挫折から立ち直るときの2つのタイプについて(加筆)
寒い日が続いていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
私はなんとかやっていますが、昨年、久々にポキンと心が折れるような挫折を味わいまして。今はできることを少しずつ重ねながら、心を回復させている途中という感じだったりします。
挫折するということは、チャレンジをした証でもあるので、前向きに頑張ろうと思っているのですが、せっかくなので挫折から立ち直る系の先行研究を調査してみました。今日は、調査した様々な論文の中から、私が応用してみたいと感じた「立ち直るときの2つのタイプ」をご紹介します。
挫折から立ち直るときの2つのタイプ
皆さんは、挫折したとき、どのように心を回復させているでしょうか。私の場合、あまりにショックなことがあった場合は、倒れるように眠ってしまいます。その後、少しずつ気持ちを立て直すのですが。
挫折から立ち直るとき、私たちは以下のような対処をするようです。
1つめは、起きた出来事を再解釈して自分の世界観に合うようにする という立ち直り方です。具体例を見てみましょう。
まずは友達に裏切られたときのケースです。
「友達にこんなことをされるなんて、信じられない!」とショックを受ける
↓
「友達だったらそんなことはしないだろう」とか
「自分が裏切られるなんて」といった世界観に合わせて、起きた出来事を再解釈
↓
「きっとあの人はサイコパス、特別な人に違いない」
↓
裏切られたという出来事は「たまたま運悪く、特別なサイコパスに出会ってしまっただけ」
「裏切られたこと」をこのように再解釈すれば「友達だったらそんなことはしないだろう」とか「自分が裏切られるはずがない」といったこれまでの世界観を保つことができます。
もう一つ例を見てみましょう。
時間とお金を投資して頑張ってきたのに資格試験に落ちてしまい、再チャレンジする意欲がなくなってしまったケースです。
仮に「自分にはそれだけの能力があるはずなのに」という世界管にあわせて
起きた出来事を再解釈すると
資格試験に落ちてショックを受け、意欲をなくす
↓
「今年はたまたま難しい問題だったのかも」
「今回はテスト前にたまたま仕事が忙しくなってしまったから」
など、自分は本来能力があるはずだという世界観を維持しつつ再解釈
↓
再チャレンジの意欲を失ったことについては
「人口知能AIがどんどん優秀になってきているから、資格なんて役に立たなくなるだろう」
「また来年挑戦するよりは、違うことに時間をかけたほうがいいだろう」
と、都合よく解釈して傷つかずにチャレンジ終了
これが、1つめのタイプ「起きた出来事を自分の世界観に合うようにする」という、立ち直り方です。
(ちなみに私は性格が暗いので、自分の能力のなさを徹底的に卑下して落ち込んでしまうタイプです、、、、)
これに対して2つめのタイプは「起きた出来事をふまえて自分の世界感をアップデートする」という立ち直り方です。
先ほどと同じく、友達に裏切られたときのケースで解説します。「友達にこんなことをされるなんて、信じられない!」とショックを受けたとき
このタイプの立ち直り方では、自分の世界観の方をアップデートします。
「友達にこんなことをされるなんて、信じられない!」とショックを受ける
↓
これまでの世界観にはこだわらず
「こんな行動をするのが普通だと思う人もいるんだな」などと再解釈
↓
「今後は付き合う人に気をつけよう。傷つき過ぎないようにするのも大事かな」
資格試験に落ちたケースなら、
試験に落ちてショックを受け、再チャレンジの意欲をなくす
↓
「準備の時間が想像よりも足りなかったのかも知れないな」
「自分の能力では、もっと勉強が必要だったのかも」と再解釈
↓
「仮に再挑戦するときや、他の試験を受けるときには、もっと時間管理を頑張ろう」と考える
ちなみに1つめの、自分の世界観に合わせた解釈は無意識に行われがちで
2つめの、世界観の方をアップデートしていく方は努力しないと行うのが難しいのだそうです。
残念な出来事に遭遇してしまったとき、挫折してしまったとき、皆さんはどちらをやっていることが多いでしょうか。
どちらの立ち直り方を選ぶのがいいかはケースによる!?
先行研究によると、2つめの、自分の世界観をアップデートする立ち直り方の方が成長感を得ることができるそうです。なんとなくこれは、納得ですよね。
そしてビックリしたのは、感謝の気持ちが増すのも、2つめの立ち直り方だということ(!)
とはいえ、必ずしも2つめの立ち直り方が良いとは思いません。
私は特に、自分を卑下して落ち込み続けるタイプなので、無意識に選択される再解釈の方も悪くないケースもあると考えます。
命を守るために早く立ち直りたいケースや、優先度合いの低い案件であれば、1つめの立ち直り方の方が良いこともあると思うのです。無意識に選択されるということは、精神力を使わずにもできること。極度に落ち込んでいるときは、まずこの方法である程度のところまで復活するのもアリではないでしょうか。
それほど大変な落ち込みではないと場合や、成長しておきたい領域で挫折した場合には、2つめの「自分の世界観をアップデートして立ち直る」という方を意識して選ぶと良さそうです。
終わりに
挫折から立ち直るときに、楽しいことをして気を紛らわす方法を使うという人も多いようですが、個人的には、靴に小石が入ったままだと何をしていても心から楽しめない……と思ってしまいます。
とはいえ、すぐに問題解決に動けない場合もあると思うので、無理せずに一歩一歩進むのが大切なのかなと思います。
私と同じように、何かに挫折してしまい、もう一度頑張りたいと思っている人の参考になれば幸いです。
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それでは、また次回、お会いできるのを楽しみに。
参考文献について
この記事は、主に下記の論文や、参考書の同化や調整に関するパートを思い出しながら書いたものです。私の意訳が含まれておりますので、興味のある方はぜひ下記の論文や論文のリファランスに挙げられている論文を読んでみてください☆
堀田亮, & 杉江征. (2013). 挫折体験の意味づけが自己概念の変容に与える影響. 心理学研究, 84(4), 408-418.
ワインとコーヒーを燃料にして生きています。「一杯ご馳走してあげてもいいかな」と思ってくれたら嬉しい。大好きなコーヒー豆もしくはワインを購入する費用に充てて、また元気に執筆します♡