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息子のお悩みに向き合う話

2月になりました。まだまだ寒いですが、春に向かっている感じがします。
さて、今日は母としての話を書いてみようと思います。
いろいろ書きたい話があるものの、先週末に颯爽と私の脳内をかすめていったフレッシュな話題です。

ある夜、息子がうちあけてくれた悩み

うちの子供も、まもなく4歳。
年少さんになってから、精神的な成長が著しく、ああ、人間って社会的な動物なんだということを改めて自覚させられる日々です。

金曜日の夜のこと、いつものピロートーク(?)で子供がこんなことを話してくれました。

私:N(息子の名前)はいつも保育園でだれと遊んでるの?Aくん?

息子:ぼくはね、いつもRくんと遊んでるんだけど、ぼくが遅れて行くと、RくんがKくん、Sくんと3人で遊んでる時があるんだよね。その時はひとりぼっちになっちゃって、さみしい気持ちになるんだよ。

私:そうなんだ。4人で一緒に遊ばないの?

息子:うーん。「いーれーてー」って言ったんだけど「だめ!Nくんはいらないよ!」って言われちゃったんだ。だからさあ、もう怖くて「いれて」って言えなくなちゃったの。

私:そっか…。そういう時は他のお友達と遊んだりしないの?Yくんとか、Hちゃんとか。

息子:そういうこともあるんだけど、Yくんがぼくの苦手な子と遊んでることもあってさ。Hちゃんがいるときは、いつも楽しいんだけどね。Hちゃんがいないときに一人になっちゃうと先生が遊んでくれるんだけど、それだとさみしくって、もうおうちに帰りたいきもちになるときがあるんだよね~。

私:そっかぁ…。


このとき私は、2つのことを感じました。

1つめは、年少さんって、もうここまで感じて生活しているんだなぁという感動。彼なりの、社会生活を営んでいる!!! ということ。
だからもし、「今日は、保育園いきたくない!」ってごねたとしても、その背景にはきちんとした事情があるはずで、「そんなこと言わないで!行ってもらわないと困るよー。」とは言えないなぁ、無理強いはするまい、と思いました。(とはいえ困っちゃうんですけども)

2つめは、彼のお悩みに対して、とっさに良いアドバイスが思いつかなかったんですよね。こういうとき、なんてアドバイスをするのが適切なんだろう、と。友達と更に交渉するという方面の助言なのか、ひとりで遊ぶこともいいことだよという方面の助言なのか…。
そんなことをもやもやと考えながら眠りにつきました。

母、解決に動こうとするも...

次の朝、昨日の会話に関して誰かの助言を求めよう!思い立ちました。いつもは大抵、一緒に子育てをしてくれている実母に助言を求めて終わりにするところなんですが、幅広い考えを聞きたくなり、Tさんに相談することにしました。

Tさんは、最近でこそお仕事でもお世話になっている方なんですが、出会いは10年以上も昔になります。
Tさんがfacebookで投稿される子育てネタはいつも考えさせられるものが多く、良くブックマークしたり、紹介される書籍を購入して読んだりしていました。なのでTさんなら、どういうふうに対話をするのかがとても気になり、思い切って直接聞いてみることに。

詳しくは書きませんが、Tさんからのメッセージは非常に愛情深いもので、私は感動してしまいました。
長い、そして温かいメッセージのエッセンスだけ、要約して書きます。

親子の素敵な関係性が目に浮かぶようで、本当に素敵だと思いました。

まず、親が子供の発信をしっかりと【受け止める】こと自体が大切。Nくんが丁寧に状況を描写して説明しているところから、それが日常的にできているのが伺いしれました。

もし加えるとしたら、「教えてくれてありがとうね」のひとことで十分。
そして、こどもの置かれている状況に対して、良い・悪いの評価はしないことも大切です。親がすぐ評価をすると、こどもは親の求めるものばかりを出してくるようになります。親を悲しませたくないという、こどもの優しさのあらわれです。

いやいや、実のところ、バリバリ解決策を提示しようと思ってました…。
それにしても、悩める育児世代、肯定されるということがこんなにもうれしいことなんですね。

なるほど。Tさんのメッセージには、非常に納得感があります。
自分らしく、のびのびと育ってほしいと願っているにもかかわらず、大人の、私の価値を押しつけてしまうところでした。善し悪しを私が判断して、私が解決しようとしてどうする!

そして、一冊の本との出会う ー 「わかりあえない」を越える

そして、Tさんから1冊の本をご紹介いただきました。
(実は彼の数日前のSNSでの紹介投稿を読んで既にポチっていたので)早速読み、とても感動しました。
すぐに姉や大切な友人にもおすすめもしました。

対立は解消するものではなく、個・社会の成長に繋がる機会であるということを認識することができる素敵な本です。

~まえがきより~
紛争解決という、今も広がる重要な分野の実践者である仲間たちは、対立や紛争は人生の自然で健全な一部であると認識しています。わたしたちは決して対立や紛争を根絶しようとはしません。なぜなら、対立や紛争は個人や社会を成長させるものだと信じているからです。対立を根絶するのではなく、わたしたちが追求しているのは、もっと効果的な対立への向き合い方です。ローゼンバーグ博士が示しているのは、暴力あふれる世界においてどのようにコミュニケーションができるかについての、ひとつの創造的な方法なのです。

自分の気持ち、他者の気持ちにどう向き合うかの方法が書いてあります。
ビジネス書でメタ認知能力を高める!とかってよく見ると思うのですが、もっとずっとずっと大きな話です。
メタ認知能力も必要ですし、それを意味する記述もありますが、この本が素晴らしいのはそれをもっと人間の根源的なありかた(それは愛情をともなうもの)で包んでいるところです。とにかく温かいんですよね。何度も読み返したい本になりました。

金曜日の夜から土曜日の朝に起こった、この一連の出来事は、私にとってとてもいい刺激になりました。
こどもの発言を通じて、新たに感じること、新たに学ぶこと。
相談すると、惜しみなく多大な情報を与えてくれる信頼できる人達。
幸せだなぁ。

私も、『恩送り』をしていきたいと思いました。

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