【NOVEL】アートマン 第2話
枯山水に架かる太鼓橋を渡り、縁側へ向かう。内でもなければ外でもないあの板敷を越えて、その先の障子を開けたら最後、私の(彼らの)人生という名の旅が、異なる方向へと進むのである。青い翼を持っていた鳥たちは、若き日への郷愁をバネにするが、親鳥はそれが裏目に出ないことを切に願う。
薄明りの向こうで二つ頭が揺れている。私は障子に手を掛けるが一旦下がった。気後れでは無い。落胆である。滝のような雨が地面を打ち付ける未明、敷かれた小石の隙間で水が躍る。空しい一夜の忍耐は散歩によって浄化され