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その色には意味があった!郷土芸能のおもしろポイント<色編>~東北の暮らしや文化を発信~
東北の暮らしや文化を伝える発信をしている、なおたむです。
各地の郷土芸能や民俗芸能が好きで観に行きます。
(以下、郷土芸能と書きます)
その中でぼんやりと「衣装がカラフルだな」と感じていました。
皆さんもそう感じたことはありませんか?
観る回数を重ねるうちに、ある共通点に気がつきました。
それは衣装に同じ色が使われている、という点です。
いくつか写真でご紹介しますね。
はじめに宮城県仙台市で行われる、川前鹿踊(かわまえのししおどり)。
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川前に伝わる鹿踊の由来は,その昔,天竺で稲虫による大飢饉が発生したときに数万の鹿が現われこれを退治してくれたことから,以後鹿頭をかぶって,毎年踊られるようになったのだという。装束は,口がカタカタと軽く動く鹿頭に,九曜紋の入った白・黄・紫・赤・青の五行色横縞の絹幕をたらし,あや竹,たっつけ,腰帯,白手拭,黒足袋,草鞋(わらじ)履きで,腰につけた一尺の羯鼓(かっこ)を打ち鳴らしながら踊る。
こちらは幕の色に、白・黄・紫・赤・青の5色が入っていますね。
つぎにご紹介するのは、岩手県北上市の鬼剣舞(おにけんばい)です。
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鬼剣舞の起源は、1300年前にさかのぼります。大宝年間(701~704)山伏・役行者が天下泰平、五穀豊穣、万民繁栄を願って舞った念仏踊りが始まりとされ、その後、戦の出陣・凱旋の際に踊られたのが広く世に伝わったと言われています。いかめしい面をつけて踊ることから一般に「鬼剣舞」と呼ばれていますが、鬼ではなく仏の化身であり、面には角がありません。面の色には白・青・赤・黒の4色があり、白面だけは「一剣舞」と呼ばれ、リーダー格の者1人だけが付けます。
面の色に注目すると、赤い面・白い面をつけていますね。
実はもっとたくさんの色の面があります。
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鬼剣舞は1人が白面、ほかの7人は青・赤・黒の『阿』『吽』の面をそれぞれつけます。この4色は四季・方位を示すとともに悪魔を降伏させ人々を救済する「仏さま(明王)」を表わしています。
「鬼」ではなく「仏」ですから、この面には角がありません。
この他、カッカタは大日如来(不動明王)の化身で黄色の面をつけます。
こちらには、白・黄・黒・赤・青の5色が使われています。
また方角とセットになっていることが分かりますね。
ご覧いただいた鹿踊・鬼剣舞とも、5色を使っている点が共通しています。
これは偶然ではありません。
実は"五行思想"にもとづいています。
五行思想とは中国ではじまった考え方で、
すべてのものは5つの要素から成り立つ、というものです。
その要素とは、「木・火・土・金・水」です。
この5つの要素に色をあてたものが「青・赤・黄・白・黒」です。
色だけではありません。
方角をあてると「東・南・中央・西・北」。
同じく中国で方角を守る神と考えられた四神(しじん)
「青龍・朱雀・白虎・玄武」。
こちらにも色名がついていますね。「玄」は「黒」の意味です。
下のイラストをご覧いただくと分かりやすいと思います。
四神・・・参照 精選版 日本国語大辞典
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実は、普段私たちが目にするものにも、色と意味がセットになっているものがたくさんあります。
私もデザインで色を決める時、このセットを意識しています。
逆に、セットではない色をあえて使っていると面白いな、と感じたりします。
皆さんの周りの色には、どのような意味があるでしょうか?
こちらでは、東北の暮らしや文化にまつわることを分かりやすくまとめていきます。地域を新たな目で見るきっかけになれば幸いです。