なぜならあなたは「母親」だから。
この前まで、僕はある女性のブログを読んでいた。
その女性はある神社に参拝した時、霊感(インスピレーション)を得た。それから、瞑想を始め、深い目覚めを体験してゆく過程をご自身のブログに綴っていた。
その体験記が興味深く、僕が目覚めるまでの過程に似ていて共感したこと、さらに、その女性が探求を始めるきっかけになった神社に何度も僕自身が参拝していたことが重なった。
その神社は僕にとって縁の深い神社だったのだが、一般的にそれほど有名ではない摂社だった。
そのブログを読んだ時、「この人と話をしてみたい」と思った。
しかし、その女性はお話会を開くことも、瞑想を教えることもしていなかった。ただ自分の体験を静かに綴っていただけだった。
そして、ほとんどフォロワーもいなかった。それに半年以上、記事を更新すらしていなかった。
〇
その女性が全ての記事を──さらにアカウントを削除したことを知ったのは、僕がその女性のブログをすべて読み終わった数日後だった。
彼女は文字通り、跡形もなく、インターネットから姿を消してしまった。
もう一度、読んでみよう、と思って、検索した時、もう彼女の文章はこの世に存在していなかった。
まるで、僕がその記事を読むことを待っていたかのように──そして、僕が読み終わったことを知ったかのように彼女の体験記は完全に削除されていた。
でも、僕はそのブログに書かれていたことの大まかな内容を思い出すことができる。
その女性は瞑想を通じて、自分自身の神性を思い出した──。
別に物質的に豊かになったわけでもない。ただ、自分の内側に神としか言えないものがあると知った。それを見つけるために、生まれてきたと書かれていた。
〇
大学四年で、就活をしていた時、ハートの奥から「就職してはいけない」という強烈な声を聞いた。
幼い頃から、「どうして自分は生きているのだろう?ここは自分がいるべきところではない」とずっと感じていた。
それでも、僕は漠然と学校に通い、アルバイトをしたり、恋をしたり、俳優を目指したりなどしていた。
でも、すべてちがう、と思っていた。何物もほんとうには自分を満たしてはくれなかったのだ。
あてどもなく大学の図書館で時間をつぶしていた時、偶然にも、瞑想とヨガのことが書かれている本を見つけた。
「これだ!」と思った。
僕を満たしてくれたのは、内側の静寂、愛、平穏、神聖さだ。でも言葉では表現できない。言葉を越えている。
幼い頃から抱えていた「生きづらさ」と言うのは、別に欠点でも何でもなくて、自分の魂が少々特殊なシナリオを描いていたというだけのこと。
22歳の時、神聖なるハートは、世間一般的な道を外れなさい、と言った。
そして、素直に言うとおりにした。
思えば、素直にハートの声を聴くということがどれほど難しいことだろうか?
ほとんどはマインド(思考)の声だ。常識や将来の不安と恐怖に基づいた決定だ。
どれだけのひとがハートに「素直」に従うことができるのだろうか?
両親は「素直な子になってほしい」という思いでNaokiと名付けたらしい。
しかし、僕は両親に対して、素直な子どもではなかっただろう。なぜなら、僕は前述したように、就職をしなかったことで、「両親」を泣かせたからだ。
自分が魂の道を進む時、生物学的な「親」が泣いてしまうのかもしれない。
ブッダもキリストもラマナも彼らの親たちはもれなく涙を流している。
「どうして素直に言う事を聞いてくれないの?」と彼らの母親は言う。
しかし、彼らが素直にならないといけないのは、生物学的な親ではなく、高次の親なのだ。
ではその「親」はどこにいるのだろうか?
それはハートだ。ハートの奥深いところだ。
ハートの声に従った結果、僕は成功者にはならなかった。何者にもならなかった。
ただ、今の自分は外側の状況に依存しない幸福で満たされている。
〇
キリストは自分の教えを聞きに来るひとたちのことを「兄弟」とか「母親」と表現していた。
それに共感する。
僕は「顧客」とか「クライアント」という言葉が好きではない。それでは線引きがある。「兄弟」や「母親」に線引きはしない。
この前、サットサンを開いたら「無料でこんなに教えてもらって良いんでしょうか?」と感想をもらった。
もちろん良い。大丈夫。なぜならあなたは「母親」だからだ。神聖な意味での「母親」なのだ。
だから、たとえばセッションをした後でも、分からないことがあれば、連絡してください、と僕は言う。
普通のセッションであれば、その時間が過ぎたら、連絡ができないものだ。またセッションを予約して、お金を払う。
それがビジネスというものだ。プライヴェートと仕事の線引きをする。
でも、僕がやっているのはビジネスではない。ただ単純に好きだからやっている。だから線引きはないのだ。
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今週のサットサンは9日(土)の11時からです。zoomにて無料。参加を希望される方は↓まで。
naokifloweroftheheart@gmail.com
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