目的を大きくするか、目的を多く持つか
こんにちは。今日は「副次的効果」について。
目的外のことを望むべきか
何かを目的に活動していた結果、本来のものとは別の効果が現れる、というのは珍しいことではありません。副次的効果ってやつですね。
これは基本的には想定外・期待していなかった効果になるため、受け取った側としてはとても嬉しいものではあります。主目的も達成されていればなお嬉しいものです。
ですが、この副次的効果に惹かれて本来の目的を忘れてしまっては本末転倒です。
極端な例でいけば、節約を初めたら食生活が変わって痩せ始めた、もっと痩せるために節約と同時に割高なダイエット食品を食べ始めた結果、節約が成り立たなくなる、といった具合ですね。
副次的効果は最初の「想定外の利益」というインパクトが強いですから、そのインパクトに引きづられてしまう、というのはわからんではありません。
この例では副次的効果の魅力に引っ張られるがあまり元の目的である節約が成り立たなくなっています。
二兎を追う者は一兎をも得ず。あえて二兎を追うなら、それなりの設計が必要になる、って話です。
目的の切り替え
そもそも目的を追いかける、ということは目的達成以外の利益を切り捨てること、ともいえます。
例えば節約を追いかけるなら娯楽・浪費の利益を切り捨てることになります。
今回の例では娯楽としての食事が切り捨てられた結果ダイエットに繋がりましたが、ダイエットそのものは健康管理、あるいは娯楽に属する行動と私は考えます。
娯楽を切り捨てて他の娯楽を得ているのですから、節約に回せるリソースと、その利益が減少するのは当然と言えるでしょう。
二兎を追いかけたくなるのは目的外の利益が見えてしまったことに加え、今の目的から他の目的へ切り替えることへのためらいがあるような気がします。
目的を追いかけることが他の利益の切り捨てとするならば、目的を変えることはこれまで目的として頑張ってきたこと・その利益をバッサリ切り捨てることと言えます。
この犠牲を受け入れるよりも目的を大きく・広げた方がいいと言うのは心理的には納得できる話ですね。
針か、槌か、ハリネズミか
ところで、先程の例では「節約しながら割高なダイエット食をする」という矛盾が問題になっていましたが、これが「お金は節約する、体力はダイエットに回す」ならどうなっていたでしょうか。
つまり、お金の節約は続けつつジョギングをするなど、リソースを食い合わない投資でダイエットをする、ということです。
主観ですが、これは「目的を大きくする」ではなく「目的を多く持つ」にあたることだと思います。
風船を割るならハンマーよりも針のほうが手軽なように、一つの目的に対して一点集中することで目的達成は楽になります。
ですが人間そうそう一点集中ばかりすることはできません。それなら、一点集中を複数持ったらどうなるだろう、と考えたわけです。
もちろん複数の目的にどうリソースを振り分けるかの計算は必要になりますが、その計算をして、結果を忠実にこなしていけば、曖昧なまま二兎を追うよりは達成しやすくなると思いますね。