完璧主義から脱却するには、どうしたら良いのか?
世の中には、完璧主義が大事な職業は多々あると思う。私のような研究者・科学者の場合、完璧主義でやらなければならない作業・仕事は特に多い気がする。
しかし、人生のほとんどの場面では、おそらく、完璧主義がもたらす弊害は尋常じゃない。ラボメンバーがロスする時間やリソースも、元をたどると、完璧主義から来ている場合が多い。今回は、最近私がやっている自分の完璧主義退治、また、ラボメンバーに紹介して効果があった手法を紹介したい。
時間を測る
まず効果的なのが、何事をするにも、時間を測ることだ。データがないと、何も対策ができない。
なので、最近私自身はグーグルシートのスケジューリングをもとに、毎日の行動を30分ごとにできるかぎり記録している。
その効果は早速今朝現れた。
私は、朝の方が頭がスッキリしているタイプの人間だ。なので、今朝も、起きてから2時間くらい、ある論文の原稿書きにとりかかっていた。
そして、気分を変えるために最近日課にしている朝のHIITトレーニングの時間になった。今日は自宅周りをダッシュしてくることに決めた(20秒全力疾走、10秒休憩、を8回繰り返す)。前回は「ロッキー」のテーマソングで気分を盛り上げることに大成功したので、今日は違う曲「Toxic」でやりたいと思った。
ところが。なぜか、この前Apple Watch に入れたはずの Toxicが入っていない!というか、ロッキー以外がない!(ここからのApple Watch, iPhone, AirPod の三つ巴の地獄の BlueTooth合戦は割愛)。
気づくと、15分が経過! だが、ここで、運動のためにかけておいたタイマーのおかげで我に返ることができた。もうひとりの自分の声がささやく。
「ロッキーで走ってくればいいやん。」「今日の夕方、頭がはたらかない時にもう一回BlueToothと合戦すればいいやん。」
確かに! そこで冷静になった私は、そこから8分のwarm up、4分のHIIT、6分 cool downというルーチンを無事に終えて今の幸せな気分でNoteを書くにいたった。(そしてこれは40分くらいで書くべきだと決めた)
ちなみに、ロッキーが終わった後、なんと、ToxicがApple Watchから流れてきた。。。
要は、ハマりそうな可能性がある仕事や作業に入る前に、タイマーで時間制限をかけておいたおかげで、私の今日の一日が救われたということだ。
詰まったら他人に見せる・相談する
Blue tooth 地獄に対しては、タイマーのおかげで、もうひとりの自分の声を聞くことができた。
しかし、研究の場合はこうはいかないことが多い。たとえ、時間をおいても、自分がこだわっていることが本当に重要なのことなのかがわからないことが多い。これはグラントや論文書きの作業でもよくある。
そういう場合、指導者や共同研究者、友達、弟子、誰でもいいので詰まっている状況を見せるのがオススメだ。
他人になんでその状況で詰まっているのかを説明すると、詰まっている原因がクリアになる。そのおかげで、他人からのアドバイスによってその問題が解決することもあるが、自分で解決法に気づくことも多い。
そして、もし他人が「そもそも、なんでその問題を解かなきゃなんないの?」と聞いてくれた時に、「それは...」と言葉に詰まる自分を発見できる場合があ。そこではじめて、その問題を解くべきではないことに気がつく!
なんで、Toxicで走らなきゃならないのか? ロッキーでいいじゃん。
確かにそうなのだ。。。
助けをもとめることは、プラスになることを理解する
上のようなことが起きた場合、多くの人は「あー、なんてくだらないことで他人の重要な時間を取ってしまったのだ...」と自己嫌悪に陥るかもしれない。
実際それを心配するせいで、人に助けを乞うのが苦手なラボメンバーが多い。というか、人間は、基本、他人に助けを乞うことが苦手な動物のようだ。人に頼む技術 という本に、心理学的なEvidence付きでそう書いてあるし。
そこで、うちのラボでは、「5分以内」に終わる可能性が高い頼みごとは、積極的に頼みましょう、と奨励している。これは、他人を助けることのプラス(Give and Takeという本がオススメ)、人に助けを乞うことのプラスからベストな数字のようだ。まだこの考えは、浸透しているとは思えないので、これからもやっていこうと思う。
大体の「死活」問題は、後から振り返るとくだらないものが多かったと振り返る
1の「時間を測る」のところでも書いたが、行動の記録をとっておくのは重要だ。これを続けると、大概の「死活」問題がどの時間帯に集中して起きがちで、それが本当に、その時間帯にやるべきことかどうか、を検討することができる。これは、行動記録がすでにできている上級者向けのアドバイスになる。
私の場合は、朝に頭がハッキリしたしていることが判明している。そして、その朝の時間帯に「toxic vs rocky」以外にも多くの死活問題が発生しがちだ。
たとえば、WordPressの目次問題。最近、Noteでは簡単に目次が作れることに感動した。そこで、
「おー、これはいいぞ。WordPressでもやったほうがいいな。やらないと、WordPressのViewer数が増えない!」、と目次問題が死活問題に朝の時間帯にランクアップした。
が、調べてみると、簡単に目次をつけるには、プラグインをつけなければならない。プラグインをつけるには、有料プランで年間400ドルくらい払う必要がある。今の時点で設けなんてなんもないし、続けるかどうかもわからないのに。。。あ、でも、HTMLを使えば、無料で簡単に目次をつけることも可能なのか。フムフム。。。どうすべきか。。。
そこで、タイムリミットの25分のアラームが! と同時に天の声が。
「目次、なくてもいいじゃん」「頭が働かなくなった夕方にそれやればいいじゃん」
そうして私の貴重な朝の時間は、またタイマーによって救われた。
夕方に新たに目次問題を調べて気がついたのは、ブログの目次問題は確かに重要だが死活問題ではないことにきづいた。
このように、多くの「死活問題」は時間をおけばおくほど(数時間、数日、数週間などなど)大したことがない場合が多いことに気づく。重要じゃない問題は後回しにすることが可能だ。
結論
完璧主義からの脱却は、おそらく、科学者にとっての研究だけでなく、人生一般で生じてくる問題だと思う。他にも色々と私が試して有効だと思ったことがあるので、今後、機会があったらまたこのトピックで書いてみたい。(そして、ここでタイムリミットタイマーがなっったので、遂行してアップロードすることにします。)