8年ぶりの新刊が発売されました
初対面では敬語を使うのに、仲良くなるとカジュアルな話し方をする日本人は「ずいぶん高度なことをしているな」と、常々思っていました。
ビジネスシーンでは丁寧な敬語で商談して、雑談ではゆるい敬語で話すことで心の距離を縮めたりといった、逆のことが求められます。礼儀正しく見せることと、距離を縮めることが求められるわけですよね。
先輩後輩といった関係では、敬語でもカジュアル寄りな話し方が好かれますが、それを補う、言葉以外で敬意を示すことが必要になります。
男女では「急に慣れ慣れしくされるのはアレだけど、カジュアルに話してくれないと仲良くできないじゃん!」というシーンもあります。こういう敬語の使いこなしを、経験からくる勘だけで、らくらく調整できる人って、スゴイと思っていました。
留学しているときに「日本語、難しい!」と言われたポイントも敬語でした。どんなケースで敬語で、どんなケースでそうでないかの説明が、純ジャパニーズにも関わらず、うまくできませんでした。
そんな気持ちがあったところに、担当編集さんからお話をいただきまして。人と仲良くするのが上手い人の「敬語のゆるめ方」を、心理学と言語学の先行研究をベースに解説した本を書きました。
私、一応、対人コミュニケーションを専門に勉強させてもらっていますが。母校の言語学の教授の授業がとても面白くて。大学院を選ぶときに社会心理学の領域で研究するのか、社会言語学の領域で研究するのか迷っていました。そのくらい言語が好きなんですね。ちなみに敬語をくずすというのは、学術的にいうと「スピーチレベルシフト」と呼ばれまして、言語領域で研究されています。
今回執筆した本では、どんなタイミングで、どんな方法で敬語をくずせば、失礼なく心の距離を縮められるのか。応用しやすいように、具体例をたくさん盛り込んで書きました。
実は。この本を書くのに2年半もかかってしまいました……(^^;本を執筆するのは単著で5冊目ですが、こんなにかかったのは初めてです。
英語の論文と格闘したり、会話のコーパス分析をしたり、実験をしてみたり、編集さんにダメ出しをいただいたり。私が経営する会社の人にも、編集さんにもご迷惑をおかけしました。そのぶん、読みやすい本になったかなと思っています。
もしも興味を持っていただけた方がいれば、是非ぜひ、お近くの書店やネット書店などで購入お願いしますm(_ _)m
「いい人間関係は敬語のくずし方で決まる」(青春出版社)
実は、新書を上梓するのは初めてです。ずっと「新書を書きたいな」と憧れていた反面、「手にとってもらえるんだろうか」とドキドキしています。
大変、恥ずかしくて言いにくいのですが……モジモジ……。もしも「SNSなどで紹介してあげようかな」と思う優しい方がいらっしゃいましたら、個人的にお礼をしたいので「紹介したよ!」とご一報いただけないでしょうか。
目を皿のようにしてウォッチしていくつもりですが、万が一見逃しでもしたら申し訳ないので、よろしくお願いしますm(_ _)m
個人的には、敬語のくずし方のせいで損をしている人は多いなと思っていて、どうすればいいのかロジックさえ知ってしまえば克服できる部分だとも思っています。必要な人に届きますように……!興味を持ってくださった人が手にとってくださいますように……(><)
縁あってこの記事を見てくださった、あなた。どうか武運を祈っていてください。