雑学と課題を与えてくれた「とある本」
あえて書籍名はあげないが、雑学を集めた「とある本」が面白い。
200ちょっとの雑学が集められていて、物知りな私でも知らないお題が大量に載っている。しかし、面白いのはその雑学の内容ではない。
では、この本の何が面白いのか。それは、「雑学をうまく説明できていないところ」だ。(すべてのお題がそういうわけではないが)
この本の構成は、「あれがこれなのはなぜ?」という見出しに対し「それがこうだからである」と答えていく形式。
随分丁寧に「かくかくしかじか」と説明が書かれているように見えるが、肝心の「なぜ?」とは関係のない文章がほとんどだ。最高。
例えば
「相撲の土俵づくりになぜビール瓶が欠かせないのか?」
という題がある。これは初耳だ。相撲に関する知識が薄いので、是非とも聞かせていただきたい。興味の無い話題などない。
「かくかくしかじか」と説明が続く。以下文章を要約。
ここまでは、「へー。やっぱ土なんだ」といった感じである。さまざまなもの(原文ママ)とあるが、それはツールなのか原料なのか?さておき、いよいよ具体的な知識が出てくる。
デートで我孫子市に行った際、「ここらへんの土が土俵に使われてるんだぜ」と彼女に披露してもいいかな。と思った。土俵というワードに彼女がどんな反応をするのだろうか。デートに行く前、身につけるべき物といえば、香水より雑学だ。
ビール瓶というワードが来た。
ここまで読み終わり、ふとつぶやいた「なぜビール瓶なんだ?」
一度、今回の題を振り返ろう。冒頭に「相撲の土俵づくりになぜビール瓶が欠かせないのか?」と書いてある。
しかし、内容を振り返るとビール瓶に関しての説明がほとんど無い。私達が本当に知りたいのは、「ビール瓶でなければだめなのか?」「どこからやってきたビール瓶なのか?」「メーカーにこだわりはあるのか?」「力士はビールとか飲むのか?」「ちゃんこ鍋にビールが合うのか?」「再利用?エコ?SDGs?」そうだろう?
...と以上のような雑学が200ちょっと掲載されている。どれも途中で話がそれて、うまく説明できていないように思える。
この題に関しては、具体的な地名や、「タコ、タタキ」なんかの道具が出てきた。これは立派な雑学だ。しかしなぜビール瓶なのか....ビール瓶が無かった時代はいったいどうしていたのか....ビール瓶というのは具体的にいつの時代に生まれたものなのだろうか....
この「とある本」をすべて読み終えたころ、私は大量の課題を抱えていた。しかしインターネットで検索はしない。いつかきっと、どこかで解決されるかもしれない。雑学とはそのくらい雑に扱うべきだ。
ただ、これだけは覚えておいてほしい。
デートに行く前、身につけるべき物といえば、香水より雑学だ。
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