のショップや、インラインスケートの専門店もあり、ちょこちょこ寄り道しつつ向かう。今のインライン靴はもう3年くらい履いていてウィールが剥げているので交換したいなあとか呟きつつ、マンゲキに向かいます。
お昼は平日でも行列が出来ていた神保町の超人気のカレー屋さん「キッチン南海」が、マンゲキの近くに移転している!移転したとは聞いていたけどこんなところに来るとは。移転前の店舗でよくお見かけしたのは当時大ファンだった元カリカの家城さん…。今も訪れてらっしゃるんだろうか。
客層は若め
最近は他事務所ライブばかり行っていたので、吉本の劇場自体とても久しぶりでした。芸人さんも若い人が多いし、とにかく客層が若い!かわいい女の子が多い!フレッシュ!古本の街だしなあと思って、露出少な目の地味ファッションで来てしまったことを後悔しました。陽キャの中に一人だけ超陰キャが来てしまったみたいな感じになってアウェイ感が半端なかった。
公演の所感
とはいえ、よくよく周りを見渡せば、常連さんだけではなく、親子連れも、男性客も、通りすがりで見に来たっぽいお客さんもいます。そんな雑多な匿名客たちに紛れながら入場。足を踏み入れれば花月時代の落ち着いた雰囲気とは打って変わってカラフルな舞台、カラフルな客席。いかにも「若者向け!」って感じ。ドるキネとか9番街とか、20代の芸人さんはいいけど、ドンデコルテもこの舞台に立つんでしょう…?と想像したらその時点でちょっと笑えてきてしまったり。
ゴヤの前説から始まって、賑やかな音楽と共に開幕。賭けてるお金が段違いなだけに、他事務所のライブとは当然ながら音響も照明も違います。豪華だな~(もっと素朴でいいのにな~)とか思いつつテンションも上がり、金魚番長、エバース、衝撃デリバリーなど、数珠の若手芸人さんのネタが続く。常連さんの内輪ノリが強くて若干笑いどころが分からなかったりしたけど、やっぱり実力者揃いでゲラゲラ笑いました。お目当てのオドるキネマは生で見るのが初めてだったのですが、何なんでしょう、南さんのあの劇場を操る能力は…。
具体的に言うと、バイダンさんが、南さんの襟がちゃんとしてなくて直す下りがあって、そこで女性客がたぶんBL的に沸いたのですが、そこで南さんがピカーン!と何かひらめいたのか、今度はバイダンさんの襟を直してみる。するとまた女性客が沸く。そこから「な、沸くだろ?(面白いだろ?)」と言わんばかりに襟を直したり、直させたりのやりとりが始まって、完全に客を操っている…。そんな風に遊び心をもって舞台に立ち空気感を自分だけのものにしてしまう感じ…どこかで見たような…?なんとかバットのなんとか保とか言う人がいたような…?とかいうデジャブを感じつつ、「ああそういえば愛ランズの工藤さんに似てる」とか思いつつ、やっぱ南さんは天才だなと改めて思いました。
オドるキネマは私の推し芸人さんの中では最若手に当たりますが、たぶんずっと年甲斐もなく追いかけ続けて行くと思います。南さん家ないってのも最高だし。以下、バイダンさんと南さんのnoteとかYoutubeとかいろいろおススメしておきます。
(バイダンさんのメンヘラ全開の恋バナnote。切なくてキュンとする)
(取り敢えずこの文章を一読しただけで彼は天才だと大体分かる。年齢?24歳とかです)
(何で居候なのにこんなに傲慢なのか、何で許されているのか、なんとなく分かるような気がする。存在そのものが面白がられるから家なくても死ぬことはない)
話が大幅に逸れましたが9番街レトロの人気は凄まじかったです!ああ本当にありがとう、こんな人気芸人さんが忙しさの合間を縫って、ブリキカラスのラジオのゲストに来てくれるなんて…。と感謝の心に溢れつつ、ネタの面白さに感動しつつ、ワイワイガヤガヤのコーナーを経て換気タイムへ。
男ブラのコントはすげえとしか言いようが無いです。平井さん演じる女性役が女性にしか見えないとかいう、演技の妙はもう周知のことだと思いますけど、何ていうか…構成美ですよ!どんなコントでも漫才でもその他の表現でも展開の裏切りってハッとさせられます。緊張と緩和。お二方の尊敬するラーメンズさんたちが作り上げた文化を引き継ぐように、お笑いの場で感動するような体験をさせてくれて、且つめっちゃ笑わせてくれるコント師さんたちを本当に尊敬します。KOCの決勝が本当に楽しみ。
前半に比べると後半は渋いコント師さん、漫才師さんが多かった。特に好きだったのはぺんとはうすです。ツッコミの世良さんが物凄く落ち着いているんですよ。デカい声を張り上げたりもしない、いつも笑顔で落ち着いている。懐かしい漫才を思い出させるイントネーション、言葉選びも大好きです。M-1予選も上位通過だったみたいだし、今後も注目して見ていきたい。
トリを飾ったドンデコルテはもう神でした…。ずーっと笑いっぱなし。動物を飼いたいというネタです。渡辺さんはいろんなコンビを経てるけどNSC14期、そりゃ芸歴が違うもんね、なんて言うのは簡単ですけど、正直あんな神ネタめったに見られませんよ。こんな近くでこんな漫才に触れられることに感動しつつ閉幕。めっちゃ楽しかったですけど笑いすぎてとても疲れました。
神保町をお散歩
そんなわけで疲れたんですけど、終わった後も少し時間があったので、何か古本でも買ってくかあと思いブラブラとお散歩。SFに強い古本屋を見つけて星新一と筒井康隆の文庫を購入。二冊で五百円でした。
花月時代に何回通い詰めたか分からない大好きな店、文房堂さんでステーショナリーを眺める。最近は手帳もろくに使わずスケジュール管理もスマホにしちゃってるし、手紙もファンレターをちょくちょく書くくらい。字も下手になった。もっと手紙書かなきゃなあとレターセットをひとつ購入して店を出る。
HとかPATI PATIとか懐かしい雑誌がたくさん置いてありそうなお店もあった。昔のお笑い雑誌とかバンド雑誌とかいっぱい発掘できそうなお店、なんか怖くて入らなかったけど、次来たときは入ってみよう。
美術書に特化した書店Bohemian's Guild。洋画の専門書が多くて何時間でもうっとりと眺めていられそうだった。
最後に、適当に見つけたカフェでカレーとジャスミンティーのランチ。ダイエット中なのでお昼は抜くことが多いけど、せっかく神保町に来たんだしなあ…と思って。
よく「カレーは片手で食べられるから、食べながら本が読める、だから神保町にはカレー屋が多い」的なうんちくを聴きますけども、カレー食べながら本読んでる人なんて、現実には見たことないよねって話。アウトモラルな行動に敏感なタイプなので、そんなことしてる人いたら「本が可哀想でしょ!」と怒りたくなっちゃうかも。店内にも本屋があって、静かで、居心地の良いお店でした。