#55 本に導かれて
2024/10/04(金)
修学旅行生でごった返す江ノ電に乗り、長谷に向かう。
「海と本」の店主、鎌田さんが時間を作ってくださったので、ロゴの制作について相談する。
「本屋象の旅」のロゴが好きで、加茂さんに「このロゴはどなたに作ってもらったんですか?」とたずねたら、それが鎌田さんだった。
「本は港」というブックイベントで、加茂さんと鎌田さんの対談を聞いたのが昨年の12月のこと。そこからそれぞれの本屋にも足を運ぶようになり、今ではこんな風にお話できるようになっている。本がつないでくれたご縁。
どこを目指しているのか、他のサービスにない強みは何なのか、ロゴができることによってどうなったら嬉しいのかなどを話していくうちに、自分がやっていることの価値を再確認することができた。
2時間近くお話する中で、別のデザイナーさんを紹介していただくことになった。本がつないでくれたご縁はどんどんのびていく。
午後は、水晶体再建術の術後1ヶ月検査。
目薬の種類が5種類から3種類に減ったが、そのうちの1種類が使い切り容器のため、紙袋いっぱいの目薬を持ち帰ることになる。
視力は少しずつ回復しているとのこと。老眼鏡を購入して、細かい文字や絵を描く仕事のとき、新聞を読むときに使っていることを伝える。
2024/10/05(土)
ハーフのマラソン大会。
雨だし、同じところをぐるぐると走る周回コースは好きじゃない。でもお金も払ってるし、行くしかない。
雨の中、ダイソーのカッパを着て黙々と走る。他にすることのない2時間ちょい、頭の中では考えごとをいろいろとする。答えを出さなきゃと思っていながら、先送りにしていたことの決断タイム。
参加者が少なかったので、年代別順位が3位だった。
2024/10/06(日)
とある介護付き有料老人ホームで行われた認知症タウンミーティングに参加。申し込みをしたのはだいぶ前で、リマインドメールが来るわけでもなかったから、手帳に書いていなかったら忘れていたかも。
久しぶりのモノレールに乗り、坂を登って行く。
会場に着いてみたら、なんと参加者はわたし一人だった。申し込みをした人は他にもいたらしいが、時間になっても来なかったので思いがけずマンツーマンのレクチャーとなる。
「昼ごはんに何食べたっけ?」というのは物忘れ。「食べたっけ?」と食べたこと自体を思い出せないのが認知症。
施設内の見学もさせてもらう。ファミリールームという名の面会室からは、晴れていたら富士山が見えるそう。ライブラリーとビューティーサロンが特にすてきな空間だった。
ライブラリーは誰かが選書をしているわけではなく、寄贈してもらったものが多いとの説明だったが、知的レベルの高さやセンスを感じる棚だった。
ビューティーサロンは美容室のようなお部屋で、利用者さんが実費負担で外部サービス(出張美容師さんとか?)を受けるためのスペースらしい。
事前にホームページで見た感じだと、月額利用料が70万円ぐらいだった。払える人と払えない人、人生のどの段階で差がついていくんだろう。
帰りに大船で乗り換えだったので、「ポルべニールブックストア」に寄る。
会計のときに店主の金野さんから、わたしが購入した本の著者が近くで個展をやっていると教えてもらった。
本のタイトルは「職業は専業画家」で、「すべてのフリーランス&クリエイターにオススメ!」という帯を見て手に取った。手描き人生マップだけで生計を立てられるようになっていない自分が、今読むべき本なのでは。
こういう出会いがあるから、やっぱりリアル書店が好き。
2024/10/07(月)
昨日買った「職業は専業画家」がおもしろくて、一気読み。
値段の付け方や個展を開く頻度、「自分のお客さん」の作り方など、とても参考になる。著者がご自身の経験を分析して、非常に具体的に書いてくれているので本当にありがたい。例えば、個展会場にふらりと入ってきたお客さんに、どのタイミングで何て声をかけるのかなど、今まで人から聞いたことがなかったので、なるほどーと読書日記にメモメモ。
これはもう直接会ってお話したいと思い、明日は個展に足を運ぼうと決める。
メモしたこと
・個展は未知の人と出会う場だから、親類や友人は呼ばない。
・自分で売り込んで得た出会いと見つけてもらった出会いでは、お客さんの熱量に大きな差がある。
・通りすがりの人との出会いがある画廊の特徴は、道路から中が見える、観光する人が通る、歩く人のスピードが遅い、文化的な香りがする、近くに美味しいお店があるなど。
2024/10/08(火)
「職業は専業画家」を書いた福井安紀さんの個展を見るため、雨の中を北鎌倉へ。
福井さんに名刺を渡し、手描き人生マップを作っていること、まだこれだけでは食べていけず、複数のアルバイトをしていることなどをぽつぽつと話す。「必要としている人に出会えれば大丈夫ですよ」と力強く言ってもらい、やる気が出る。(単純)
2冊目の著書「美の共感思考」もご本人から購入し、そのあとすぐ近くの「喫茶吉野」で半分くらい読んでしまう。ヒントになる言葉がたくさんあった。
週の初めに手帳に書き写していた占いに、こんな言葉があった。
「どんなにささやかな小さなアクションでも、動きがありさえすれば道がひらける。動きが風を呼び、瑞雲を呼び寄せる。」
たまたま立ち寄った本屋で、たまたま目にした1冊の本が、わたしにとっての瑞雲だったのかもしれない。
2024/10/09(水)
涼しくなってきたので、羽毛布団を出した。
お手伝いしているこども食堂と無料塾のチラシを置かせてもらえるか、近所の小学校へ相談に行く。
そのあと、カフェで手描き人生マップの清書を完成させる。老眼鏡を持って行き忘れたので、イラストの線が見づらい。ペンの種類を変えるなどジタバタしてみるも、あまり改善されず。