職場でイライラしたことの第1位は?「言葉遣い」「仕事への姿勢」「業務の説明の過不足」「仕事のスピード」?
皆さんは、職場でイライラした経験がありますか?
あ、これは愚問でしたかね。質問を変えましょう。
皆さんがいつも職場でイライラするときの原因はなんですか?
カチンとくるポイントなんて人それぞれだし、職場によって全く違うだろう……と思っていたのですが、先行研究を探してみたところ、多くの人が共通してイライラするポイントがあるらしいことがわかりました。
今日は、職場で不快に感じた経験に関する調査を紹介しながら、トラブルを予防するための言い換えフレーズをご紹介してみようと思います。
4割以上の人が不快に感じる職場トラブルとは
働いている人なら、誰でも一度くらいは職場の人の言動にイライラさせられた経験があるはずです。具体的にどんなことが不快に感じるのか、調査で4割以上の人が不快に感じた経験を見てみましょう。
同じ職場のメンバーにイライラさせられたり、困った事があったりした経験
第1位「礼儀作法・言葉遣いに関する事(48%)」
第2位「仕事に対する姿勢や努力に関する事(45%)」
第3位「性格や価値観に関する事(44%)」
「業務の説明の過不足に関すること(44%)」
第5位「仕事の成績や進行スピードに関すること(41%)」
実はこれ、2002年の研究(*1)から引用した数字なのですが、令和になってもこういったトラブルは変わっていないよなぁ……と感じました。このランキングを見て、最近イラっとした経験を思い出した人もいるのではないでしょうか。
個人的には「言葉遣い」なんて些細なことだと思いますし、「仕事に対する姿勢」なんて違ってあたりまえと思ったのですが。
我が身を振り返ってみると、確かにそんな些細なことでイラっときたこともありました(笑)
もしかすると私もあなたも、このようなことで誰かを不快にさせているかも知れません。職場の人を不快にしないためには、どうすればよいのか。コミュニケーションのポイントをご紹介します。
第1位 「礼儀作法や言葉遣いのトラブル」を減らすには
礼儀作法のトラブルを減らすには 「言葉と態度の組み合わせで敬意を示す」のがお勧めです。
業界や社風などによって礼儀作法には差があると思います。まずは自分が属するコミュニティの文化がどのようなものか再度確認し、基本的にはそれに則った振る舞いを心がけるのが良いでしょう。
多少くずした言動をする場合でも、表情や態度などの非言語コミュニケーションを意識して「敬意の総合点」が変わらないようにすることが大切かなと思います。
具体例を見てみましょう。
例)親しい先輩と飲みに行ったケース
ややカジュアルな敬語で話すが、先輩には上座に座ってもらう
例)取引先の人と休日に偶然会ったケース
雑談では普段よりもややカジュアルな雰囲気で話すものの、別れ際には丁寧に挨拶をする
ややくだけたコミュニケーションをとることは、相手との距離を縮めるのに効果的な方略です。そんな場合でも、相手を立てる行動をして補うようにすれば、不快な思いをさせずに済みますので意識してみてください。
言葉遣いのトラブルを減らすには、不快に思われやすいフレーズを翻訳して使うようにするのがお勧めです。
以下、グループインタビューで抽出した「不快に感じる言葉」と、お勧めの言い換え例です。
「参考になりました」→「勉強になりました」
「なるほどですね」→「勉強になりました」
「いいですよ」→「かしこまりました」
「っていうか」→ 基本的には使わない
「私的には」→「個人的には」
「ほんとですか」→「それはすごいことですね」
「意味あるんですか」→「背景を教えていただけますか」
「でも」→「でも」という言葉を省いて伝える
「なる早で」→「○日の×時までにお願いします」
第2位「仕事に対する姿勢や努力に関するトラブル」を減らすには
仕事に対する姿勢や努力に関するトラブルを減らすには 「謙虚な姿勢を見せる」のがお勧めです。
いろんな立場の人はいると思いますが、仕事に対する温度差は少ないのがベター。どんな立場であっても基本的に情熱を持っているように見せるのが礼儀だと思っておきましょう。
とはいえ、個人的には「頑張ります!」という言葉を使う人にはちょっと注意が必要だなと感じています。
今も決して怠けている訳ではない人が、気持ちだけで結果を変えるのは難しいものです。安易に「頑張ります」と言ってしまうと、口だけの人だと思われてしまうこともあります。
もし本当に頑張るつもりがある場合には、具体的に何を頑張るのかを含めて伝えるのがよいでしょう。
言い換え例)
「来月は訪問数を2割増やして、契約を1件でも増やせるよう頑張ります」
努力をしている姿がカッコ悪いと考える人もいるようですが、成果が出ていない人ほど努力はオープンにするのがお勧め。
そういえば、昔書いたこの本では「坂道リヤカー理論」という、今考えるとかなり古いネーミングを用いて「大変な頑張りを見せ続けると応援してもらえますよ。泥臭い努力はどんどんしよう!」と啓蒙していました。
第3位「性格や価値観のトラブル」
「業務の説明の過不足のトラブル」を減らすには
性格や価値観に関するトラブルを減らすには 「押しつけをやめる」のが一番かなと思います。
性格や価値観に違いがあるのはあたりまえです。基本的には多様性を認めるという姿勢で臨み、そうできないものに関しても、最低限「押しつけない」ということを目標にしてみてください。
「普通、みんなはこうするだろう」「~するのが常識だ」など、意見や行動の割合を自分の都合のいいように考えてしまうことをフォールスコンセンサス効果と言います。
有名な実験だと、歯磨きをしていない人は、その日歯磨きをしていない人が多いと見積り、歯磨きをした人は、その日歯磨きをした人を多く見積もるというのがあります。
自分があたりまえだと思っていることでも、実際にはそうでない人も想像以上にいると考えた方が良さそうです。
コミュニケーションのポイントとしては「~するべき」「絶対~だ」といった決めつけのフレーズを使わないことから始めます。
同調する必要はありませんので、自分の意見も相手の意見も大事にするようにしてみてください。
言い換え例)
「個人的には朝の方が、仕事に集中できると思うのですが、○○さんは夜の方が集中できるんですね」
このとき伝える順番も大切です。自分の意見は先に、相手の意見を後に言うことで否定のニュアンスを減らすことができます。
例)
△「○○さんは反対なんですね、僕は賛成です」
○「僕は賛成ですが、○○さんは反対なんですね」
業務の説明の過不足によるトラブルを減らすには、まず皆さんがよく使うあの質問をやめることをお勧めしています。
その質問は……
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