【詩】 今日という最後の日
セミの命は一週間。
たった一週間で死んでしまう。
でも、セミがいなかったことにはならない。
この世の誰かが死んだからといって、
その人が存在しなかったことにはならない。
いつだって覚えてる。
いつまでも覚えてる。
自分にとって掛け替えのなかった人が、
確かにそばにいたことを。
忘れないようにするために、
私たちはこの日を迎える。
そして、今日がその最後の日。
夏の日にやってくる、
一回切りの一週間。
悔いを残さないためにも、
最後のお別れはきちんとね。
セミは変わらず鳴いている。
今年も変わらず、鳴いている。