このプログラムは何年のもの?
アンティーク・ショップでこんな素敵なプログラムに出会いました。
オーナーの方がもしかしたら、と買ってきてくださったもの。
古いプログラム「あるある」なのですが、年代がどこにも書かれていません。
大体のところは見た雰囲気、デザイン、紙質、既に年代が判明しているものとの比較、そして出演者や広告で見当がつきます。
この場合は表紙のデザインとBallets de Monte- Carloの表記、興行主の名前、そしてダンサー、さらにオーナーが一緒に購入したというロンドン・ヒッポドローム劇場のプログラムには1938年とあったので、1930年代だろうというところまでは購入時点で分かります。
さらに、掲載されているダンサーの在団期間、上演作品の初演を調べると大抵の場合は確定できます。
有名ダンサーの場合は在団期間が分かっていることが多いので…。
たとえば、このヴェラ・ネムチノワというダンサーは1915年にバレエ・リュスに入団しています。また、夫のアナトール・オブコフもこのバレエ・ド・モンテカルロに参加しています。
そうした情報をパズルのように組み合わせて1936年と推測。
こうして推理してゆう時間も楽しいもの。
最終的なチェックは5月15日~5月23日の上演予定作品一覧の曜日と年代を突き合わせて、これが大きく間違っていることはまずない、ということになります。
ちなみにこのバレエ・リュス・ド・モンテカルロは1932~1963年と長く、大きく二つの系統で続いたバレエ団です。
映像がない時代の作品が今でも踊られているのは彼らが「ディアギレフのバレエ・リュス」の作品をオリジナルの衣裳と美術で踊り続けてくれたこともとても大きかったのです。
映像も少しですが、上がっています。
何回見ても胸が熱くなる映画です。
そしてこの中でステージにダンサー達が解散後初めて一斉に上った2001年、ルイジアナでのあの瞬間、私は客席から見ていました。
最初で最後のバレエ・リュス同窓会、伝説的な最後の瞬間に居る事ができたこと、今でも大切な時間の宝物であり続けています。
つい、話がそれてしまいましたが、バレエ・リュス・ド・モンテカルロはまだまだ分かっていない事、語られていないことも多いカンパニー。
以前、こちらでも少し紹介しましたが、あのような面白い作品も上演しているので少しずつご紹介できたら、と思います。