#7 同時通訳科の進級
こんにちは、なおきまです。
逐次通訳科を修了し進級した2023年4月期の同時通訳科、無事進級できました。今回は学期中の苦労、意識したことなど徒然なままに書いていきたいと思います。
私が通う通訳学校では本科として逐次通訳科が4つ、同時通訳科は2クラスあり、1つ目の同時通訳クラスを突破したということになります。
同時通訳科"その1"ではまず、基本的な同時通訳技術の修得を目指します。
一定の逐次通訳能力(逐次通訳科修了レベル)をベースに、まずは同時通訳特有の理論や技術のレクチャーを受け、それに基づいて種々の教材を実践していきます。
最初は自分の声が聴いている音にかぶることで聞き逃す、自分の訳出に注意が向きすぎてスピーカーの声を聞き逃す、ということが頻発しました。
「あれ?なんて言った?」「やば、聞き逃した」と失敗しながら、意識をどこに、どれだけ向けるか試行錯誤する日々でした。
語句に囚われて瞬時の理解ができず訳出が遅れ、記憶保持に負荷がかかり、ますます遅れていく・・・という悪循環を何度も経験しました。
さらに慣れない作業は脳への負荷がとても高く、平日の練習は大変な苦労をしました。
例えば6時間手術をして帰った後の通訳訓練なんて、マラソンの後にもう1回走れと言われているような気分になります。疲労による頭痛の中で練習する、という日も少なくありませんでした。
しかし実力をつけるためには丁寧に基本を身につけることが大切。そのような中でもなるべく雑にならないよう、集中できるよう意識をしました。
また、この段階では教材を探すのも一苦労です。
適当にテーマを入れて検索し、ヒットしたものを片っ端から・・・なんてできません。早口過ぎてもダメ、テーマが難しくてもダメ、固有名詞の連発もダメです。
「聞いて訳す」訓練を沢山行うために、自主練の教材は
・予習をしなくて済むほどテーマを知っている
・早口過ぎない
という条件で探しました。基本的には日本人の政治家が英語でスピーチしているものやユヴァル・ノヴァ・ハラリ氏のようにゆっくり話すことが多いスピーカーに行き着きました。
英日か日英、できれば両方毎日やる、という気持ちで限られた時間を大切に練習しました。もちろん、英語力と通訳技術は別物として英語力の地力をつけるような教材への取り組みも可能な限り行いました。
逐次通訳科の上のクラス以降、受講生には社内通訳者など仕事で通訳する方が多くなります。そんなクラスメートたちの足を引っ張るまい、というのもいいモチベーションになりました。
学期の後半となる7月下旬ころから成長期に入ったのがはっきりと自覚できました。できなかったことが急にできるようになる瞬間があり、これは通訳訓練のみならず全体的に私のラーニングカーブはそうなっているようです。
聞きながら訳すという意識をしなくても聞く・訳すのバランスが取れるようになってきました。教材1つ1つこなすごとに成長する、明らかな手応えを覚える日々を過ごしました。
成長期に入った直後、個人的にはあと2週間後だったらよかったのに・・・というタイミングで進級試験を迎えましたが、何とか通過でき胸をなでおろしました。
本記事を書いている時点では成長期は一旦終わり、少しだけレベルアップした私はまた次の成長期を目指し日々積み上げております。
成長した、といってもこれから先の長い道のりを考えれば一歩二歩前に進めただけ。
これからも楽しく、基本を大切に練習していきたいと思います。
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