ステークホルダーはブランドをどう見ているのか
買ってもらう人だけを見ていてはダメ
今日の記事はブランディング(マーケティングにも言えることですが)施策を実行に移す際にどこを見て仕事をすべきなのか、という点について考えていきたいと思います。既にこの #みんなのブランディング では何度も取り上げている通り、ブランディングが成功するためにはそのプロダクトやサービスを直接的に買っていただいている顧客だけにフォーカスしていてはだめだということです。販売の協力体制を築くリテーラーやディストリビューター、資材や原材料、またはサービスの一部をおまかせしている協力会社などです。もちろん、株主がいるのであれば株主も見なくてはなりません。それはなぜかというと、ブランドを構成する要素の中には世間一般でカバーをしないといけないものもたくさんあるからです。売れているから、といって殿様商売をするのは、その時は良かったとしても長く愛されるブランドにはなりえません。
売れているのはめぐり合わせなのかもしれないと考えるべし
ちょっと長くなった小見出しですが、今、もしも、あなたのブランドが売れているとすると、それは商品がいいから、もしくは競合も含めてたまたま世間に受け入れられるプロダクトやサービスが提供できているからに過ぎません。もちろん、そのタイミングで世の中に提供できている事自体すごいことなのでいいですが、ブランドを作りたいのであれば、ブランドへの愛着を深め、共感を得てもらう必要があります。そのためには売れているときこそが周りのステークホルダーへの目配せをしてケアをする時期なのです。この売れている時期に企業は痛みを伴う大変革をすることはあまりありません。エゴを出してステークホルダーに圧力をかけることはあっても、ケアすることはめったにありません。売れているのは巡り合わけだと買いましたが、ブランドには浮き沈みがあることがほとんどです。浮いていく時期もあれば沈んでいく時期もある。沈む時期を想定して仲間を増やしておくことが強いブランドを作る鍵となります。
ぬるま湯になるのではないかという疑念
でも、そんなに優しくしていたら業界がぬるま湯に使ってしまってだめになってしまう、と言われることもあるかもしれません。しかし、ケアをするというのは何も心地のいいことだけを指しているのではありません。将来を見越して話し合いをして、ビジネスの関係性を前向きに見直すのも一つのケアです。むりやりパワーゲームのように有無を効かせずやることとは正反対です。いい時こそ、将来に向けての投資をステークホルダーとともにしていく、それがブランドには求められます。