公園の使用を制限するのは是か非か

公園の使用を制限することになったとの話がありました。
子ども達の場がまたなくなります。

本当にそこが問題なのでしょうか?

厚生労働省の4/23時点のデータで、日本の年齢別陽性者数と死亡数で10代以下は少ないです(全国で476名の陽性者数は多い、ゼロにならないと心配との意見もあると思います)。

11日本

もしリスクゼロにならないといけないとなると、海外で厳しい外出自粛をしている国でも4/24時点の新規感染者数、死亡者数はピークは過ぎているようですが、1ヵ月近くは横ばいです。

1アメリカ

2スペイン

3フランス

4イタリア

5ドイツ

5ドイツ

6イギリス

韓国の新規感染者数と死亡者数は減少しています。

8韓国

しかし、日本は韓国と同じような厳しい戦略をとれる状況にはなく、また今後に同じような戦略をとる場合の個人情報の問題点もあります。

韓国では、2020年4月21日時点で,COVID-19と確定された10,683例のうち、2,233例が病院または施設で隔離されていて、合計237がなくなった。しかし、韓国のトレース戦略は個人情報に対して重要な問題がある。
Information Technology–Based Tracing Strategy in Response to COVID-19 in South Korea—Privacy Controversies
JAMA. Published online April 23, 2020. doi:10.1001/jama.2020.6602

以上の海外の状況も勘案して、日本の4/23時点の新規患者数と死亡者数がゼロ近くになるのは相当な期間が必要となりそうです。

10日本

また、休校に関するLancet Child Adolesc Healthの以下の報告があります。学校を閉鎖するだけで、2〜4%の死亡しか防ぐことができず、他の社会的距離を隔てる介入よりもはるかに少ないことを予測しているとのことです。

Lancet Child Adolesc Health. 2020; 4: 397-404
www.thelancet.com/child-adolescent Vol 4 2020年5月
COVID-19を含むコロナウイルスアウトブレイク中の学校閉鎖と管理実践:迅速なシステマティックレビュー

コロナウイルス感染症2019(COVID-19)の大流行に対応して、107か国が2020年3月18日までに国立学校の閉鎖を実施しました。学校対策がコロナウイルスのアウトブレイクに有効かどうかは不明です(例えば、原因が重症急性呼吸器症候群[SARS]、中東呼吸器症候群、またはCOVID-19)。私たちは3つの電子データベースを検索して、コロナウイルスのアウトブレイク中の学校閉鎖および他の学校における社会的距離の実践の効果について知られていることを特定するために体系的なレビューを行ないました。特定された616の論文のうち16の研究が本レビューに該当しました。学校の閉鎖は、COVID-19のために中国本土と香港中に急速に展開されました。しかしながら、伝播管理に対する学校閉鎖の相対的な寄与に関するデータはありません。中国本土、香港、シンガポールのSARSアウトブレイクからのデータは、学校の閉鎖は疫学のコントロールに貢献しなかったと示唆しています。SARSのモデリング研究は矛盾する結果が出ました。COVID-19の最近のモデリング研究は、学校を閉鎖するだけで、2〜4%の死亡しか防ぐことができず、他の社会的距離を隔てる介入よりもはるかに少ないことを予測しています。政策立案者は、COVID-19の学校閉鎖を検討する際には、あいまいなエビデンスを認識する必要があり、社会的距離の測定を組み合わせることを検討する必要があります。制限付きの社会的距離政策が長期にわたって実施されている場合、学校は、他の混乱の少ない社会的距離の介入をさらに検討する必要があります。
(Lancet概要は以上です)

公園の制限は、行政の方も辛いと思います。住民から数十件の公園を制限すべきとの意見があれば、意見が少ないからとないがしろにできないですし、移動の8割削減のために出来うる限りのことをする必要もあると思います。

ただ、日本の自粛が要請しかできない中、この2週間行って、現状で動かざるを得ない状況の割合もわかって、残り2週間の戦略が、出来る範囲でより厳しくすれば(公園を制限する等)、掲げている基本再生係数が達成できる(1人がうつすのが1人以下)のは、上記のデータからは難しいようです。

どの状況で再開の決断ができるか。
そのためには医療機関がどんな患者に対しても感染対策ができるようなガウン、マスク等の必要性。
学校を開いた場合に例えば家族が陽性になった場合に自宅待機にするのか。その期間。その間の学習方法。復帰した時にいじめがないように先生も子どもも教育が必要。

学校を再開して、1例でも問題があると、大きく取り上げられて、リスクゼロにするためにはいつまでも休校となってしまう。

我々の状況の理解も必要ですね。







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