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【バーテンダーがゆく、バルセロナ旅行(2回目) : 2023年2月】

皆様、ごきげんよう。バーテンダーの安部直柔(アベ ナオナリ)です。現在はメルボルンでバーテンダーをしています。
2023年12月末までロンドンで約2年間バーテンダーをしていました。その間に、ヨーロッパへ旅行に行くこともあり、からその旅先で出会ったオススメの場所、レストランやバーなどをいくつか紹介していこうと思います。

前回の投稿で『バーテンダーがゆく、バレンシア旅行 : 2023年2月』について綴ったので是非そちらも読んでみてください。


今回は『バーテンダーがゆく、バルセロナ旅行(2回目) : 2023年2月』

ヘレスからセビリア、さらにバレンシアを経て2回目となるバルセロナです。

2022年9月に初となるバルセロナ旅行の記事も書いてるので参考までに。

またバルセロナを訪れたのは「前回、行きたかったのに行けなかったバーやレストラン」があり、そこへ訪問してきました。1泊2日の弾丸バルセロナだったので、観光は全くしてません。自分の五臓六腑との闘いです。

新旧伝説のバー

1軒目のバーは

『SIPS』

バルセロナは世界的に有名なバーが多い都市としても知られていて、前回いくつかのバーを回ったんですが、体力が追いつかなくて、行けなかったのがこの『SIPS』というカクテル・バー。

『SIPS』は、バルセロナを代表するモダンなカクテル・バーで、私が前回参加したThe World's 50 Best Bars 2022で4位に入った実績があります。
特徴は、カクテルの味わいもさる事ながら視覚的にも楽しませてくれるバーです。カクテルを作るバー・ステーションが独立型のタイプで、店内の中心に配置されているユニークなスタイル。

路面側は全てガラス張り
これが独立したバー ステーションは2箇所

1杯目は、ハーブが効いた爽快リフレッシュ系のカクテル。写真を見ていただけると分かると思いますが、グラスの中に薄い氷と葉が何層にも重ねられ、冷やす為だけに氷を使うのではなく、さらに葉を使いデザインするというネクスト・レベルなカクテル。

The cocktail name is MIL FULLS
氷とレモンの葉を交互に重ねている

2杯目は、なんとも奇妙なグラスで登場。
キウイとジンとシェリーを使ったアロマティックなカクテル。グラスの口が大きので、飲む時に鼻がグラスの中に入り、ダイレクトに香りを感じられ、飾りのハーブ達も相まって、ワインの様なニュアンスを醸し出してる1杯でした。

The cocktail name is KRYPTA
卵のような形のユニークなグラス
バーテンダー目線で言うと洗うの大変そう

3杯目は、ピスコ(葡萄が原料の南米の蒸留酒)をベースしたピスコ・トニック。パロサントという香木も使われており、重厚な香りなんだけどグビグビ飲めちゃうやつ。さらにバルセロナ出身の有名建築家のアントニ・ガウディにインスパイアされた色合いのガーニッシュが良いアクセントになってました。

The cocktail name is MOSAIC

4杯目は、ガストロノミー(化学料理)をカクテルに落とし込んだもの。入ってる材料は、ナッツやほうれん草やレーズンなどなど、味の想像が付かないですよね。
はい、予想通り。このカクテルだけは飲んでもピンと気ませんでした。まだそのレベルに私が到達してなかったんだと思います!不味かっただけではない、ただ良く分からんカクテルだったという記憶しか残ってない。好みの世界観なので、好きな人もいるだろうから否定はしない。アタリもあれば、ハズレもあるだろう!

The cocktail name is BLANK

計4杯飲んで、ナオナリは良い感じになりました!
バーを出る頃には10組くらいが並んで待っていて、やはり世界的にも有名なんだなと再認識。

店内の中心から見えるバー・ステーション

ちなみに、『SIPS』はThe World's 50 Best Bars 2023で栄えある1位になりました。
実はその後、3回目となるバルセロナ旅行で、再訪しようと店の前まで行ったんですが、今までバーでは見たことのない列ができてたので辞めました。さすが世界1位の影響力は凄い。

2軒目は、1933年から営業している老舗バー

『BOADAS COCKTAILS』

バルセロナの老舗バーとして世界的にも有名なのだが、実は私が訪れる数ヶ月前の出来事で、1軒目に訪れたSIPSのオーナー・バーテンダーがBOADASの経営権を買取っていた。

オリジナルのクラシックと世界共通のクラシックが載っているメニュー

世界1位のモダンなカクテル・バーとバルセロナの老舗バーを同時に経営するという両張り。どちらも大繁殖なので、オーナー・バーテンダーはビジネスセンスまでも持ち合わせて、恐れ入ったの一言だ。

ここのバーはなんと言ってもカクテルを『スローイング』という技法で作るのが代名詞。

イケメンのバーテンダー
お客様の視線は彼に釘付けだ

写真中央のバーテンダーが液体をシェーカーからシェーカーへ投げて?落として?いるのが、見えると思う。
これが『スローイング』という技法、右手のシェーカーに液体と氷が入っており、左手の空のシェーカーに液体だけを飛ばしたあと、また右手のシェーカーに液体を戻しを数回繰り返す。液体を冷やしながら、より空気を含ませて香りを立たせつつ、液体の口当たりを和らげるような仕上がりにするイメージだと思ってもらえれば良いかと思う。

1杯目は、クラシック・カクテルのアドニス
2杯目は、オリジナルのシェリー・コリンズ

あの店内で飲むと。カクテルだけでなく、時代を飲んでるようにも思わせてくれる。

是非、バルセロナに訪れたら『SIPS』と『BOADAS COCKTAILS』には訪れて欲しい。

丘の上のクラシック・レストラン

私がフォローしている日本人のフーディーが投稿していたことで知ったレストランがある。

『Restaurant Bonanova』

バルセロナの伝統料理が味わえると知り、行ってきた。中心地からバスが電車で20〜30分くらいの立地だが、行く価値のあるレストランだ。

入り口を入ってすぐの景色
壁の奥にもテーブル席がある

日曜日のランチ・タイムに訪れた。他の卓は紳士淑女か、家族しかいない。
もちろん1人で来ているのは、私だけだ。
そのくらい観光客が来るようなレストランではないということだろう。しかも、明らかにお客様達の品が良く見えることから、ハイエンドな人達が通う、地域に根差したレストランだと感じた。

全てのテーブルを店主のお父さんがオーダーを担当するのだが、めちゃくちゃ愛嬌があって良い。
スペインのチャキチャキのオッチャンって感じだ。英語は喋れないが、私が片言のスペイン語で『バルセロナの伝統料理を食べたい!あなたに任せる!』と言ったら、『俺に任せろ』と言わんばかりの笑顔で
👍サインを決めてくれた。
と言うことでスタート。

1品目 クロケット
2品目 自家製アンチョビとチーズのピンチョス
3品目 ツナとトマトのサラダ


4品目 隣の卓からのお裾分けロブスター

1人で食べた私に、隣の紳士淑女がお裾分けしてくれた
おそらく、このレストランで1人は珍しいし、食好きだと彼らに伝わったのだろう
5品目 トリュフのオムレット
6品目 バルセロナ伝統の肉と烏賊団子
7品目 ビーフタルタル

見た目は美しくないけど味は本物だぜ、デリシィオーソ。
そして改めて感じるテイスティング・コースがないレストランで1人アラカルトの限界。もうオムレットの時点でお腹パンプアップして、吐きそうだったけど無事に完食。

旅行先で流行ってるレストランに行くのも良いが、地元の人が通うレストランにも行くべきだと再認識できた。
また来ます、その時は誰と一緒に。

という感じで、1泊2日の弾丸バルセロナ旅行完結。

では次回まで、アディオス アミーゴ!

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