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「どうしてもそうしたい」には意味がある


学生時代から使っていた携帯電話の番号を変えた&LINEのアカウントを取り直した。10/1ちょうどに。THE 節目。

いやなんとまあスッキリしたことだろうか。身辺が。
こういうのって気持ちの問題ですよね。エネルギー的なものです。全部。

どうしても変えたかったんですよ。電話番号。

不便さとめんどうくささと、デメリットがあきらかにメリットを上回っていることがわかっていながら、それでもどうしてもそうしたい、理由なんかないけどそうしたい、という非合理的かつ論理的じゃないことをしたい瞬間というのが、ときに人間にはあるのであります。

そしてそのどうしても、という衝動と感情が湧く時、その判断はまちがっていないことが多い。根拠なんかないほうが、強い根拠になるのだ。

だいたい、どうしてもそうしたい、なんて思うこと、そんなにあるだろうか。

どうしても、と思った時点で、それはどうしてもしたいことなのだ。(2回言えばわかるよ笑)

できればその方がいいかな、とか、まあ他と比べたらこっちの方がいいかな、とか、時間があったら、とか、誰かにそうしろって言われたから、とか、このどうしてもに比べたら弱いと思わないだろうか。それはこれらが頭で考えた思考で、どうしてもは感覚だからである。

極端な言い方をすると、どうしてもしたいと思わないものは、選ばなかったとしてもたいして支障がないものなのである。惰性とか、便利だからとか、安いからとか、すごそうだからとか、正しそうだからとか、みんながそうしてるからとか、そういった何かによって選ばされてる理由ってたぶんにあるんじゃないだろうか。

どうしてもそうしたいことやものなんて、便利さと情報の洪水に鈍らされたわたしたちの生活では、選択肢が多すぎてそうそう浮かび上がらない。

そんな中から、「どうしてもしたい」と感覚的に思ったら、それはそれなりに自分にとっては重要なことなのだ。


電話番号を変えるときに、キャリアを変える「MNP転入」という方法を使ったのだが、オンライン申請で審査にはじかれた。

「理由は申し上げられません」

という、オペレーターさんの無機質な声に絶望した。


番号が変えられたのに、MNP転入審査ではじかれる???とはてなが浮かびまくっている方のために、手順を説明する。

わたしの使っているキャリアは、番号を変更するときに希望通りの下4桁の番号が選べないので、いったん番号を選べるキャリアで新規SDカードとMNP番号を取り、現在使っているキャリアに新しい番号で「転入」しなおすという横ワザテクを使った。参考はYahoo知恵袋。




電話番号は変えられたのに、

「審査の結果、お客様の転入申請は見送らせていただきます」

などという一大事を一文で済ませようとする、不条理なメールが届いた。

すぐさまカスタマーセンターに電話したものの、オペレーターは先ほどの

「理由は申し上げられません」

をAIのように繰り返すだけだった。


「オンライン申請と店舗申請では審査基準が少し違いますので、店舗でご相談してみてください」

「店舗に行ったとしても通らない可能性もありますよね? 通る確率ってだいたい何割くらいなんですか?(パニック)」

ほぼないですね。オンライン申請で通らないのであれば、店舗でも通らない可能性が高いです」



絶望。


ここでそんなに電話番号を変えることにわたしがこだわっていなければ、「めんどくさいしもう諦めるか…SDカード戻すだけで何もしなくていいんだし」と思ったと思うのだが、

「ほぼ無理です」と言われたのに、すぐに店舗の予約を入れていた。

そこまで必死になっている自分をどこか冷静にながめて、「わたしそんなに電話番号変えたかったのか」と思った。節目だからとか、スッキリするために番号変えちゃおー!くらいのノリだったのに、どうしてもそうしなければならないみたいな気持ちの悪さを感じていた。

予約制のガラガラの店舗で、30分ほど待ったあと、「こちらの名義で他社の料金滞納があるので通らなかったみたいですね」と言われ、心当たりがなさすぎてびっくりした。

未納があったのはわたしの名義で契約していた祖母の携帯電話で、亡くなった月と次の月の料金が支払われていないままだということだった。

2年前に祖母が亡くなったとき、携帯を解約しにいったのは親族だったので、手続きがよくわからなかったのかもしれない。名義をもっているわたし本人はあちこち引っ越していたので、滞納があったとしても携帯会社からの案内は届かないし、電話番号を変えようと思わなければ一生気づかなかったことだって考えられた。

ほら、こういうことがあるんだよなー

と思った。

自分の名義で人様に対して料金の未納があるままで、これからもわたしは何も知らずに過ごしていたかもしれないのだ。それをこういう形で清算させてもらったのである。節目にふさわしいひともんちゃくだった。

窓口の方のご好意で、手続き途中に未納料金を他社の店舗で支払うことができて、無事に転入申請が通った。

経験上、「どうしてもそうしたい」の先にはかならず何か意味のあることが多い。やっぱりその感覚には、素直に従っとくとまちがいなさそうだ。


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