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かえるの王さま

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グリム童話『かえるの王さま』について書いた記事をまとめたマガジンです。
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#グリム童話

『かえるの王さま』の草稿を読む②: 王女は人目を忍び一人遊びをしていた

挿絵:井戸をのぞき込む王女 by Bernhard Wenig 以前の記事で、グリム童話の改訂過程を見たのち、『かえるの王さま』のエーレンベルク稿と第7版におけるタイトルの違いについて書きました。本記事はその続きです。いよいよ本文の比較に入ります。 願いが救いにつながる物語 第7版金田訳の書き出しは、 で始まります。ドイツ語の原文は、 であり、素直に英語に直訳すると、"In the old days, when wishing still helped,"となります

『かえるの王さま』の草稿を読む①: カエルは王子ではなく王である

挿絵:Bild, 1910 以前の記事で、『かえるの王さま』と『浦島太郎』は、物語の構造が同じだと書きました。また、どちらの作品も古代の感覚で読むべき、と書きました。 グリム童話の改訂過程 しかし、こういう議論を展開するには一つ問題がありました。私がこの考察をしたとき、『かえるの王さま』の話として、グリム童話第7版の金田鬼一訳(岩波文庫)を参照しました。 グリム童話は、1812年に出版された初版から6回の改訂を経て、1857年に出版された第7版が最終版となっています。

『かえるの王さま』の構造分析: この作品は西洋版『浦島太郎』である

挿絵:月岡芳年画浦島太郎 この間、蛙化現象について、いくつかの記事を書いてきました。蛙化現象の名称の由来は、グリム童話の『かえるの王さま』です。童話では、蛙にされていた王さまの魔法が解け、もとの人間に戻りますが、蛙化現象では反対に、恋の魔法が解け、人間に見えていた彼氏が、蛙に見えるようになってしまいます。 『かえるの王さま』の奇妙さ 私が小学生の頃、家にグリム童話の本が置いてあり、母から読み聞かせをしてもらっていました。懐かしい思い出です。その後、気に入って自分でも読み