息子からの本購入リクエスト(その1)
昔から我が家には「欲しい本は買ってもらえる」というルールがあります。おもちゃとかはダメだけれど、本ならOK。そんなお家は結構多いのではないでしょうか。おかげさまで本が大好きな子に育った息子。大きくなるにつれ、自分のお小遣いやお年玉で本を買うようになりましたが、18歳になった今もときどき母におねだりをします。頼ってもらえるのは嬉しいものですが、冊数がえぐいのです……
ある日息子から届いた購入依頼リスト
謎のフレーズの羅列が「本買って」の意味だと気づくのに、時間がかかりました。男の子は雑です。そして、冊数がえぐい!
母ちゃんも興味を持ってしまうようにプレゼンしてくれたら、全部買ってしまうかも知れないのに。方略がダメですね。さてさて、どれを採択するのか。ちょっと整理してみることにします。
火の賜物
われわれは、いかにして人間となったのか? 人類の起源をめぐる、壮大な文明史
文明史人類が滅亡せずにすんだのも、小顔で八頭身になれたのも、
みんな料理のおかげだったのか!(荒俣宏氏 推薦)
「火」と「料理」こそがヒトの脳を大きくさせ、女性の役割を変えた!
今まで語られなかった人類進化の新しい世界 (久保田競氏 推薦)
わー、いきなり一冊目から面白そうじゃないかー!でも高い! 息子め、自分のお小遣いで買いにくい本を買ってもらおうという魂胆なのでしょうか。うー、今回は冊数があるからなぁ。大学の図書館で借りてくるか、国会図書館で中身をめくって面白そうだったら買うという感じですかね。要検討。でもたぶん買ってしまうんだろうな……
暴力と平等の人類史
平等は破壊の後にやってくる
[戦争]第二次大戦後の日本 250万人戦死 トップ1%の富が9割下落
[革命]毛沢東「大躍進」 4000万人以上死亡 ジニ係数の劇的改善
[崩壊]西ローマ帝国の崩壊 あらゆる支配層の消滅 搾取の終焉・生活向上
[疫病]欧州のペスト 2000万人死亡 実質賃金が2倍以上に
・・・・・・他多数
核戦争なき平等化はありえるか?
平等化に有効だった戦争と革命は、20世紀の現象だった。
21世紀の私たちはいかにして平等化を実現するのか?
スタンフォード大学古代史教授が石器時代から現代まで、壮大なスケールで
世界各国の不平等の歴史を描き出す。現代世界の不穏な空気を読み解く衝撃の書世界11カ国で続々刊行!
FT & マッキンゼー ビジネス・ブック・オブ・ザ・イヤー話題作
疑問が確信に変わりました。息子は、高い本は親に買ってもらえばよいと思っています。この本は私はそれほど興味ないので却下します。
絶滅の人類史
ホモ・サピエンスがネアンデルタール人を殺した?
初期人類の謎から他の人類との交雑まで。人類史研究の最前線をエキサイティングに描く!
700万年に及ぶ人類史は、ホモ・サピエンス以外のすべての人類にとって絶滅の歴史に他ならない。彼らは決して「優れていなかった」わけではない。むしろ「弱者」たる私たちが、彼らのいいとこ取りをしながら生き延びたのだ。常識を覆す人類史研究の最前線を、エキサイティングに描き出した一冊。
[内容]
はじめに
序章 私たちは本当に特別な存在なのか
第1部 人類進化の謎に迫る
第1章 欠点だらけの進化
第2章 初期人類たちは何を語るか
第3章 人類は平和な生物
第4章 森林から追い出されてどう生き延びたか
第5章 こうして人類は誕生した
第2部 絶滅していった人類たち
第6章 食べられても産めばいい
第7章 人類に起きた奇跡とは
第8章 ホモ属は仕方なく世界に広がった
第9章 なぜ脳は大きくなり続けたのか
第3部 ホモ・サピエンスはどこに行くのか
第10章 ネアンデルタール人の繁栄
第11章 ホモ・サピエンスの出現
第12章 認知能力に差はあったのか
第13章 ネアンデルタール人との別れ
第14章 最近まで生きていた人類
終章 人類最後の1種
おわりに
あれ、安い本だし、進化心理学が大好きな息子にはストライクな本では?なんで自分で買わないんだろう……。あぁ、今年はお年玉もらってないからか。なるほど。
「認知能力に差はあったのか」というところは、母ちゃんも読みたいです。買います。
格差は心を壊す
イギリス格差研究の第一人者による渾身のレポート!
私たちを追い詰める“他人の目"という呪縛。
激しい格差は、人類の競争本能を暴走させる。
下流も上流も息苦しい社会の変革に必要なこと。
・米国人の80%以上が臆病に悩んでいる。
・友情の価値は年間約1200万円
・100万人の英国の生徒が病んでいる
・不平等の拡大でうつ病も広がる
・ゼロサムゲームとしての美容整形
・格差でサイコパス的経営者が評価される
・不相応な出費を促す極限の資本主義
・不平等な社会ほど子どものいじめが激しい
・能力の差が階層を決めるという誤った思い込み
・格差は社会全体の学力を低下させる
・超富裕層はなぜ高価な絵画を求めるのか
・平等な社会は生活の質を別次元の高さへと導く
・労働組合が弱体化すると格差が広がる
・株式会社という制度はこれからも通用するか ほか
面白そうな主張が並んでいますが、この手の本は、相関はあるけど因果関係は?潜伏変数は?というものも多いんだよな。と思ったら「500超の文献と国際比較データを駆使した渾身の研究」という一文に遭遇。好きなんだよなぁ、、、買っちゃうかも。
西洋の自死
出生率の低下、移民問題、増幅する社会への不信感、自己嫌悪感など、今日の欧州大陸を覆う閉塞感は、人々が自身の社会について議論したり社会変化に対抗する力を弱体化させ、欧州は自壊への道を進んでいる。
著者は、シリア難民や移民問題をめぐって、ベルリンからパリ、ギリシャなど欧州を横断し、難民、歓迎側、拒否側など、様々な立場の人々を取材しながら、独自の視点で、今日の欧州が自らを追い詰めていく人口的・政治的現実を分析。
欧州各国がどのように外国人労働者や移民を受け入れ始め、そこから抜け出せなくなったのか。
マスコミや評論家、政治家などのエリートの世界で、移民受け入れへの懸念の表明がどのようにしてタブー視されるように至ったのか。
エリートたちは、どのような論法で、一般庶民から生じる大規模な移民政策への疑問や懸念を脇にそらしてきたのか。
欧州が前提としてきた「人権、法の支配、言論の自由」をコアとする啓蒙主義以降の西洋近代が潰えていく様を描く。
へー、こんな本に興味あるんだ。父親の影響でしょうか。私は興味ないなぁ。父親に買ってもらってください。
希望の歴史
近現代の社会思想は、”性悪説”で動いてきた。だが、これらは本当か。
・ホッブズいわく「万人の万人に対する闘争」
・アダム・スミスによると、人は損得勘定で動くホモエコノミクス
・ダーウィンが唱えた、自然淘汰説
・ドーキンスは『利己的な遺伝子』を執筆
・少年たちのいじめ本性を描いた『蠅の王』がノーベル文学賞
著者は、この暗い人間観を裏付ける心理学や人類学の定説の真偽を確かめるべく世界中を飛び回り、関係者に話を聞き、エビデンスを集めたところ意外な結果に。
・スタンフォード大の囚人実験(普通の人間は邪悪になれる)
・ミルグラムの電気ショック実験(アイヒマン実験は)
・イースター島絶滅は人間のエゴ説(ジャレド・ダイアモンド)
善人が悪人になってしまう理由とは。
あれ?スタンフォード大の囚人実験はインチキだったんじゃなかったっけ?うーん、面白そうだけど。性善説って「いろんな可能性を考慮するひと手間」を放棄している気もするんだよね。ラクだけど。ちょっと、めくってみてから決めたいな。要検討。
予測する心
心は予測から生じ、予測によって形作られる。あなたの思考、知覚、感情は活発に予測を行い、仮説を検証する、たった一つの脳内メカニズムの表現に過ぎない。神経科学で存在感を増しつつあるこの新しい理論によって、心の様々な側面についての私たちの考え方が、今根底からくつがえる。
第1部 メカニズム
第1章 因果推論としての知覚
第2章 予測誤差最小化
第3章 予測誤差・文脈・精度
第4章 行為と予期される経験
第2部 外 界
第5章 結びつけは推論である
第6章 見ることは予測すること?
第7章 不安定な予測
第8章 驚きと誤表象
第3部 心
第9章 精度・注意・意識
第10章 行為における知覚的統一
第11章 壊れやすい自然の鏡
第12章 予測する心の中へ
これは、私の好みですねー。でも何となく直感で、図書館で借りればいい一冊のような気も。本好きな親子が住まうマンションは大小9個の本棚に入りきらない本が溢れてまして。どうしても手元に置きたいもの以外は、なるべく増やさないようにしたいんだよね。要検討。
反穀物の人類史
「ある感覚が要求してくる――
わたしたちが定住し、穀物を栽培し、家畜を育てながら、現在国家とよんでいる新奇な制度によって支配される「臣民」となった経緯を知るために、
深層史(ディープ・ヒストリー)を探れ、と…」
ティグリス=ユーフラテス川の流域に国家が生まれたのが、作物栽培と定住が始まってから4000年以上もあとだったのはなぜだろうか? 著者は「ホモ・サピエンスは待ちかねたように腰を落ち着けて永住し、数十万年におよぶ移動と周期的転居の生活を喜んで終わらせた」のではないと論じる。
キーワードは動植物、人間の〈飼い馴らし〉だ。それは「動植物の遺伝子構造と形態を変えてしまった。非常に人工的な環境が生まれ、そこにダーウィン的な選択圧が働いて、新しい適応が進んだ…人類もまた狭い空間への閉じこめによって、過密状態によって、身体活動や社会組織のパターンの変化によって、飼い馴らされてきた」。
最初期の国家で非エリート層にのしかかった負担とは? 国家形成における穀物の役割とは? 農業国家による強制の手法と、その脆弱さとは? 考古学、人類学などの最新成果をもとに、壮大な仮説を提示する。
男の子って、なぜ壮大な仮説が大好きなんでしょうね。うんうん、息子が好きそうな本だと思う。どうぞ、仮説を楽しんでください。
そうだ、あの子も18歳になったので国会図書館を使えるよね。今度連れていって登録させよう。それで、手元に置きたい本だけリクエストしてもらえばいい。うん、そうしよう。
タコの心身問題
心は何から、いかにして生じるのだろう。進化は「まったく違う経路で心を少なくとも二度、つくった」。一つはヒトや鳥類を含む脊索動物、もう一つがタコやイカを含む頭足類だ。哲学者であり練達のダイバーでもある著者によれば、「頭足類と出会うことはおそらく私たちにとって、地球外の知的生命体に出会うのに最も近い体験だろう」。人間とはまったく異なる心/内面/知性と呼ぶべきものを、彼らはもっている。本書は頭足類の心と私たちの心の本性を合わせ鏡で覗き込む本である。
海で生まれた単細胞生物から、現生の頭足類への進化を一歩ずつたどれば、そこには神経系の発達や、感覚と行動のループの起源、「主観的経験」の起源があり、それは主体的に感じる能力や意識の出現につながっている。「タコになったらどんな気分か」という問題の中には、心とは何か、それは物理的な身体とどう関係するのかを解き明かす手がかりが詰まっている。
知能の高さゆえの茶目っ気たっぷりの行動や、急速な老化と死の謎など、知れば知るほど頭足類の生態はファンタスティック。おまけに著者が観察している「オクトポリス」(タコが集住する場所)では、タコたちが社会性の片鱗を示しはじめているという。味わい深く、驚きに満ちた一冊。
へー、タコって社会性があったりするのかなぁ。ちょっと気になるけど、うーん、中身をめくってから決めたい。しかし、男の子ってこういう本好きですね……
史上最強の哲学入門
最高の真理を求めた男たちの熱き闘い!ソクラテス・デカルト・ニーチェ・サルトル……さらなる高みを目指し、知を闘わせてきた三十一人の哲学者たちの論が激突。まさに「史上最強」の哲学入門書!
哲学は一般教養として知っていればいいと思って、ほとんど漫画でしか読ませてきていないからなぁ。哲学系は難しいんじゃないかなぁ。ハマっちゃうのも困るけど、嫌いになられたら嫌だなぁ。この本は入門書だから、与えてみてもいいのかなぁ。いずれにしても母ちゃんチェックを入れてからだな。要検討。
生命の系統樹はからみあう
「生命の歴史はなぜ、史実どおりに展開し、別の道には行かなかったのだろう? 本書は、この物語を伝え、推測する新たな方法と、そこから得られた意
外な洞察についての本だ。この方法の名前は、分子系統学という。それは、深遠なる生命の歴史と、生物種どうしの縁戚関係のパターンを、生物の体
内に存在する長い分子を構成する、ユニットの配列から読みとる方法だ。分子系統学がもたらした意外な洞察は、生命の歴史や、生物のからだの機能を
担うパーツについての、わたしたちの知識体系を根本からつくり変えた。」
生命進化史の新説といったところかな?あんまり興味ないんだよなぁ。大学の図書館で読んでください。
マスクをする猿
マスク着用の標準(デファクト)化は、すでに受け入れざるを得ない社会の現実だ。しかし、誰もが顔の半分以上を蔽い隠すという習慣は、動物間の認知とコミュニケーション、さらにはヒトの性にかかわる意識をも、大きく変えてしまうかもしれない。コロナ禍の象徴・マスクは人類史上、パンツにも匹敵する行動変容をもたらすのか。霊長類学と人類学、社会学や文学など多様な視点から考える、ポスト・コロナ文化論の試み。
認知とかコミュニケーションというキーワードには弱いです。だいたい想像はつくけれど。買いますね。
原因と結果の経済学
ビッグデータ時代の必須教養
「因果推論」の考えかたがわかる!「メタボ健康を毎年受ければ、病気を早
期発見・治療ができ、長生きできる」。そう言われて、違和感を覚える人はほとんどいないでしょう。しかし、「健診を受けること」と「長生きできること」は、同時に起こっているだけ(相関関係にすぎない)。
健診を受けた「から」、長生きできた(因果関係)のではないかもしれません。この場合、いままでまったく健康診断を受けなかった人が、毎年受けるようになったとしても、長生きできるとは限りません。
実は、このことについてはすでに多くの研究が行われており、人々に健診を受けさせるようにしても、死亡率は下がらないことが示唆されています。この本を読めば、2つのことがらが本当に「原因と結果」の関係にあるのかどうかを正しく見抜けるようになり、身の回りにあふれる「もっともらしいが本当は間違っている根拠のない通説」にだまされなくなります。この「因果推論」の考えかたを、数式などを一切使わずに徹底的にやさしく解説します。
この話は、何度も事例を変えて叩き込んできた気がするので「なんで、読みたいの?」という感じ。母ちゃんはダイヤモンド社さんからは2冊出させてもらっているので、ダイヤモンド社の本ならどれでも買ってあげたいけど。というか、この本、ウチになかった??
砂と人類
人類社会を形作るもの、それは「砂」。
その砂はいま、地球から姿を消そうとしている……私たちの暮らす建物、通勤する道路。携帯電話、シェールオイル。
現代人に不可欠なこれらのものはすべて「砂」からできている、または砂がなければ得られないものだ。
この身近過ぎて普段意識さえしない小さな物質は、実際には世界で最も消費され、必要とされる物質である。
その砂と人間長きにわたる付き合い、とくにこの数百年の砂なくしてはあり得なかった発展―20世紀のコンクリートの発明と、21世紀のデジタル技術―を紐解きながら、いま砂が瀕している危機を見つめる。
体当たりの取材と詳細なデータをもとに圧巻の筆致で描く、瞠目の本格ノンフィクション。
へー、私たちの社会が砂で形作られているとは思ってもみませんでした。面白いですね。ノンフィクション、どんな感じなんだろう?これもちょっとめくって決めたいですね。たぶん買うと思うけど、要検討。
タブーの謎を解く
タブーとは何だろうか。およそ人類史上、タブーのない社会は古今東西どこにも存在しなかった。未開社会だけではない。現代都市の若者のあいだでもタブーはひそかに息づいている。なぜ人間は、古来から近親婚を禁じたり、イスラム教が豚肉、ヒンドゥ教が牛肉、あるいは仏教が肉食一般を禁止したように、性や食の禁制を社会のなかに仕掛けておかなければならなかったのか。人間の原思考が生み出した奇怪な文化装置であるタブーの謎にスリリングに迫る。
わー、面白そう。というか142円って何??中古しかないのかな。本は業界への恩返しも兼ねて、できるだけ普通の値段で買いたいなぁ。一応、本を書いてる人としての想い。買います。
善と悪のパラドックス
人間は所属する社会集団内で争いを避ける傾向があり、多くの野生の哺乳類に比べて、非常に寛容だ。しかしそのように温厚でありながら、別の面では非常に攻撃的な種であるのはなぜなのか。チンパンジーとボノボを分けるもの、またネアンデルタール人とホモ・サピエンスを分けるものは何か──。アフリカで多くのチンパンジーの生息地を渡り歩き、フィールドワークを重ねた人類学者が、人類学、生物学、歴史学、心理学の新発見にもとづき、人類進化の秘密に迫る。
うわー、これは読みたい!買います!!リクエスト制度のいいところは、こうして知らないけど読みたくなる本に出会えることですね。息子、グッドジョブ!
さて、そろそろ母ちゃんは疲れてきました。まだリストの3分の1にも届いてない感じですが、今日はここで終わりにして、お茶でも飲みます。