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#5 6年前に味わった絶望と歓喜

こんにちは。はたま なおひで、です。
前回のnoteを書いて以降、人工芝販売のweb広告に完全にターゲティングされています。ちょっとほしいかも。
今回はちょうど6年前に体験した絶望と歓喜について書きたいと思います。

前回の人工芝の話はこちら

1. フットボールの聖地

2014年5月17日、僕はロンドンにいました。
イギリスの自転車縦断旅も終わりブリストルという街に留学していた時です。
ブリストルからロンドンまで格安バスで2時間、そこからフットボールの聖地ウェンブリーに向かいました。
最寄りの駅に着くと、赤とオレンジの2色に分かれたスタジアムまでの道のり、スタジアムへ向かう人も赤かオレンジどちらかの服に身を包んでいます。僕は真っ赤なTシャツに短パン姿。
2014年5月17日はイングランドで最も伝統ある大会、FAカップの決勝アーセナルvsハルシティが開催された日なのです。

2. 9年越しの願い

僕がアーセナルというクラブを好きになったのは2006年。当時中学2年生でした。毎週深夜、テレビにかじりつき試合を見ていました。
それまでほとんど「する」サッカーばかりだったので、初めて見る海外サッカーの雰囲気、レベルの高さにどんどんのめり込んでいきました。
しかし、僕がアーセナルの試合を見始めてからアーセナルは優勝したことがなく、2005年以来タイトルから遠ざかっていました。
クラブの9年越しの優勝を見届けるために、$%&?@#%&?!でチケットを入手し、意気揚々とスタジアムに乗り込みました。(正規ルートでチケットを入手するなんて不可能なのです)

3. 絶望のはじまり

格下との対戦、アーセナル優位という見方がほとんどでした。
しかし、9年タイトルから見放されているクラブはやはり違いました。
前半4分、8分と立て続けに失点。
沈む赤側のスタンド。そこから聞こえる罵声の数々。
地獄です。絶望です。試合終了までの残り80分間、この負け試合をどんな心境で観ればいいのか、やはりアーセナルは優勝できないクラブだったのか。
もはやこの9年間の状況に慣れてしまっていた人はそう思っていたでしょう。僕も、スタンドからそんな気持ちで観ていました。

4. 待ちわびた瞬間

しかし、2失点した後、アーセナルは蘇りました。
前半のうちに1点を返すと、後半に同点ゴール。
「まだ、勝ったわけではない」そう自分に言い聞かせながらもどんどん湧き上がる高揚感。
90分で決着はつかなかったものの、延長戦に入った後も勢いはアーセナルにありました。
そして、待ちわびた瞬間がやってきます。延長後半3分、当時絶好調だったアーロン・ラムジーが値千金の逆転ゴール。3-2。
赤い人たちの狂喜乱舞。スタジアムに響き渡る応援歌
天国から地獄ではなく、地獄から天国。スポーツの素晴らしさ、サッカーの醍醐味が十二分に詰まった試合でした。グーナーからすれば。(※グーナー:アーセナルファンのこと)
こうして9年ぶりにタイトルを獲得したその場に居合わせることができた、その日は僕の一生の思い出になりました。

5. 惹きつける魔力

スポーツは1試合で感情がジェットコースターのように揺れ動く魔力を持っています。それが人々を惹きつけ、忘れがたい経験にさせてくれると思っています。
初めて観に行ったスポーツ観戦、大逆転勝利、大好きな選手の引退試合、、、いろいろなストーリーがそれぞれの試合にあります。
試合前から成り立つストーリー、試合の結果で変わってしまうストーリー、選手個人個人で持っているストーリー。
競技内容だけでなく、試合が持つストーリーにも注目してみるとスポーツ観戦がもっと面白くなるかもしれません。

では、また次回。

おまけ画像:後日、ラムジーにサインしてもらったチケット。家宝。

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