呼応する母と子の物語
noteでご活躍の岸田奈美さんが初の書籍を上梓されると知って、合わせて買いたい!と思って手にしたのが、母である岸田ひろ実さんが上梓された「ママ、死にたいなら死んでもいいよ」でした。
本のタイトルになった逸話は岸田奈美さんのエッセイでも知っていましたが、改めて読むと大病を患って抱いた将来に対する悲観を、母として、親としていかに乗り越えて今があるのかが母の視点で語られていて、親目線で感じるもの、響くものがありました。
ひろ実さんの文体は非常に真面目で丁寧。そういう意味では奈美さんの思いの丈がバーンってくる感じとは、真逆とまでは言わないけど、違っていて面白いな、と。
存じ上げないお父様の影響というか、遺伝子というものがあるんだろうな、とまで思ってしまいました。
そして、読みながら感じたこと。
ズレてるかもだけど。
岸田奈美さんの「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」は、「ママ、死にたいなら死んでもいいよ」のアンサーソング…ソングじゃないか、アンサーブックなのかも。
対になって答えが書いてあるのでは全然ないんだけど、「母はこんな風に歩んで、あの時のあんたの言葉があって、今こんななってんで!」→「私は私でこんな風に歩んで、あの言葉の先と後にこんなこと考えて、突っ走ったらこんなんなってん!」って感じがする。
「ママ、死にたいなら死んでもいいよ」は我が子への手紙と娘・奈美さんからの返信で締めくくられ、「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」は、写真家・幡野広志さんによる素敵な3人の家族写真がクライマックスを飾る。
この2作は、呼応する母と子の物語なのだ。よ。きっと。
そして、この2作に加えて手に取って、すごくよかったのが、垣内俊哉さんの「バリアバリュー」
岸田奈美さんが創業メンバーに名を連ね、のちに岸田ひろ実さんが加わることになるミライロの社長が描くダイバーシティの実現に向けた提言の書。
こちらを読んでから、「ママ、〜」→「家族だから〜」と読み進めるとまるで連作のようでもあります。
これからの社会をよりよくするために超絶オススメです。
そして、こちらを超絶拡散↓