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レストランでのパン問題
レストランでの食事はお客様にとって特別なひと時である。
昨日、私は、レストランに行った。
そこで、食事を待つ間にパンが出たのだけど、
オリーブオイルをいただけるかと接客係さんに伝えた。
通常、オリーブオイルを出さないスタイルである様子が他のテーブルを見たら把握できたため、「邪道かもしれないのですが、オリーブオイルもらっていいですか?」と枕詞を添えて尋ねた。
すると、接客係の方が持ってきてくださった。
だが、奥で、シェフが文句を言っているのが耳に入った。
「オリーブオイルなんてフォカッチャにしかつけないんだよ!」(←わかってないな、的な)
聞こえるように話したのか、それとも、聞こえないと思って話したのかはわからないけれど、いずれにせよ、陰口を言われているようで、気分が良くなかった。
接客係の方に、「オリーブオイル頼んであれだったね、なんか悪かった?」と聞くと、「いえいえ、すみません!あーゆー感じなんで、、、!汗」と、シェフの方を目線で示しながら謝られた。
シェフが近くにやってきたので、「オリーブオイル頼んだのが悪かったですかね!?」と話しかけた。
すると、シェフは「オリーブオイルはフォカッチャにしかつけちゃいけないんですよ」と、強めの口調で話してきた。
「邪道かもしれないけど、オリーブオイルをちょこっともらえないか?」と聞いた経緯は、つまり、「そうだとしても欲しい」という意味だったの、と伝えると今度は
「ソースにつけて食べてもらいたいんで」と言う。
だとしたら、陰口を大きな声で言わずに
「うちはソースにつけて食べてもらえたら嬉しいなと思ってオイルを敢えて出してないのですがいかがですか?」とスタッフの接客係の方に言って貰う、またはご本人が伝えにいらしたら良くない?とお話しした。
そうしたら、「確かにそうですね」という言葉を発したけど、
若干の不協和音がぬぐえない様子だった。
そして「スープや料理が来るまでパンは食べないものだし」と言う。
(出来れば上記の確かにそうですねで終わりにして欲しかった!)
調べると、コース料理のレストランでは、基本、スープの登場するタイミングからパンに手をつけましょうとある。
ただ、ここは、コース提供はなく、アラカルトでしか頼めない、
カジュアルな雰囲気のお店。
つまり、スープ仕立てなのかとか、ソースが出てくるかとか、は、頼んだ品次第、ということ。(こちらのお店ではサラダのようなものやマリネのようなものが出てくることが良くあった。←過去4度お邪魔しているお店)
だとしたら尚更、シェフの言い分であるソースをつけて食べて欲しいとか、そう言うことは、自分だけが思っていることで、お客さんには伝わっていないことだ。
調べると、「焼きたてのパンを出すところでは、提供されたらすぐに食べ始めましょうとある」確かにそうだ。焼きたてほかほかを出してくれているのに、スープが来てから、、、と待っていてパンが冷めてしまっては、本末転倒だものね。(食べ物に失礼でしょ!食材だって生きていたものだから)
そして、焼きたてはそのまま何もつけなくても、水分がしっかりあってとても美味しいものね!
「一週間の疲れを癒すべく、食事に訪れて、こういうふうに、ただオリーブオイルを頼んだだけで、しかも、枕詞を置いてリクエストしたのに、こんなふうにやりとりがなされて、この時間を楽しむこと自体を壊さないで欲しい」かったよ。」と、年下の彼に、姉さんは伝えた。
食事を作って提供する側として、
「こだわりが、お客さんを喜ばせる」ことが多い。
食材やワインを選ぶ目や、調理の仕方のこだわりによって、お客さんは「美味しさ」という喜びを得る。
その喜ばれていることでシェフは喜ぶ循環の仕組みになっている。
レストランというのは。
だけど、だんだんと、そのレストランの目的「得意分野で仕事をして、お客様の数時間をいい時間にする」という目的を、見誤ってしまうようになることがあるのかも知れないと感じた。
料理の現場で評価される「こだわり」というもの、その評価=「成功体験」が、そうさせてしまうのかも知れない。
実際にはお店側の「食べ物へのこだわり」と、お客さんとお店との、目線や仕草、言葉のやりとりといった、「コミュニケーション」の2つが伴って喜びを形成するのだ。
(細かく言えば空間の清潔さとか美しさとかも入ると思うけれど、ここでは省くね)
なぜ、レストランをやっているのか。
意見交換として、私の言い分は今も正しいと思うし、でも、シェフの「美味しく食べるには」という哲学も正しいと思う。
だからこそ、意見を交換して私はよかったと思う。
そして、喜怒哀楽の4つが、全て味わえる日々が贅沢であるし、
そういうことをふさがず、「いいか」と我慢せずに、伝え合って
擦り合わせていくことが未来の幸せと成長を生むのだと思う。
とても気分が良くなかった愚痴と、そこから導き出された私の今朝の答えだった。
レストランでの食事はお客様にとって特別なひと時であり、それをあらためて大切にしたいと感じた。