![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/95800462/rectangle_large_type_2_0d1f6e238a17bbc9289823460512bd85.jpg?width=1200)
2023年、読書初め
2023年、読書初めを読了。
naofumi_tさんの感想・レビュー『PK (講談社文庫)』 #ブクログ
2023の読み初めにチョイスしたのは、伊坂幸太郎「PK」。
2022の読み初めも伊坂幸太郎、作品は「モダンタイムス」(上・下)だった。
好きな作家は?と聞かれれば、今なら間違いなく伊坂幸太郎。
呼び捨てはいかんな。
伊坂幸太郎先生です。
伊坂幸太郎作品の特徴を挙げるとすると…
・魅力的な登場人物たち
・そんな登場人物が交わす軽妙な会話
・並行して進む複数のストーリーの絡み合い
・隅々まで張り巡らされる伏線
・その伏線の自然にして華麗なまでの回収
まだまだあるけど、挙げたらキリがない。
「PK」は短編集なんだけど、始めの2編『PK』『超人』がパラレルワールド然としているのと比べ、最後の1編『密使』が『密使』を読み始めた段階では関係ないように見える。
ところが、最後の最後に気付かされる。
『密使』全体が『PK』と『超人』に張り巡らされた伏線の壮大な回収だったと!
そして、『密使』による伏線の回収をもって、短編集「PK」は一冊の作品として完成する。
伊坂先生の短編集は、どれも一編一編の短編が完成されているにもかかわらず、短編集として編まれることで一つの世界が組み上がるのが特徴だしすごいところだと思う。
そして、伊坂幸太郎作品のもう一つ特徴と言っていいだろう、“しっかり終わらない”は、本作の場合短編一つ一つはもちろん、短編集としての本作までもがしっかりとは終わっていない。
余韻と余白。
完成しているのに未完成。
あるいは、未完成のように完成する。
ブクログのレビューには、「場面も時系列も異なる複数のストーリーが重なっていて難しかった」というものもあった。
私としては、それさえも伊坂作品の魅力。
時折迷子になりつつも、最後にはちゃんと目的地に辿り着く。
最後にはちゃんと目的地に辿り着くことがわかっているから安心して迷子になれる。
そんな伊坂幸太郎先生の作品、未読がまだまだたくさんあるし新刊も出る。
今年もお世話になります!