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台湾の学校訪問を終えて。今こそ外の世界に飛び出そう!異なることの面白み。

前回の続きになります。
一月の上旬、北海道安平町の中学生2人と小学生1人が、寒い北国から暖かな台湾へ、学校交流のため来台しました。台南市安平区の安平国民中学、台中市の追分小学校、の2つの学校を訪問。交流のきっかけについては前回触れたとおりです。(もしまだ読まれていない方は是非こちらから↓)。

1日目に訪れた安平中学では、学生による「剣獅鼓」の勇ましい演奏によるお出迎えから始まり(剣獅は安平の守護神で、弦をくわえている獅子のこと)、子供たちが安平中学の学生に太鼓の叩き方を教えてもらって、一緒に演奏体験。右、左、右、左、とリズムを取りながら、見様見真似でやりながら、最後には皆で合わせて叩くことが出来ました。お互いに言葉が通じなくても、教え合いながら、教えられながら一緒に体験できるものはいいですね。自分たちの文化に関係することなら、教え、教えられることを通じて、双方ともに新しい発見があるはずです。

安平中学の学生による剣獅鼓

剣獅鼓体験の次は、英語の授業を一緒に。中学一年生のクラスで、丁度フィリピン人の先生による英会話の時間。学生たちはグループに分かれて、先生からの英語の質問に答えていきます。台湾では英語の授業は小学3年生から。フィリピンの女の先生はテンポよく聞きやすい英語で生徒に質問していきます。先生の質問に手を挙げて答える台湾の中学生の姿に、授業が終わった後、「レベル高い」、「自分たちも頑張らないと」という感想をもらしていた安平町の子ども。実際に同じ学年の子どもたちが英語を学ぶ場所に飛び入りして、とても良い刺激を受けたようです。

英語の授業の終わりには、北海道の子どもたちから折り紙のプレゼントを贈呈しました。日本のアニメキャラクター(ぴかちゅうやドラえもん)の折り紙は台湾の中学生にも喜ばれていました。「ありがとう」、と知っている日本語を話す台湾の子どもたちも可愛らしかったです。

授業の体験が終わった後、安平国中の校長室では、安平中学の校長先生、先生方、そして安平小学校から駆けつけて来られた校長先生、中学と小学のPTA会長さんまでが待機して、歓迎をして下さいました。
そして、安平と言えば、豆花。テーブルの上には人数分の豆花の他、タピオカミルクティーやお土産も用意して下さっており、皆、台湾人の熱烈なおもてなしに感激。食べながら、飲みながら、笑いながら、賑やかな校長室でのひと時となりました。

台南に来て、名物の安平豆花を校長室で食べられるとは、ラッキーな子どもたち

そして一行は、翌日、台中の追分小学校を訪問。
台湾鉄道の追分駅で下車(日本統治時代の1922年に開業した駅です)。

台中追分駅
日本には、北海道安平町の追分駅を含め、7つの「追分駅」があるとのこと

追分小学校との縁は、安平町にある追分駅と、台中追分駅の同名駅との繋がり、そして、2018年9月に北海道で発生した地震の際に、台中追分小学校の子どもたちが、安平町追分小学校の子どもたちにお見舞いの手紙を書いたことによるものです。

追分駅に到着すると、追分小学校の校長先生やPTA会長、ボランティアの方々が、歌を歌ってお出迎えしてくださいました。駅の説明を聞いた後で、一緒に学校へ。

この追分小学校では、台中市のオーケストラコンテストで優勝した小学生の演奏を聞いたり、旧正月前の春聯を一緒に書くという貴重な体験をしました。
(春聯は春節のお祝いするため、赤い紙に黒や金色で縁起の良い言葉が書かれたもので、家の門や入り口などに貼ります)

素晴らしい演奏!小学生とは思えないほど
春聯 蛇も金色の模様が描かれて可愛らしく
完成した春聯を台湾の学生と一緒に

子どもたちは、春聯と言うものの存在を初めて知ったようです。筆を持ち、黒墨で書くおめでたい言葉に、日本の書初めとはまた違う体験が出来ました。台湾の文化に触れる貴重な時間であったと思います。

そして追分小学校でも、校長先生からの熱いおもてなしが。校長先生自ら台湾茶を淹れてくださったり、台湾の美味しい果物を用意してくださったり、手土産に桂圓のケーキまで準備して下さったり、、と、日本から遥々来た来客への温かな心づかいに一同感激。おもてなし、は日本の専売特許ではないことを感じさせられます。

校長先生自らお茶を

台南、台中両校の訪問は、これからの子供たちの相互訪問への期待が寄せられるものとなり、PTA会長さんのお話では、大人の交流も何か始められるといいとの意見もありました。

振り返ってみると、コロナ禍では何年もの間、全てがオンライン。世界の門戸はあっという間に閉ざされて、私たちは外の世界に触れることが出来なくなりました。そんな時期があったことを思うと、こうして子どもたちが実際に日本の外に飛びだし、実際に見て聞いて感じることが出来る機会が生まれていることは、何と素晴らしいことでしょう!

台湾の子どもたちと日本の子どもたちは、実際に交流することで、互いに親しみを感じ、言葉の違いを超えた「共通点」を認識しあい、そして更に一歩、「異なるから面白い」、の2つを学べるのです。
これこそ、国を超えた学校交流の醍醐味ですね。
共通点と違いを学ぶ機会は、多様性を受け入れるマインドを育むためにも大切なことと思います。

それにしても、今回は改めて、台湾人のおもてなし上手、熱い歓迎ぶりに感じ入る訪問にもなりました。日本人が次回台湾人を迎えるときも、同じぐらいの熱情でお出迎えできればいいですね。

始まったばかりの交流の種が、今度は北海道で花開くことを願い、2日間の交流は無事に終了しました。

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