社会科は何のために学ぶのか?①
今回の記事では、社会科を学ぶ意味について調べたことについてまとめています。
社会科を専門にしている方も、していない方も読んでいただくと授業をする上で参考になるかもしれません。
ただし、この記事では考えたきっかけと、指導要領の解説について書いています。
結局なんのために学ぶのかをすぐに知りたい方は②をお読みください。
(②では、専門家の意見やそれらをもとにした私なりのまとめについて書いています。)
1、考えたきっかけ
あるとき、学校の同僚に聞かれました。
「結局、社会科ってどんな力を身に付けたらいいの?」「資料を読み取る力?そこから、自分の考えをまとめる力?」
こんな風に聞かれた私は、そのとき上手く答えることができませんでした。
その先生は、算数を専門に研究をしている先生です。
算数の場合、論理的思考力をつけるという教科としての特質、目標のイメージを多くの先生は持っていると思います。また、国語や英語のように教科名がそのまま身に付けさせたいものだとわかるものもあります。
一方、社会科というと身に付けさせる力というと何かイメージがしにくいものです。
私自身は、社会科を専門に研究を進めていましたが、もともとのきっかけは自分が学生時代社会科が1番得意だったからというもので、特に社会科で子供にこんな力をつけたいなどまでは考えてはいませんでした。
2、指導要領では、どのように書かれているのか?
そこで、私は指導要領を改めて確認しました。
現在の指導要領ではどのように書かれているのでしょうか。
これを読むと、
社会的な見方・考え方を使い、(時間や空間的な視点や相互関係の視点といった見方や比較・分類、総合するなどの考え)
「課題を追究したり解決したりする活動」=”問題解決的な学習”を通して公民としての資質・能力の基礎を育成することが求めらていることが分かります。
しかし、ここまで読んでいくと「公民としての資質・能力」がわかりにくいと感じることと思います。
公民としての資質・能力とは一体何なのでしょうか。
同じく指導要領で確認します。
このように書かれています。
言っていることは分かるけれど、つまりどんな力を身に付けさせたいの?という部分ではまだわかりにくいというのが正直なことでした。
そこでもう一つ確認しました。
公民としての資質とは何かを表したものの最初といわれているのが、1948年に文部省より刊行された『小学校社会科学習指導要領補説』です。
ここでは、公民としての資質の具体的な説明が、3点で示されています。
(公民的資質として書かれています。)
これを簡単に読み取ると、
(1)今の世界に適応して生活できる
(2)望ましい人間関係を作れる
(3)社会を進歩させたり、文化を発展させたりできる
この3つができるように、社会を理解させることが大切 ということになります。
また、上記だけでなく以下も大切と書かれています。
これも読み取ると、社会の人々の幸福を願うことを前提として
(1)批判的思考力を身に付ける
(2)民主主義の理解と実践
(3)問題に対して取り組み続ける力
このようなことができるようになることが大切とまとめられます。
ここまで読み取っていく中で、私は以下のようにまとめることとしました。
子供たちに、社会(社会的事象)を理解させることを通して、批判的思考力や問題解決能力などを身に付け、民主主義を基にした幸福な社会を維持したり、発展させたりすることができるようにする。
このように指導要領などから読み取り、まとめることとしました。
以上で、社会科は何のために学ぶのか?について記事を終わります。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
もし、よろしければ引き続き、社会科は何のために学ぶのか②を読んでください。
②では、実践家や研究者の言葉などを参考にしながら今の時点での私の考えを紹介しています。
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