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日本の分断で一番ひどいのは都会地方間の分断


日本の分断:都市と地方の深まる溝

日々の生活の中で、私が感じるのは、日本がかつてないほどに都市と地方の間に深い溝が掘られているということ。2024年9月の自由民主党総裁選や立憲民主党の代表選の結果はまさにその象徴だろう。

石破茂首相は地方の支持を、高市早苗元議員は都市部の票を集めた。これは単に政治的なスタンスの違いだけでなく、都市と地方の生活環境、価値観、そして利益相反の象徴であろう。一方、立憲民主党の内部でも、都市と地方の意識の違いが如実に表れた。この現象は、政党が変わっても日本の根底にある問題を浮き彫りにしている。

日本維新の会の都市部での限定的な支持、公明党や共産党の意外な都会人層の支持、そしてれいわ新選組や国民民主党の社会の特に地方にいる底辺階層へのアピール。これらの事実は、経済的な階層だけでなく、地域による分断もまた、政治的な立場を決定づけていることを示している。

振り返れば、田中角栄元首相の時代から、都市と地方の経済格差は問題となっていた。しかし、当時はまだその格差は政策で埋められる期待があった。現在はその期待さえも薄れ、都市は地方を「自らの富を奪う存在」と見なし、地方は都市を「大昔の資本家よろしく自らを労働者のように搾取する者」と見る。この相互不信は、単なる経済問題を超えて文化やアイデンティティの対立にまで発展している。

さらに、外国人人口の増加を巡る意見の相違は、都市と地方の価値観の大きな分岐点である。都市の人々は同じ日本人が増えることを歓迎せず、日本人よりも外国人を歓迎する風潮さえある。一方、地方では同じ日本人同士で都会も地方も融和できている状況の維持を望む声が強く、都会における自身の居場所を奪いかねない外国人の増加を不安視する傾向にある。

これらの分断は、もはや政策だけでは解決できないほどに深化しているのかもしれない。僕らは、互いを理解しようとする努力を放棄してしまったのであろうか?結婚や子育て支援など、他の社会的な分断も存在するが、都市と地方の対立は日本の社会構造そのものを揺るがしている。

僕らは、日本に暮らす邦人同胞同士が、何故ここまで分断されてしまったのかを真剣に考えなければならない時期に来ていると思う。政策だけでなく、心の底からの対話と共感が求められているのかもしれない。さもなければ、この国は内側から静かに崩壊していくかもしれない。

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