ほうとう
2022.2.6
たっぷりの、ほうとう。
冷めやらぬうどん熱。しかしなんと寒い今日の諏訪。
ということで、今晩のまなかいはほうとうを作ることにした。
今日は15人前。
土鍋で4人前ずつくらいに分けて作ろうかと思ったのだけれど、
大きな鍋を発見してしまい、これはもう、大鍋で作ることにした。
正確にいうと、大鍋で作りたくてしょうがなくなった。
ほうとうの麺はうどんと同じかと思いきや、塩は入れない。
ぬるま湯を入れて、まとめて寝かせる1.5kg。
その間に、汁の準備。
かぼちゃ2個、大根1本、人参3本、里芋6個、ねぎ6本。
大根は少し分厚めが好き。
切った具材をどんどん放り込んでいく。煮込んでいく。
その様子はもう、炊き出しだった。
いや、給食だ。
煮込んでいる間に、何かもう一品作ろう。
冷蔵庫にあったのは、
玉ねぎ、切ってあるほうれん草、カリフラワー、ごぼう。
この間作ってもらった春菊のサラダがとてもおいしかった記憶が蘇った。生の玉ねぎが、いい仕事をしていた、あのサラダ。
そこに、ごぼうをカリカリにするサラダの味を重ねる。
母のサラダだ。
そこには大抵ポン酢なのだが、ポン酢の気分ではなかった。
棚の上には、ツナ缶があった。
玉ねぎとツナだっけ、大根とツナだっけ、いや、妹は玉ねぎが嫌いだから、大根だったか。それもまた、母のサラダの記憶。
その味の記憶をなぞりながら、作ることにした。
まず、薄くスライスした玉ねぎは水にさらす。
ささがきにしたごぼうも水にさらす。
カリフラワーは塩茹でに。
茹でたてのカリフラワーに、米酢をひとまわし。
玉ねぎは水を切り、塩を振りかけたら、
ぎゅっと両手で絞ってスタンバイ。
ごぼうも水を切り、揚げ油でカリカリに素揚げする。
米酢、米油、ツナ缶、マヨネーズ、醤油でドレッシングを作る。
醤油は今年リビセンのみんなが仕込んだものだから、ちょっと多めに使いたい。
食べる直前に全てを合わせたらできあがりだ。
18:30。
そろそろ夕飯の時間が近づいてきた。
下の階に降りて、麺をのばす。
薄く、平たく。
私がうどんにハマったことで、古道具の長い麺棒をキープしておいてくれたのが大いに役立った。ありがたい。
そうして出来上がった、ひらひらの麺。
麺が平らで幅広いだけなのに、なんだろうか、この多幸感。
お揚げとキノコ、豚肉も投入。
大鍋もぐらぐら煮立ってきた。
鍋に合う蓋がないので、木のまな板で蓋代わり。
お風呂のようで、なんだか具合が良い。
具材も煮えたところで、
みんなの手作り味噌で、味を調える。
かぼちゃの橙色ととろみ、そこにお味噌が合わさる。
グツグツに煮えてきたところで、
麺をひらりひらりと投入。
それはもう、溢れんばかりの、ほうとう!
ぐつらぐつら。
岩手出身のなおちゃんがそう言った。
まさしくこれは、
ぐつらぐつら。
どんどんがまんべんの笑みで鍋をのぞきこむ。
この人は本当に料理を美味しそうに見てくれる人だ。
こちらも思わず笑みになってしまう
嬉しい。
作り甲斐があるとはこのことぞ。
ぐつらぐつら
煮立つ鍋の中で踊るほうとう。
テーブルに、力持ちが鍋を運ぶ。
大きな一つの鍋を、みんなで取り分ける。
その様子を、キッチンから見る私。
机の真ん中から、ふんわりふんわり湯気が上がる。
その間に急いでサラダを仕上げる。
全てを和えたら、最後にごぼうチップをばさっとのせる。
カレー用の大根のアチャールをたらりとかける。
醤油もチョンチョンと。
味にむらがあるサラダが、好きなのだ。
1ヶ月滞在していたサポーターくんの最終日ということもあり、
今日もこちらは大家族。
みんなで食卓を囲んで、いただきます!
冬にぴったりの沁みる味。
じんわりじんわり温まる。
不思議だなぁ。
大量に仕込むと美味しさが増す。
給食もそうだった。
やっぱり、これだ。
みんなの顔を見て、私の心は、今日もまた、溶けていく。
冬はこもっていることが多いので、料理をする機会がぐっと減る。
その分考え事も増える。
春以降の動きのために、色々と仕込むことも多い。
やりたいことは、たくさんあるの。
けれど、けれどね、
やっぱり料理が好きなんだ。
料理を作りながら、私が生き返っているようだった。
もっと作る時間が必要だ。
今年こそは、自分の場所を作ることにした。
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