旅びとの回想・与論島にて。
大学時代、当時あった旅雑誌、ABロードを読むのが好きだった。
いろんな旅のプランが詰め込まれており、大学生の自分でもバイトを頑張れば旅に行けるような価格が表示されており、それを頼りに、目標に、バイトを励んでいた。
いつもその雑誌の最後ページあたりに、与論島船旅ツアー、というものがプロモーションされていた。船旅で5日ほどの旅程だったように思う。20,000円台。安過ぎないか?と不安になるくらいの値段。
しかし与論島を調べてみるとあまりの美しさにこんなところが日本に?と思ってしまうほどだった。
行きたくてたまらなかったが、勇気が出ず、一緒に行ってくれる友達も見つけられなかった。
それから、、10年。ある時、与論島出身という人と親しくなった。
そのご家族とも親しくさせていただく機会があり、是非与論島に来てください!と言われ、相手は社交辞令だったかもしれないが、それを間に受けて、絶対に訪れようと心に決めていた。
そして。それからまたさらに時が経ち、機は熟した。
行くべき時は今!と。
今しかない、と思ったがその時、あの大学生の時の行かなかった無念を晴らすのだ。
仕事の休みを取り、与論島へ向かうべく、飛行機のチケットを取った。
沖縄乗り換えで、いざ、与論島へ!
空から見た、沖縄から与論島に向かう海の景色の美しいこと!
こんなに美しい紺碧の空や海を見たことなんてなかった、と大興奮に陥った。
そして。与論空港の、空港から出る扉が手動なことに驚いたが、それをガラガラと開き、与論島の世界へ!
はじめてのお宿は偶然にも映画『めがね』で薬師丸ひろ子がいた民宿だった!
この映画も好きだったなあ。
到着してからは、与論島ならではのエピソードを地元の人から聞くのも楽しかった。
特に興味を惹かれたのが、昔はこの地域ではお葬式は風葬であったこと、そして方言の消滅危機について。
あとは、それまで知らなかった、台風が起こることの大きな意味と意義。
台風が起こることで海水を揺らし、海水温度がそれにより下がることで結果的に珊瑚を守る役目になると。
いろんなことを聴いて、とても興味を持った。
文化だ。同じ日本でも違う文化的側面があるんだなあといろんな違いや考え方やその歴史に深く感じ入るものがあった。
与論島の文化のひとつ、与論献奉。
これも体験させていただいた。
お酒の回し飲み、というだけではなく、回ってきたお酒を飲みながら自分についてその都度語る、というもの。
これも楽しかった。
海ガメも何度も見た。泳ぎながら何度も。感動した。
与論島の方言も耳にした。外国語のようにまったく理解できなかったが、ステキだなあと思った。文化だなあと。
鶏飯、というものも、二日酔いの翌朝につくっていただいた。
その時に、お葬式は今は風葬ではないが、誰かなくなると、その遺体と一晩共に眠るとか。
なんだかそれっていいなあ、と思った。
与論島で偶然知り合った方と今も繋がっている。
あれから5年経つ。
また与論島に行きたい。
美味しいカキ氷を食べたり、百合が浜を見たい。
与論マラソンに参加して〜とお願いされてたのにまだできていない。
与論島に今度行ったら、野菜の収穫のお手伝いと与論マラソンの参加は決まっている。
でも海。海を眺めながらぼーっとビール、、それ一番アリな与論島での過ごし方〜と怠惰な自分はそれを一番の願いとしてしまうのである。
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