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実家にて 〈 6日目 〉 すき焼きとオンライン読書会

実家に泊まって今日で6日、自宅には荷物を取りに一度寄っただけ。仕事と家の往復の間に、WOWOW見たり好きな本読んだりのまったりとした日常が少しずつゆがんでいく感じがする。

今日は休日、久しぶりに自宅に帰って洗濯したり、ゆっくりお風呂に入ったり、夕食を作ったり自分時間の充実をはかった。夕食はすき焼き。タレさえあれば、私失敗しないので(笑)。

もうひとつ帰る理由があった。zoomでオンライン読書会に参加するためだ。今注目されているカミュの【ペスト】が今回の課題本である。本を探しに図書館に行ったり、近所の書店を覗いてみたが無くて、ようやく手に入れたのが3日前。

zoomなんてコロナが流行ったせいで( いや、おかげで? ) 使い始めたばかり。ミーティングルームにすんなり入れなくてちょっと遅刻しての参加。講師の方の説明が始まっていて、周りはしっかりしたお顔つきの人ばかり。学校の先生?笑顔が板についたトップセールスマン?バイリンガル?さすがに3日では読めなくて、後半斜め読みで不完全燃焼の私は変な汗が流れてしまう・・・


ペストがもたらしたのは日常の消失、愛する人との期限の定まらない別離。離れて初めて、愛する人の時間を独占出来ない苦しみを知る。人々は事態が良くなることを期待しては裏切られ続け、神について演説していた神父は死にゆく者の壮絶な最期を目の当たりに見て無力感に苛まれる。未来に進めず、過去を振り返る事はあまりにも悲し過ぎ、何処にも行けない流浪の民が溢れていく。

カミュがこの物語に込めた想いは何だったのだろう。グループワークでそれぞれ意見交換をし、少しずつ見えてきた事。どのような時にも、目の前の物事に誠実に向き合うこと、そして違う立場の人に対する共感、労りの気持ちの大切さを伝えたかったのではないだろうか?

コロナ時代の今だから興味を持って読んだけれど、日常はいとも簡単に壊れるし変化するものだから、いつ読んでも引き込まれるに違いない。施設に入った母もきっと父に会えない不条理に心痛めてただろうな。病院勤務の私は母の淋しさよりも、公共の安全を守るために「 みんな会えてないんだから、お母さんだけじゃないのよ。諦めて」としか言えなかった。だから母は実力行使に出た。朝も昼も夜も「 帰りたい!帰らせて!」と訴え( 叫び )続け今、家にいる。


1時間半のミーティングが終わり、再び実家へ泊まりにいく。全く違う人間関係や時間が間に挟まるだけで、気分転換になるもんだ。旦那と息子にも会えたし。気分が良いので実家の夕食も作ることにした。野菜は刻んで自宅のあまりを持っていく。作るのは苦手だけど、タレさえあれば簡単にできるから。

メニューはそう、すき焼き。私シェア( というか、楽 )したいので。。。



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