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『MIZZ鍼灸治療院物語』の著者 MIZZ先生こと”みずかみよしのり”が 渋谷道玄坂百軒店伝説のロック喫茶『ブラックホーク』を語り尽くします

◆第2シリーズ 
ザ・インタビュー:MIZZマスターの『ブラックホーク』懐古談
(聞き手:編集人ひめちゃん)


イージー☆ライダー(原題:Easy Rider)(1969年,日本公開は1970年)
製作・脚本 ピーター・フォンダ デニス・ホッパー
監督 デニス・ホッパー
出演 ピーター・フォンダ デニス・ホッパー ジャック・ニコルソンほか

【イラスト解説】
 コカインの密売で大金を手にした二人の若者が,魔改造したハーレーダビッドソンを駆って,カリフォリニアから南部を目指して旅に出る物語。
 当時のヒッピームーブメントやドラックカルチャーを織り交ぜながら斬新な切り口で描いたストーリーは言わずもがな,最大の見どころと言えば,疾走する2台の特製ハーレーとの見事な調和で描き出されるステッペンウルフの“Born To Be Wild”やザ・バンドの“Weight”といったロックの名曲の字幕スーパーでしょうか。
 他にも,ザ・バーズの“Wasn't Born To Follow”,ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスの“If 6 Was 9”など,センスあふれる挿入曲の効果は絶大で,映画ファンばかりでなくロックミュージックファンをも巻き込んで,アメリカン・ニューシネマの代表作として名を残す要因にもなりました。
 『ブラックホーク』でも,当時よく聴かれた曲ばかりで,お客さんの中にはついつい軽ノリしてしまって,口ずさんでしまうような人もちらほら見受けられましたね。

《ひめちゃん》ともあれ,急展開早回しで『ブラックホーク』は“ロック喫茶”に変身していったのですね。

《MIZZマスター》当初2時間だったロックタイムも,そのうち3時間になり,4時間になりで,このあたりやや記憶が曖昧ではありますが,1969年末あたりには,オープンからクローズまでロックをかけ通しという有り様となっていたように思います。

《ひめちゃん》1969年というと,たしか「イージーライダー」という映画が大ヒットしましたね。それから,今なお語り継がれる史上最大のロックの祭典ウッドストック・フェスティバルの熱狂が日本にも押し寄せ,国内の音楽シーンにも多大な影響を与えるようになっていきますね。

《MIZZマスター》この頃は,詩とかサウンドを云々することなく,アメリカやイギリスのレコード会社で発売されるRock Musicは,とりあえずターンテーブルに載せてみようと試みるつもりでいましたが,さすがに何でもかんでもやるわけにはいきません。
 当時は,ヤマハ渋谷店:吉祥寺メルリ堂(担当後藤さん),上野蓄晃堂(担当飯田さん,後に原宿メロディハウスへ)など,有名レコード店の方々からチェックを受けたアルバムが『ブラックホーク』へ提示される形になってまして,私はついつい「後藤さん,飯田さんオススメならいいですよ」と生半可な受け入れ方をしてしまいます。ところが松平氏は,ここからさらに自分自身の耳(脳)で可否を判断して,「コレコレは返品してください」と選別。「店としてターンテーブルに載せるのには責任を持ちましょう」と静かに答えるんですね。

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