顧客と情報の接点について考える
ブランドに触れる瞬間
今回の記事は以前書いたものをリライトしてお送りたいと思います。というのも、このテーマ、当たり前なのだけれど、すごく大切なエッセンスが詰まっているからです。
実際の考え方としては、ブランド側がどのようにメッセージを発信するか、という視点から一旦離れ、興味を持ってもらえそうな方々がどのような接点でブランドに触れ、どのようにメッセージを受け取っているのかを考えてみましょう。
こエクササイズをすることは実はブランドメッセージを発信する際にもかなり有効です。受け取る側のイメージを持つことは効果的に発信するための必要な能力と言っていいと思います。
さて、ではどのようにエクササイズしていくかというと、まずは自分自身を考えてみてください。
普段朝起きてから、会社にでかけ(もしくは自宅から仕事をして)、食事をして、仕事終わりにどのような余暇を楽しみ、就寝していくその過程です。
その過程において、あなたはどのくらいのブランドの接点を抱えているでしょうか?そのタイミングはいつか?その情報を得ているときの姿勢は?集中度合いはどうか?です。そのときの状況をつぶさに振り返り、その時の気持ちや頭の中に残りそうなものを想像していくのです。
そして、それらの接点を書き出してみましょう。それらの接点ではどのような姿勢で情報と接するのかを整理していきましょう。
そこから見えてくるものは、
ということです。発信する側からは発信した満足があるのですが、情報は受け取られて初めて意味があるものですので、受け取るときの状況も推測しなくてはなりません。
ターゲットした方々の生活に落とし込んでみよう
では、次のエクササイズとしてやって頂きたいのは、今読者のみなさんがターゲットだと思っている方々が朝起きてから夜寝るまで、どのような接点で情報に接しているかを想像しましょう。
その時に、ターゲットには色んな人がいるのでバラバラで想像できない、という方がいらっしゃると思います。その方のターゲットはターゲティングできていない、ということです。マーケティングではこのターゲティングの精度はそれ以降のプロセスの成否を分けます。マーケティングがザルな場合はその結果も荒くなるはずです。
ターゲットの触れる接点とその時の姿勢を推測していくわけですが、それもきちんと紙に落として整理していくようにしましょう。そうすることによって抜けもれなく整理することができます。
エクササイズを続けよう
このエクササイズですが、一回だけやって満足してはなりません。ターゲットのインサイトを探るためにはその行動を推測する必要がありますが、それは想像の域を超えません。それでも、仮説を立てて施策を実行してその効果をもとにその仮説が正しかったかどうかを探って行くのです。
私の経験上、ブランディングとは正直に言うと、この仮説〜実証を繰り返す作業です。その中でより正しく推測できているであろうモデルにたどり着き、ある一定期間は効果的なブランディングが行えるようになってくるでしょう。それでも、その効果はある一定期間しかありません。そのうち効果が薄れてくるので、また新しい仮説を立てて検証していく作業になります。
情報に触れる接点を見つめ直す、そんなエクササイズはブランドを管理する人の必須なスキルなのかもしれません。