#015 〈FAST PACK TOTE〉 に関する10の質問
【1】なぜ< FAST PACK TOTE >を作ろうと思ったのですか?
最初は、自分がエコバッグを使っている時に感じた不便を解消したかっただけなんです。でも試作を作り、自分で使っているうちにその利便性の高さを実感しました。そして、日常の買い物で同じような不便を感じている人が一定数いるんじゃないかと思って、それであれば、その人たちに向けたソリューションの提案になるんじゃないかと思ったんです。
自分が考えたアイデアで、周りの人の生活が豊かになったり便利になったりするなんて、考えるだけでもワクワクしちゃいます。
【2】作るのにどれくらいかかりましたか?
今年の年明け、まだ前職のデザイン事務所に勤めていた頃に、最初の試作を作りました。慣れないミシンを踏みながら3週分の土日を使って形にしました。まだ丸型ポーチも、マグネットジョイントもつける前の状態です。
春先に、折り畳む収納の手間を解消したくなって色々考えて、丸型ポーチのアイデアを思いつきました。
6月にOEM生産してもらうメーカーを探して打ち合わせを始めて、そこからディテールや、マグネットジョイントなどを検討しました。
最終形が決まったのは、8月に入ってからだと思います。
なので、約8ヶ月の間に10回前後の試作を行い仕様を決めたことになります。
8ヶ月で量産のデザインを決めるというのは、結構早いスピード感だと思うのですが、私が自分でミシンを踏んで試作を作ることができるので、短期間でトライ&エラーを繰り返し、形にすることが出来たのだと思っています。
【3】< FAST PACK TOTE >の一番のポイントはどこだと思いますか?
マグネットジョイントも気に入っているのですが、一番のポイントは、畳まない構造だと思っています。丸型ポーチを、トートバッグ本体の内側に横向きで取り付ける。この構造によって、作る手間は増えるのですが圧倒的に使いやすい収納方法を実現しています。
WEBでは伝わりにくいかもですが、知人に実物を見てもらってクシュクシュする収納方法を試してもらうと、皆さんとても驚かれます。
【4】アイデアはどこからきたのですか?
もともと性格的に、こういう構造を考えるのが好きなんです。目を閉じて頭の中で3Dの状態を想像しながら考えます。どうしたら畳まない状態で、もっとも効率よく収納できるのかと。袋は巾着、向きは横向き、位置はど真ん中、それをクシュクシュと、両手の指をつかって生地を手繰り寄せる。そんなことを妄想している時に、あっ、ハンモックと同じだ!と気付いたんです。
実は、ハンモック泊のソロキャンプに憧れてアウトドアを始めたので、このハンモックと同じ構造というアイデアは、自分でも嬉しい発見でした。
【5】サブタイトルの「とにかく便利」とはどういう意味ですか?
表現を変えると「使う時のストレスがない」ということです。度重なる試作を経て、自分が不便だと思うポイントを1つずつ改良してきたので、不便がない(つまり、ストレスがない)ということを、メッセージとして伝えたかったのです。
【6】「エコ」という視点についても教えてもらえますか?
この前のQ&Aにもあるように、使う時のストレスがなかったり、デザインをミニマルに設計しているため、通常のエコバッグよりも使用頻度が高くなるんじゃないかと思っています。エコバッグを持ち歩いている人の割合に比べて、エコバッグを日常的に使っている人の割合は、実はけっこう違うと思っています。以前、オフィス街のお昼時にコンビニの前で、エコバッグ使用率を観察したことがあります。だから、エコバッグの使用頻度が高くなってくれれば、その時点ですでにエコだと思います。また、使用している生地がリサイクルポリエステル(再生原料使用率42%)なのも、ポイントだと思っています。
【7】生産はどこで行うのですか?
今回はヴェトナムで生産する予定です。国内でも長年の実績と多くの経験をもつバッグメーカーにOEM生産していただく予定です。生産に少し時間がかかりますが、試作も毎回丁寧に仕上げてくださるので、安心して生産をお願いできると思っています。
【8】どんな人に使って欲しいですか?
飽きのこないデザインを長年使い続ける、そんなライフスタイルの方をイメージしています。男女問わずQOLが高くて、オフ時間も充実していて、リフレッシュして心を休めるためにアウトドア・アクティビティにも関心が高い、そんな人ですね。
もしかしたら、自分がそんな人に憧れているのかも知れません。
【9】一番大変だったのはどこですか?
工場探しですね。私のキャリアは、インテリアやデザイン畑なのですが、アパレルやバッグ業界にはネットワークも知見もありませんでした。WEBでOEM生産してくださるバッグメーカーを調べて、電話でOEMの担当者を突き止めて、メールで詳細を送る。
バッグメーカーの中にも、それぞれの得意分野があって、革鞄が得意だったり、厚布が得意だったり、薄布が得意だったり。最初はそんなことも分からずに、メーカーを探していました。
個人の、バッグの知識もない、飛び込みのOEM生産、しかも小ロットの相談なので、たいがいは取り合ってもらえませんでしたが、快く対応してくださる会社が少数あって、その中の1社と具体的な話を進めることが出来ました。
【10】今後はどのような展開を考えられていますか?
まず、色のバリエーションを増やしたいですね。今回は製造ロットの問題から黒単色となりましたが、丸型ポーチを試作した時に、カラフルなバリエーションがあると、より一層このデザインが引き立つと思いました。
それから、直販ECを立ち上げるのと並行してセレクトショップなどへの卸販売もしたいと考えています。たくさんの人に使ってもらって、フィードバックをもらって、どんどん改良させて、よりよいプロダクトに進化させたいと考えています。
〈靴の中に入った小石〉のような日常におけるストレス、僅かだけどでも実はとっても気になるストレスを取り除きたくて、このバッグを作りました。少しでもたくさんの方がこのバッグを使うことで、今より少しでも便利で豊かな生活を送ってくだされば、とても幸せなことだと思います。
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