オランダの現地小学校でTAを始めました!
こんにちは!最近、ついにオランダの現地校でTA(teaching assistant)として英語の授業に入り始めました。
勤務初日。
元高校の英語教諭としては、授業の構成や進め方がとても興味深く感じたと同時に、どこの国でも小学生たちは尊く、私の方がたくさんの元気をもらった1日となりました。
一方で、学校種問わず、「先生」という職業はとても大変であり、社会的にも非常に重要な役割を担っている…そう強く感じました。日本でもオランダでも、「先生」という職業がもっと大切にされて欲しいと強く願った1日目となりました。
これから定期的に授業に入る訳ですが、このマガジンではオランダのバイリンガルの小学校で感じたことについてあれこれ書いていきたいと思います。
小学校2年生から6年生までの授業を担当します
私がTAとして入る日は、半日かけて全ての学年をまわります。小学校2年生(groep4)から6年生(groep8)まで、言語もバックグラウントも異なる様々な子どもたちを指導できるのはとても面白いです。この日は、4年生(groep6)の授業から始まり、それぞれのクラスで自己紹介をさせてもらってからテーマに沿って授業が始まりました。
少し遡りますが、10/5から1週間、オランダは"kinderboeknweek"と呼ばれる「児童書週間」でした。これはオランダ全土が総力を上げて(?)取り組んでいるイベントで、毎年決められたテーマに沿って、本や読書にちなんだイベントを学校で行っている学校が多いようです。今年のテーマは"Gi-Ga-Groen"、英語にすると"Go Green"という感じでしょうか。いわゆる「環境を大切にしていこう!」というテーマです。余談ですが、この児童書週間ではいつもKindered voor Kinderen(子どもたちのための子どもたち)という子どもだけで構成されたグループが曲をリリースします。その音楽に合わせて、歌ったり踊ったりするオープニングイベントを開催したり、体育でダンスを踊ったり、クロージングでは全校生徒で歌ったり踊ったり…という学校も少なくないようです。
(彼らの曲、結構癖になります。聴いてみてください。笑)
私がTAを務める学校も例外ではなく、朝から爆音で音楽をかけて、緑の服を身につけた教職員と全校生徒が小さな校庭で歌ったり踊ったりするところから1日が始まりました。先生たちもノリノリで、私も一緒に踊りました!
フランス生まれ、オランダ育ち。英語担当ジュリアの働き方
この小学校で英語の授業を担当しているジュリア(仮名)は、とても明るく、初めて会ったこの日も「あなたが来てくれて嬉しい!!」と言ってくれました。彼女はこの学校に英語の専属教諭として勤めて4年。フルタイムで働く彼女のスケジュールは面白く、
・月曜 A小学校の担任
・火曜 B小学校(支援学校)のアシスタント
・水曜 C小学校の英語教諭
・木曜 A小学校の担任
・金曜 B小学校(支援学校)のアシスタント
と、3つの小学校を兼任しています。
Aの小学校では担任で、B小学校で支援学級を担当、Cの小学校では私と一緒に英語を教えます。「頭の中がいつも忙しいの。笑」と笑う笑顔が可愛い彼女は、そもそもフランス生まれで、子どもの頃にオランダに引っ越し、オランダで教員養成課程を修了したそうです。
「テーマ」があってこそ勉強は楽しい
「今週は児童書週間だから、環境やグリーンというテーマに沿って授業をすることにしたの」と言うジュリアが取り出したのは、"Somebody Crunched Colin"という本でした。Colinという捨てられたポテトチップスの袋が動物たちに出逢いながら最後にはリサイクルされ、水やりの容器に変身する。というようなお話です。
「環境問題について考えること」「動植物を大切すること」「リサイクルやリユースについて知ること」などが今年の児童書週間のテーマに含まれているため、英語の授業でも同様にそれについて学ぼう!というのがジュリアの考えでした。
オランダの小学校では、季節や行事にちなんだ「テーマ」に沿って学習することを大切にしている学校が多く存在します。春になれば春の動植物やイースターを中心に語彙や計算を学んだり、秋になれば児童書週間の内容を盛り込んでPBLをしたり、子どもたちは季節を自然と感じながら学んでいることが多いように思います。私がTAを務めるこの学校はIPCをカリキュラムとして採用していて、その観点からもテーマ学習を通して学びを広げていく様子が見えます。
「教科書がこの順番だから」とか「前から順番にやるのが善」というような考え方では、子どもたちの興味や関心は引き出しにくいというのがオランダの先生たちの基本的な考えで、子どもたちが「学んで楽しい!」と思えること、そしてそれが学校の外の世界ともつながっていると感じることが重要だと捉えられているように思います。
さて、TAの日々の始まり始まり〜
ということで、英語のTAとして子どもたちと学ぶ日々にワクワクしかない私の期待を裏切らず、子どもたちはとても美しいです。
「やっぱり、学校って最高の場所だな」
日本の教育現場を離れ、オランダという地で年齢も異なる子どもたちの前に「先生」と呼ばれる立場で立った時の感覚は「懐かしさ」を運んできてくれたように感じます。
日本でもオランダでも子どもたちは同じです。
だからこそ、大人が変なことをしないようにしないといけないのかもな。
そんなことを感じた1日となりました。