円安再来!いまやるべき投資とダメな投資
最近、外国人旅行者の姿を多く見かけるようになってきました。
2023年4月の訪日外国人数は約200万人であり、コロナ前の2019年の66%まで回復してきたそうです。
外国人観光客が増える要因の一つとして、昨今の円安があると思います。
海外の人にとっては、日本のモノやサービスの値段が安くてお得になるのですね。
今回は、いまのような円安時期の投資戦略について考えてみたいと思います。
米ドル/円相場の状況
2022年の3月頃から急激な円安ドル高が進行しました。一時期は1ドル150円に到達し、実に32年ぶりの円安水準となりました。
その後、2022年後半からいったん120円台まで円高(ドル安)になった後、2023年は再び円安傾向が続いています。
このような円安ドル高の主要因は、日米の金利差です。
アメリカではインフレを抑制するため継続的な利上げが行われており、直近の米国政策金利は5.25%という高水準となっています。
円安のときやってはダメな投資
最初に、今のような円安の時期にやってはイケない投資について考えていきます。
それは、外貨建て資産への一括投資です。
ここでは分かりやすいように、米ドル建て資産を例にして説明します。
なぜ米ドル建て資産への一括投資がダメかというと、もし今後円高になったときに値下がりしてしまうからです。
たとえば現在の1ドル140円が、数年前の水準である1ドル110円まで円高になると、約21%の価格下落となります。
米ドル建て資産といってもたくさんの種類がありますが、とくに推奨できないのは外貨預金や外貨建て保険です。
既述のとおり、最近はアメリカの金利が上がっているため「日本円より高い金利で運用できる」という謳い文句で金融機関が販売に力を入れており、実際に契約数も伸びているようです。
しかし、いくら金利が高くても、円高による損失(為替差損といいます)が発生すれば、利息収入など簡単に吹き飛んでしまいます。
いまは歴史的な円安水準である(今後円高に戻る可能性がある)ことを意識しましょう。
ぜひ皆さんの周りでも、外貨預金や外貨建て保険への一括投資を検討している人がいたら、その危険性を教えてあげてくださいね。
なお、為替の状況に関わらず、私は外貨預金や外貨建て保険への投資は推奨しません。
その理由を端的にいうと、「購入者が負うことになる為替リスクに見合わないほど手数料が高い」ためです。
円安でやるべき投資
今のような円安の時期に外貨建て資産へ投資するなら、一括投資ではなく、積み立て投資を推奨します。
なぜなら、積み立て投資であれば、もし今後円高になったときに安く購入できるからです。
仮にまとまった資金がある場合でも、2~3年程度にわけて少しずつ積み立てるのが無難だと思います。
また、投資対象としては外貨預金ではなく、株式を中心としたインデックス投資信託が適していると考えます。
株式型のインデックス投資信託は、短期的には値動きが大きいというリスクがあります。
一方で、10年以上の長い期間でみると、円安円高による為替リスクよりも株式市場の成長性のほうが大きいことを、過去の歴史が証明しています。
なお、投資対象についてはもう一つ、日本株式にも着目しています。
代表的なものとしては日経平均やTOPIXに連動した投資信託があります。
日本株式であれば、円高による直接的な値下がりがないことが理由の一つ。
(間接的には円高による企業業績等への影響で株価は変化します。)
さらに、米国株式などの外国株式と比べて、近年の日本株式は割安の状態が続いていることもあります。
まとめ
昨年からの1年間、おおよそ30年ぶりの歴史的な円安が続いています。
このような円安の時期にもっともダメな投資は、外貨預金や外貨建て保険への一括投資です。
円相場が数年前の水準に戻る(円高になる)と、2割くらい値段が下がってしまうためです。
(さらに、手数料分もマイナスが加算されます。)
一方、外貨建て資産であっても、株式を中心としたインデックス投資信託への積み立て投資の場合は、円安下でも推奨できます。
積み立て投資では円高による値下がりは「安く買える」というメリットになるうえ、株式市場の成長性は長期的には為替の値動きよりも大きいことが期待できるためです。
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