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観てきた!コートールド美術館展 魅惑の印象派 at東京都美術館

美術館ビギナー、アート初心者にこそ、この展覧会はおすすめかもしれません。印象派の有名作家の作品を一気見できて「名画を読み解く」という、ちょっとアート通な鑑賞方法を気軽に楽しめる、ある意味”コスパの良い”展覧会では。

芸術の秋、ぜひぜひ、たくさんの方に訪れてほしいと思った展覧会でした。

会期 :東京都美術館 9/10(火)~12/15(日) / 愛知県美術館 2020/1/3(金)~3/15(日) / 神戸市立博物館 2020/3/28(土)~6/21(日)

◎見に行こうと思ったきっかけ

開催前から、2019年の大注目展覧会として話題になっていたようですが、実は全くノーマークでした。なので本当にたまたまです。10/1の都民の日に、「伊庭靖子展 まなざしのあわい」を観に行って、そのままハシゴしたという・・・。

ロンドンにあるコートールド美術館のことも、名前をなんとなく聞いたことがあって、印象派の絵画がたくさんある、くらいの知識しかなかったです・・・。 

◎どんな展覧会?

ロンドン・ウエストミンスター寺院の近くにあるコートールド美術館が収蔵する、印象派と呼ばれるジャンルの名作が、まるっと来てくれたという太っ腹すぎる展覧会です。

マネ、セザンヌ、ドガ、ルノワール、ロートレック、ゴッホ、モディリアーニ、ゴーギャン、モネ、と誰もがどこかで一度は名前を聞いたことがある画家の作品たちがずらっと並んでいます。

これらはすべて、イギリス生まれの実業家・コートールドさんが収集したもの。コート―ルドさんは、まだまだ印象派の評価が低かった時代に、ぜひイギリスの人達に見てもらいたい!と、自分の審美眼を信じてお気に入りの作品を厳選して収集したそうです。特にお好きだったのが、セザンヌ。今回、会場にはセザンヌの絵画を集めたスペースもありました。

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わたしが今回、最も特徴的だと思ったところが、「名画を読み解く」をテーマにしていること。なぜかというと、この美術館、世界有数の美術史と保存修復の研究機関であるコートールド美術研究所の展示施設だからなのです。最近、本屋さんの美術書コーナーでは、特に西洋美術の名画を読み解くことに関する書籍を多く目にしますが、きっと謎解きするような楽しさがウケているんですね。

この展覧会でも、メインビジュアルとなっているマネの作品をはじめ、ポイントとなる作品について、解説ボードが出ていました。まずは作品を鑑賞して、解説ボードを読んで、もう一度作品を鑑賞してみるのがおすすめです。

また、章立ての仕方も、作家や時代ごと、ではなく、「画家の言葉から読み解く」「時代背景から読み解く」「素材・技法から読み解く」となっていたところも素敵だなぁと思いました。絵が描かれた当時の様子がイメージできるよう、解説文だけでなく、1分ほどの解説映像も流して補足するなど、作品への理解を深めるフォローが随所にされていました。

作品たちと直接関係ないのですが、個人的に素敵と思ったポイントがもう一つ。空間の演出の仕方です。

壁にはロンドンのコートールド美術館の内部の写真をプリント?していて、館内をイメ―ジできるような内装になっています。窓枠を模した仕切りとか、壁の色とか。もちろん、コートールド美術館のことを紹介する映像も流れていました。豪華絢爛で素敵な美術館、ぜひ2021年のリニューアルオープン後に訪れてみたいです!!!

◎わたしが最も印象に残ったところ

とってもとってもツボだったんです・・・図録!

図録なんて買ったことないよ、という方も、ぜひ手に取ってみてほしい素敵な図録が販売されています。内容がとっても充実していると思いました。作品についての説明・解説も豊富だし(コートールドさんがいつおいくらで作品を購入したかまで記載!!)解説ボードの内容ももちろん収録。正方形のデザインも飾っておきたくなるくらいにとっても素敵です。個人的にはこれで2,500円はお安いと思いました。

その他公式グッズのデザインも洗練されていて素敵なんです。さまざまな作品の一部を原寸大で切り出した缶バッジとか、展示された作品の画家21人の年表をモダンにデザインしたTシャツとか。日常使いしやすいものが揃っていると思いました。

ちなみにこれらのグッズは、展示エリアの最後に売ってます。東京都美術館の特別展のグッズは、基本的にチケット持ってないと買えません。

一旦外に出てしまうと戻るのがちょっと大変かもなので、お好みのものはそのまま購入されることをお勧めします。

またロビーで荷物をロッカーに預ける際も、お財布持参で中に入ることをお忘れなく!


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◎まとめ

行った日は本当に偶然だったのかもしれませんが、閉館間際なこともあってか全然混んでなくて、ほぼ貸切状態で楽しめました。東京はこれからどんどんメディアに取り上げられ混雑しそうですので、ぜひお早めに。

鑑賞しながら一つひとつの解説をしっかり読むと、結構ハードかもしれません・・・三浦春馬さんのお声を楽しめる音声ガイドも利用しながら、ぜひ、名画を読み解く楽しさを味わってみてくださいませ。

また、印象派って言われてもよくわかんない・・・という方もご安心を。東京の会場となっている東京都美術館は、鑑賞をサポートする取り組みが手厚い美術館だと思うのですが、今回もさまざまな関連イベントや学芸員さんによるレクチャー会が行われます。

また、あまり知られてないかもですが、子供連れに嬉しい割引サービスや託児サービスもあるんですよ~予約してぜひご利用を。

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ということで、グッズから入っても良し、音声ガイドから入ってもよし、ピンポイントで気になった作品を見てもよし、の楽しみ方いろいろの展覧会でした。

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さて、また明日も観てきた展覧会について独断と偏見でご紹介します♪



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Naomi┃アートライター・編集
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