【詩】本当にやりたいこと


 小学生のとき、学校の先生に訊かれた。

「Cちゃんが『本当に』やりたいことってなんですか?」

 小学生の私は少し考えて、こう答えた。

「お花屋さんを開いて、いろんな人にたくさんお花を配ることです!」



 高校生のとき、友達のYちゃんに訊かれた。

「Cちゃんの『本当に』やりたいことってなに?」

 高校生の私は少し考えて、こう答えた。

「小説家になって、面白いお話をたくさん作りたいな」



 大学生のとき、バイト先の店長に訊かれた。

「Cさんの『本当に』やりたいことってなに?」

 大学生の私は少し考えて、こう答えた。

「学校の先生になって、子どもたちに勉強を教えてあげたいですね」



 そして、今の私。
 社会人になった私は、企業向けのイラストを描いて生活している。結婚して、子どももいて、家族と一緒に暮らしてる。これが私のやりたかったこと。私が「やりたい」と思ったこと。


 それじゃあ、あの時、あの頃に。
 先生や友達や店長に言った言葉は嘘なの?

 そんなことはない、嘘じゃない。
 だけど、私は知っている。

 やりたくないことは同じでも、
 やりたいことは変わっていく。

『本当に』なんて言われたら、
 誰でも悩むに決まってる。
「これが私のやりたいことなの?」
 そこで悩む時間ができてしまう。

『本当に』なんて気にしない。

 あのとき、このとき、そのときに、
 自分がやりたいと思ったことをすればいい。

 違えば止めて、ハマれば続けて。

 やりたいことは変わっていい。
 やり続けるも、途中で止めるも、
 すべては自由、思うまま。

 机上の空論は嫌いじゃないけど、
 いつかは机を離れなきゃ。

 窓を開けなきゃ分からない。

 空の青さも、風の温かさも、
 窓を開けるから分かるんだ。



 さぁ、次は何をしよう。



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見出し画像には、『よしだゆう』様のイラストをお借りしました!

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