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骨格の三つの輪で人生のバランス感覚を鍛える〜第一肋骨のパワー

さて、三つの輪の二つ目は第一肋骨です。こんな形をしているんですが、'Head' とある丸い先の方が背骨にくっつき、もう一方が胸骨についています。

第一肋骨は、その半分が鎖骨の下に隠れていて、手で触ることがなかなか難しいのですが、その位置や動きは、腕や手の機能において、とても重要な役割を果たしています。

第一肋骨と鎖骨の位置関係

第一肋骨の位置がずれていると、手指や腕の痺れ、痛みを引き起こしたり、(胸郭出口症候群と呼ばれます)肩から背中の肩甲部(けんこうぶ)にかけてこわばりを感じることもあり、頭痛や吐き気などの自律神経症状が合併しておこることもあります。     

その原因の一つとしては、首から第一肋骨につながる斜角筋群という筋肉が、緊張し続けて縮んで固まってしまい、第一肋骨と鎖骨の間のスペースが狭まって、首と肩の間にある、胸郭出口が狭くなることがあげられます。

胸郭出口を通る神経と筋肉の束

胸郭出口は、第一肋骨の上を通り、鎖骨の下を通って腕や手に感覚を伝達する神経の束や、腕に流れる静脈や動脈の通り道になっていますので、これらが圧迫されることにより、上記のような症状が起こってしまうわけです。

第一肋骨の位置は、誤った姿勢や、繰り返される身体の使い方の癖などに影響を受けます。また、目の使い方や頭の位置によって、知らずのうちに首の筋肉に力が入ってしまっていたり、呼吸が十分にできていなかったりすることもあります。

では、第一肋骨の位置を想像し、鎖骨と第一肋骨の間のスペースに、意識を持っていってみましょう。

寝るか座るかの姿勢で、両方の指の腹を鎖骨のすぐ下にそっと当てます。そして、皮膚を動かすようにして、鎖骨をそっと上に転がしてみてください。(そうなんです!鎖骨ってこういう動きするんです!)

鎖骨を上に転がす時は、あごを胸にほんの少し近づけ、鎖骨を下に戻す時は、あごも戻します。中を感じるように、息を吐きながらそっとゆっくり動かします。この時、第一肋骨を感じてみてください。そして、出来れば、第一環椎と第一肋骨の動きを同時に想像してみてください。3分でも良いので、ゆっくりと呼吸をしながら、この動きを行なってみてください。なんとなく肋骨全体や背骨が動いているのが感じられますか?肋骨と肋骨の間のスペースが縮んだり、伸びたりするのがわかりますか?骨盤はどうでしょう?

しばらくこの動きを続けた後、静かに自分の身体を感じてみてください。肋骨や腕は緊張が解けて、だらんとぶら下がっていますか?

肋骨や首と頭、骨盤など、私たちが通常、一つだと思っている骨格の部分は、その各々の中で、細かい部分があり、動きがあります。肋骨の一本一本の動きが感じられ、肋骨と肋骨の間のスペースが意識できるようになってくると、不思議なことに、人生で起こってくることの細かいディテールが感じられるようになり、人間関係がスムーズになったり、仕事が順調に運んだりします。 体、空間、エネルギーの流れ、全ては繋がっているのです。

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