今の自分を受け入れる #ADHDと生きる 3
先日放送された 山口一郎さんのドキュメンタリーを見た。
以前、この記事を一読していたので、最初は見るのが怖かったのだが、
涙を流しつつも、最後まで視聴することができた。
記事の中でも、番組の中でも、山口さんが言っていたこの言葉が、
私の魂を揺さぶった。
これは、今、書かなければいけない。
誰かに、伝えたい。
私もやっと気づいたことだったから。
1 「病気以前の自分に戻ろうとしても、苦しいだけ。」
私はそのことに気づくのが遅かった。
メンタルの浮き沈みがひどく、何度か治療や服薬をしてきた過去がある。
でも、「良くはならない」のだ。
それがなぜなのか、私にはわからなかった。
そのうち、子育ての難しさにも直面した。
2人の子どもたちのことだ。
姉と妹、それぞれが違った「しんどさ」を抱えていた。
親の私には、それが見えなかった。
見ようとしてこなかった、とも言えるかもしれない。
それが目に見える形となって現れたのが、ここ数年だった。
学校への行き渋りだったり、不眠や強度の不安による適応障害など
二人分の心配や不安が、一辺に私にのしかかってきたのだ。
仕事のしんどさと、子育てのしんどさ。
年齢に伴う不安定さも、私の限界を越えることに拍車をかけた。
そうして、私は倒れた。
私自身もそうだけれど、こどもたちもそれぞれに抱えている難しさがあって、
それを見つけて理解し、どうやって「折り合い」をつけて生きていくか。
そこまでが、心底辛いのだ。
2 子育ての難しさが拍車をかけた
子どもがこうなってしまったのは、母親のせい。
社会でも、学校でもよく言われることだ。
言う立場から、言われる立場になって、とても傷つき、悩んだ。
ADHDは、私のせい?
私がADHDなのは、誰のせい?
私が持っているものが、子どもたちを苦しめているの?
そのころの私は、
「遺伝」とか「気質」とか、そういう言葉は、目にしたくなかった。
「普通の人」であるオットには、理解されない、
そう思って、絶望したこともあった。
発達障害とか、精神疾患とか、この辺りの疾病は、
「病気」として認識されていないのではないかと思ったりもしている。
薬を飲んだり、治療をすることで、「スパッと治癒」するものではなかったりもするから、いつ治るのか、もしかしたら治らないかもと思われる側面で、「病気」として捉えにくいのかもしれない。
病気と診断される前の「普通の自分」に戻りたいと葛藤したり、悩んだりもした。
でも、それがわかる前の自分って、苦しくなかったか?
うまくいかないことだらけだったり、「どうしてこうなるんだろう?」という失敗だらけ、人間関係も上手くいかないことが多かった。
果たして、そこに戻りたいのだろうか。
今、通院し、服薬しながらも、ようやく「人間らしい」生活ができている。
周囲の人たちに助けてもらいながら、ある程度穏やかに毎日を過ごすことができているではないか。
子育てについても、子どもと一緒に病院へかかりながら、話を聞いてもらったり、アドバイスをもらいつつ、良い方向へ向かいつつあると思う。
時々、定期的に落ち込み、死にたいなあとぼんやり思うこともあるけれど、以前のようにその感情にがんじがらめになってしまうこともほぼ少なくなった。
「脳の病気」であるならば、治療によってコントロールして、
普通の人に擬態してきた、それ以上になろうとしてきた余計な力を抜いて
生活していけることの方が、幸せなのではないか、と最近は思っている。
3 好きなことって、なんだろう
山口さんはこんなことも言っていたけれど、
私にとって教師という仕事が好きなのかどうかは、わからない。
でも、誰かに何かを教えて(最近は教えてという言葉もあまり好きではないが)
「わかった!」と言う顔を見るのが好きなんだ。
教師という仕事を、究極まで削ぎ落としていくと、結果的に残るのは、それだと思う。
教師にとっての「お米の芯」のようなところが好きだから、ここまで続けてこられたのかもしれない。
自分が発達障害で、病気を持っていること。
自分自身に対して否定的であればあるほど、良い方向には向かっていかない。
「今の自分を、そのまま受け入れて、認めること。」によってしか
前に進むことはできない。
このことは、ここ半年くらいをかけて、本当に自分が実感したことだ。
それを強みにできる、とまではいかないけれど、
そういう自分だからこそできる仕事を、コツコツと続けていけたらと思う。
こうあらねばならない。
このようにしなければいけない。
「普通の人の枠」にはまりきれずにいるたくさんの子どもたち。
自分の子どもも含めてではあるけれど、小さな「学校」という社会の中で
息苦しさを感じたり、居場所のなさを感じたりしているのだろうと思う。
今は公教育の中でできることを模索しているが、
「こんな私」だからできることを、広い視野で考えていけたらいいなと考えている。
山口一郎さんの言葉や音楽に、私も勇気をもらった一人です。
ありがとう。
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